西脇彩華、初主演舞台で見せた堂々たる姿 本間日陽、モト冬樹らと“原爆の記憶”をたどる

タレントとしてマルチに活躍する“ちゃあぽん”こと西脇彩華が初主演を務める舞台「“STRAYDOG” 30th Anniversary Produce『夕凪の街 桜の国』」のゲネプロが1日、東京・新国立劇場小劇場で実施された。8月19日に物語の舞台でもある広島県民文化センターで上演された同舞台。9月1日~3日には、新国立劇場で計5公演が予定されている。

『夕凪の街 桜の国』で主演を務めた西脇彩華(右)とモト冬樹
『夕凪の街 桜の国』で主演を務めた西脇彩華(右)とモト冬樹

10月11日には全国12か所の映画館で劇場上映

 タレントとしてマルチに活躍する“ちゃあぽん”こと西脇彩華が初主演を務める舞台「“STRAYDOG” 30th Anniversary Produce『夕凪の街 桜の国』」のゲネプロが1日、東京・新国立劇場小劇場で実施された。8月19日に物語の舞台でもある広島県民文化センターで上演された同舞台。9月1日~3日には、新国立劇場で計5公演が予定されている。

 同舞台は、こうの史代原作による同名漫画が原作。脚本・演出を森岡利行氏が手掛ける。共演にはNGT48の本間日陽、森田涼花、林勇輝、中原和宏、モト冬樹らが名を連ねた。

 西脇演じる石川七波は、父・石川旭(モト)の不審な行動を怪しく思い、尾行を試みる。そしてたどりついたのが、父のルーツの地、東京から何百キロも離れた広島だった。父が広島を訪れた目的は、原爆で亡くなった姉・皆実(本間)を追悼するため。そこで出会った人々との会話を通して、“原爆の記憶”をたどっていく。

 物語は、現代と昭和を生きる七波と皆実という2人の女性を軸に展開していく。時折、客席の笑いを誘うコミカルな演技や歌にダンスを交えながら、被ばく者たちが直面した苦悩などを繊細に描いている。

皆実を演じたNGT48・本間日陽
皆実を演じたNGT48・本間日陽

 西脇にとっては舞台初主演となる本作。1人語りや歌にダンス、モトや本間との掛け合いなど堂々たる姿を見せた。舞台主演発表の際には「広島がお話の舞台、私にも伝えられる事があるはず」とコメントしていた通り、地元・広島への思いを込めて、丁寧に表現している。

 また、本間は被ばく者という難しい役どころを好演。皆実は、姉妹2人を原爆で失い、自身も原爆投下から数年後に病魔に襲われ、この世を去ることなる。明るく元気な皆実を表現する一方で、時には何かに取りつかれたかのように鬼気迫る表情を見せるなど、見事に演じきった。

 忘れてはならないのは、モトの存在だ。随所でコミカルな演技で笑いの要素を散りばめながらも、姉妹3人を原爆によって失い、疎開先で1人生き残ったという葛藤を抱きながらも、生き続けた男の苦悩を表現した。

 広島への原爆投下から78年――。忘れてはならない“当時の記憶”をキャストたちがあふれんばかりの熱量で届けている。

 そんな本作は、10月11日に東京・新宿ピカデリー、広島・109シネマズ広島をはじめとした全国12か所の映画館で劇場上映を実施予定。

次のページへ (2/2) 【写真】西脇彩華や本間日陽が好演…『夕凪の街 桜の国』の場面カット
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