飯豊まりえ、25歳でデビュー15周年 「人前に出るのも不得意だった」少女を変えた出会い

俳優・モデルの飯豊まりえ(25)が、デビュー15周年というアニバーサリーイヤーを記念した写真集『かの日、』(小学館、撮影・東京祐)を発売した。飯豊が写真集と15年間のキャリアで大切にしているものを語った。

デビュー15周年を迎え、写真集を発売した飯豊まりえ【写真:長谷英史】
デビュー15周年を迎え、写真集を発売した飯豊まりえ【写真:長谷英史】

デビュー15周年を記念した写真集『かの日、』への思い

 俳優・モデルの飯豊まりえ(25)が、デビュー15周年というアニバーサリーイヤーを記念した写真集『かの日、』(小学館、撮影・東京祐)を発売した。飯豊が写真集と15年間のキャリアで大切にしているものを語った。(取材・文=平辻哲也)

『かの日、』は私服、セルフメイク姿の飯豊を人気フォトグラファー、東京祐氏がオール撮り下ろし。スケジュールの合間を縫って、約1年間にわたり月1回のペースでフィルムカメラを中心に撮影を重ねた。レジャーシーンから日常のおうちシーン、ラフなTシャツから正統派美人のワンピース、さらに浴衣やパジャマといったプライベート感たっぷりのショットを収録している。

「フィルムの質感は温かいですし、1年間通して撮影しているので、物語のようになっています。恥ずかしい気持ちもあったのですが、それよりも、とても贅沢なことをさせていただけたのだと思い、感動しました。この写真集は、限りなく素に近い私が写っていると思いますし、出来上がったものを見たときに、『こんな表情していたんだ』と思う写真もありました」

 2008年に小学生向けのファッション誌『ニコ☆プチ』とavexが主催する「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」で応募総数約800人からグランプリを受賞し、芸能界デビューした。

「15年はあっという間でした。前回の写真集は20歳になる時の記念に発売させていただいたのですが、節目の年にこういう作品をお届けできたことがうれしいです。自分らしいものをお見せする機会が少なかったので、いつも応援してくださる方々にも届いたらいいなと思っています」

 これまでの活動で忘れられないのは、デビューのきっかけとなった雑誌「ニコ☆プチ」の編集長との出会いだという。

「編集長と出会ったことで人生が大きく変わりました。昨年、再会することができ、感謝の気持ちを直接伝えることができたのはとてもうれしかったです」と振り返る。

 芸能界に入らなかったら、どんな道を進んでいたか、と聞くと、「10歳からお仕事をさせていただいているので、正直、どうなっていたかは想像がつかないですね。小さい頃は特別な夢もなく、人前に出るのも得意ではありませんでした」と明かす。

写真集『かの日、』への思いを語った【写真:長谷英史】
写真集『かの日、』への思いを語った【写真:長谷英史】

 モデルをスタートに女優業としても活躍しているが、大切にしている言葉は、10代に読んだ詩人・茨木のり子さん(1926~2006年)の詩「自分の感受性くらい」。自分の感受性くらい自分で守れ、時代や他人のせいにするなという内容だ。

「さまざまな詩を読んできましたが、茨城のり子さんの詩が一番好きでした。その詩は、自分自身と向き合うことの大切さを感じさせてくれました」

 現在は『101回目のプロポーズ』や『高校教師』など野島伸司がオリジナル脚本を手掛けたABCテレビのドラマ『何曜日に生まれたの』に主演中。18歳から10年間引きこもり生活を送っていたヒロインが高校の同窓会の招待状をきっかけに運命が動き出すというストーリー。

「お芝居を始めた頃と比べて、今は力を入れすぎず、感じたままに演じることを意識しています。現場でみなさんと一緒に作品を作ることは本当に楽しいです」

 日常生活で「ときめく」瞬間は、ご飯を食べる時や人と話す時。着物や陶芸にも興味を持っている。

「私は最新のテクノロジーよりも昔ながらの物が好きです。最近は白菜漬けにハマっています。料理を作っている時は、心が落ち着きます。あと、着物などを少し集めていて、過去の建造物や作家さんの作品にも興味があります。さまざまなことを学び、興味を持ったことを役にも活かせたらいいなと思っています」

 写真集発売は大きな節目になったが、今後についても「さまざまな本に触れて、自分の感じたことを大切にしながら、新しいことに挑戦したいと思っています。友達や大切な人との時間も大切にしたい。人生は一度きりなので、新しい出会いや経験も楽しみたいと思います」と意気込んだ。

□飯豊まりえ(いいとよ・まりえ)1998年1月5日、千葉県生まれ。2012年の女優デビュー後、数多くのドラマ・映画に出演。主な作品は、映画『いなくなれ、群青』『シライサン』『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』。ドラマはABEMA『僕だけが17歳の世界で』、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』、読売テレビ・日本テレビ系『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』、NHK『岸辺露伴は動かない』シリーズ、日本テレビ系『君と世界が終わる日に』シリーズなど。現在、ABCテレビ・テレビ朝日系『何曜日に生まれたの』に主演中。雑誌『Oggi』の専属モデル、『MORE』のレギュラーモデルとしても活動。 声優としては『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』『夏へのトンネル、さよならの出口』に出演。167センチ。

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