【映画とプロレス #16】「LOVE STORY2050」ZERO1のハートリー・ジャクソンはボリウッド映画に出演していた
WWEからハリウッドのトップ俳優に上り詰めた“ザ・ロック"ドウェイン・ジョンソンを筆頭に、いまや映画出演するプロレスラーはめずらしい存在ではなくなった。が、インド映画に出たことのあるプロレスラーは果たして何人いるだろうか。日本人の感覚からすると意外ではあるが、インドは世界一の映画大国。その中心地はムンバイで、ムンバイで製作される映画は旧名のボンベイと映画の都ハリウッドを合わせてボリウッドと呼ばれている。ボリウッド作品には映画のすべてが集約されていると言われており、人間の喜怒哀楽が詰まっている娯楽作品が圧倒的。ドラマの途中で突然、豪華絢爛な群舞シーンが挿入されることでも知られている。そんなインド映画に出演経験があるのは、WWE NXTのコーチから日本のZERO1にカムバックしたハートリー・ジャクソンだ。ジャクソンは08年にボリウッド映画「LOVE STORY2050」に“タフガイ役"で登場。出演シーンでは、なんと新日本プロレスのTシャツ姿で主人公とのアクションを展開する。
2008年公開のボリウッド映画「LOVE STORY2050」
WWEからハリウッドのトップ俳優に上り詰めた“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソンを筆頭に、いまや映画出演するプロレスラーはめずらしい存在ではなくなった。が、インド映画に出たことのあるプロレスラーは果たして何人いるだろうか。日本人の感覚からすると意外ではあるが、インドは世界一の映画大国。その中心地はムンバイで、ムンバイで製作される映画は旧名のボンベイと映画の都ハリウッドを合わせてボリウッドと呼ばれている。ボリウッド作品には映画のすべてが集約されていると言われており、人間の喜怒哀楽が詰まっている娯楽作品が圧倒的。ドラマの途中で突然、豪華絢爛な群舞シーンが挿入されることでも知られている。そんなインド映画に出演経験があるのは、WWE NXTのコーチから日本のZERO1にカムバックしたハートリー・ジャクソンだ。ジャクソンは08年にボリウッド映画「LOVE STORY2050」に“タフガイ役”で登場。出演シーンでは、なんと新日本プロレスのTシャツ姿で主人公とのアクションを展開する。
ラブコメディ、アドベンチャー、ミュージカルなど、「LOVE STORY2050」もジャンルの枠を超越した典型的なボリウッド作品だ。その上、CGを駆使したボリウッド初のサイエンスフィクション超大作という触れ込みとあって、SF色が強調されている。タイトルからも想像できるように、主人公たちは2050年のボンベイへとタイムトラベルするのである。
23歳の青年カラン(ハーマン・ハヴェア)は、オーストラリアで事業を営む父とともに暮らしている。ある日、彼はアデレードの街中でサナ(プリヤンカー・チョープラー)という同郷の女性に一目惚れ、アタックが実り交際がスタートする。カランの叔父は科学者でタイムマシンを開発、叔父の家でカランとふたりきりになったサラは「ムンバイの2050年に行ってみたい」と夢を語る。しかし、サナは交通事故で帰らぬ人になってしまう。失意のどん底に落ちたカランは、叔父、サラの幼い妹弟とともにタイムマシンに乗り込むこととなる。2050年のムンバイへと降り立ったカランは、サラと瓜二つのザイシャと出会う(プリヤンカー・チョープラーが一人二役)。サラは保守的な女性だったが、ザイシャはインドで超人気のスーパースター。急接近した2人に対し、タイムマシンを狙う悪党たちが彼らの動向を伺っていた…。
映画は前半が現在のオーストラリアで、後半は未来のインドが舞台となる。2050年のボンベイ描写は「スター・ウォーズ」シリーズ(特にエピソード1以降)、「ブレードランナー」(82年)の影響がありあり。ライトセイバーでの戦いは「スター・ウォーズ」(77年)だし、空中を飛び交う自動車やホログラム広告など、「ブレードランナー」の未来図そのまんまだ。女子型「QT」、ピンクのテディベア型「ブー」というロボットのダサかわいいチープさが、かえって微笑ましい。また、製作から12年が経った今年2020年からみて、2050年よりも早く実現しているのではないかと思われるガジェットがいろいろと出てきて興味深い。もちろん、インド映画らしさ全開のミュージカルシーンも散りばめられており、実に盛りだくさん。興行的には失敗し日本未公開となっているが、これはこれでかなり楽しめる作品になっている。カランはクローンとの対決で、ドロップキックを繰り出すのだ!