東出昌大が明かす1年半の山小屋暮らし 「東京よりいい」も「役者に疲れたわけではありません」

ABEMAの新番組『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』(#1、#2、#3はABEMAで無料配信中、#4は20日午後9時放送)に旅のパートナーとしてゲスト出演した、俳優の東出昌大(35)。現在は関東近郊にある人里離れた山奥の小屋を借りて、自由な生活を楽しんでいる。その生活の一端を明かしてくれた。

山暮らし1年半の生活を明かした東出昌大【写真:荒川祐史】
山暮らし1年半の生活を明かした東出昌大【写真:荒川祐史】

ABEMA『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』出演、東出昌大インタビュー第2弾

 ABEMAの新番組『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』(#1、#2、#3はABEMAで無料配信中、#4は20日午後9時放送)に旅のパートナーとしてゲスト出演した、俳優の東出昌大(35)。現在は関東近郊にある人里離れた山奥の小屋を借りて、自由な生活を楽しんでいる。その生活の一端を明かしてくれた。(取材・文=平辻哲也)

 紺色のハットに、口ひげを蓄え、日焼けした肌。東出の風貌は、俳優というよりも、登山家か、バックパッカーといった感じ。旅の荷物を詰め込んだリュックサックの重量は100キロ以上。189センチの長身とはいえ、これを背負って旅をするのは、相当な体力を必要とされるだろう。だが、山暮らしを続ける東出は慣れたもののようだ。

「山暮らしはどれくらい前から」と聞くと、「1年半前からですね。朝は山の水で顔を洗い、タバコを吸ってコーヒーを飲みます。その後は、小屋の建設や、畑の作業などをしています。地元の人たちや、役者仲間など、さまざまな人が訪ねてきて、一緒に酒を飲みながら楽しい時間を過ごしています」

 猟銃を扱うための免許も取得した。今年からは猟犬の血筋をひく雑種の中型犬という相棒もできた。東京での暮らしよりも、今の生活の方が性に合っているのだという。

「猟師は商売や職業というわけではなく、食べる分だけを取るという立場です。有害鳥獣駆除の依頼で何十頭と取ることもあるんですけど、去年は余った肉をソーセージ工場に持って行ったりしてました。実感としては、全部取らなくてもいいんじゃないかって思います。だから、自分の食べるものだけを取るっていう生活をしています」

『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』は、アフリカ・ナミビアの砂漠に放置された「2ちゃんねる」の創業者、ひろゆき氏(西村博之)が10万円を手渡され、陸路のみでゴールを目指すバラエティー。この番組出演も、この山暮らしでの経験を制作サイドに見込まれ、オファーを受けた。

 約3週間に及ぶアフリカ旅は、今後の生活に変化をもたらすだろうか。

「一括りにはできませんが、アフリカの一部の国では牛、ヤギ、ニワトリが食されるのが当たり前なんだと実感しました。私が動物を仕留める時は、動物に痛みを与えないようにしていますが、アフリカの方は少し違いました。それを楽しみにしている感じを受けましたが、それは文化の違いなんでしょう。アフリカの人たちは笑顔が素晴らしく、愛想もいいのにも驚きました。初対面でもすごく晴れやかな笑顔を向けてくれるんです。そのテンションに引き込まれて、一緒に楽しんだこともあります。行ってみないと、分からないことがいっぱいありました」

俳優業は「とてもポジティブに取り組んでいます」と現状を語る【写真:荒川祐史】
俳優業は「とてもポジティブに取り組んでいます」と現状を語る【写真:荒川祐史】

「役者の仕事に疲れたわけではありません」の真意

 山暮らしは、生きるとは何かを考えさせてくれるようだ。そんな生活を続ける一方、俳優を引退したわけではない。現在、所属事務所はなく、フリーランスの立場で自らマネジメント業務もやっている。

「役者の仕事に疲れたわけではありません。この2、3年での仕事は、5年前や8年前に比べて成果が出てきていると感じています。都会の生活は合わないかもしれませんが、役者としての仕事にはとてもポジティブに取り組んでいます」と胸を張る。

 確かに『BLUE/ブルー』ではパンチドランカーに悩むボクサー、北海道・函館の作家、佐藤泰志の原作の『草の輝き』では精神疾患を患い、人間関係に悩む男、実在の裁判を元にした『Winny』では、ファイル共有ソフトを開発した伝説的な実在のプログラマー役を好演しており、今後も待機作もある。

「今はすべての仕事を受けるわけではありません。良い作品になると信じられない場合は断ることもあります。もちろん、受ける仕事もたくさんあります。無理をしなくても、生きていけるので、焦らずに、役者としての時間や自分の人生を楽しみたいと思っています」と東出。自分がいるべき居場所を見つけたようだ。

□東出昌大(ひがしで・まさひろ)1988年埼玉県生まれ。2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以後、数々の作品に出演。主な作品として、第71回カンヌ国際映画祭の『寝ても覚めても』、人気の『コンフィデンスマンJP』シリーズ、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞の『スパイの妻』、『Blue』、『草の響き』、『Winny』、9月1日公開の『福田村事件』が控える。

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください