【医療の現場から】開業医にコロナの疑問を直撃!(後編) 愛犬・愛猫から感染は?

新型コロナウイルス感染拡大にともない、さまざまな不安や疑問の声がわき起こっている。ENCOUNT編集部にも読者からのそうした不安や疑問の声が届いている。そこで、救急医学、内科、外科と幅広い分野の現場を経験してきた「やたがいクリニック」谷田貝茂雄先生に読者からの声をぶつけてみた。谷田貝先生は現在、実際に新型コロナウイルスが疑われる患者の診療に当たっている。

身近な動物からのさまざまな感染症にも要注意(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
身近な動物からのさまざまな感染症にも要注意(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

ペットからの感染はごくまれ

 新型コロナウイルス感染拡大にともない、さまざまな不安や疑問の声がわき起こっている。ENCOUNT編集部にも読者からのそうした不安や疑問の声が届いている。そこで、救急医学、内科、外科と幅広い分野の現場を経験してきた「やたがいクリニック」谷田貝茂雄先生に読者からの声をぶつけてみた。谷田貝先生は現在、実際に新型コロナウイルスが疑われる患者の診療に当たっている。

Q7:イヌやネコなど身近な動物を介して感染しますか? たとえば、感染者が連れているイヌと、自分のイヌが散歩中に出会ってじゃれあった後、自分のイヌに付いたウイルスが自宅に持ち込まれ、自分が感染するようなことはありますか?

A7:ないことはないです。厚生労働省や日本獣医師会のHPに書かれていますが、海外では人間からイヌやネコ、トラへ感染したと思われる事例が報告されています。ミンクから人間に感染した可能性があるとの報告もあります。しかし、その他の動物から人間へ感染した例は報告されておらず、ミンクから人間への感染例もごくまれだと思われます。

 新型コロナウイルス以外のウイルスによる感染症もあります。ほかの感染症を避ける意味でも、イヌやネコにキスをしたり、舐めさせたりしないほうが良いでしょう。また、イヌやネコを触ったら石けんで手を洗うか手指消毒用アルコールで消毒することが推奨されています。

 新型コロナウイルスの感染は飛沫感染と接触感染、エアロゾル感染です。飛沫感染は咳や唾液と一緒に放出されたウイルスを、ほかの方が口や鼻から吸い込んで感染すること。接触感染はウイルスのついた手で周りの物に触れ、他の方がそれを触った手で口や鼻を触ることで粘膜から感染すること。エアロゾル感染は換気が悪い環境でウイルス濃度が高くなり、ウイルスを吸って感染することです。

Q8:ヤブ蚊に刺されたら感染する可能性はありますか?

A8:蚊を媒介とするジカウイルスなどもありますが、新型コロナウイルスに関しては、現在はそのような症例は報告されておらず心配ないと考えてよいでしょう。

次のページへ (2/2) 気候とコロナは関係があるのか
1 2
あなたの“気になる”を教えてください