俳優の池松壮亮が4日、都内で行われた映画『白鍵と黒鍵の間に』（10月6日公開）プレミア上映イベントに出席。本作でピアノ演奏を披露している池松は「弾くなんて言わなきゃよかった」と苦笑しながら明かした。

　約半年間、ピアノ演奏を猛特訓。劇中で披露される「ゴッドファーザー 愛のテーマ」は池松本人によるものとなっている。池松は「やりますと言って、だいだい後悔するタイプなんですけど、伸び悩みましたね。半年間なかなか伸びなかった」とレッスンの日々を振り返った。

　自身の父親がジャズファンで、ずっとジャズが流れている家庭で育ったという池松。「根源として一番流れているもの」というが、披露した「ゴッドファーザー 愛のテーマ」は「あまりにも難しくて、普通の曲を弾くよりも難易度が上がった」と吐露した。

　バンドマスター役の高橋和也は、現場で聞いた池松の生演奏に感嘆したといい、「俳優ってすげーなって思った。俺も俳優なんだけど、素直に尊敬しましたね。池松くん本当に弾いているし、なんだこれって」と称賛の言葉を送った。

　映画の原作は、ジャズミュージシャンで、エッセイストとしても活動する南博の『白鍵と黑鍵の間に-ジャ ズピアニスト・エレジー銀座編-』。昭和末期、夜の街・銀座を舞台に、2人のピアニストの運命が大きく狂い出す様を描く。池松は、夢を見失ってしまったピアニスト・南と、ジャズマンになりたいと夢に向かって邁進する若人・博の一人二役を演じた。

　池松は「すごくいいもの出来たという実感があります。人生いろんな局面がありますが誰かの心の隙間を埋めるような、変わりゆく時代の間を埋めるような、そんな映画になってくれたらうれしい」と呼びかけた。

　イベントには森田剛、高橋和也、冨永昌敬監督も参加した。なお、仲里依紗は体調不良のため登壇を見合わせた。