薬物事件の日大アメフト部、活動停止解除もリーグ出場資格停止 関東学連「部全員が潔白の保証がない」

日本大は今月5日にアメリカンフットボール部員の北畠成文容疑者(21)が、覚醒剤取締法違反及び大麻取締法違反の疑いで警視庁に逮捕されたことを受け、同部を無期限活動停止処分としていたが、10日、再度の協議で同処分を解除することを公式サイトで発表した。理由については「この度の問題は部員1名による薬物単純所持という個人犯罪であり、個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰することになり、学生の成長を第一に願う教育機関として最善の措置ではないと判断したためです」としている。

林真理子理事長【写真:徳原隆元】
林真理子理事長【写真:徳原隆元】

“4点の課題“をクリアなら出場可能も「勝敗のつかない参考試合に」

 日本大は今月5日にアメリカンフットボール部員の北畠成文容疑者(21)が、覚醒剤取締法違反及び大麻取締法違反の疑いで警視庁に逮捕されたことを受け、同部を無期限活動停止処分としていたが、10日、再度の協議で同処分を解除することを公式サイトで発表した。理由については「この度の問題は部員1名による薬物単純所持という個人犯罪であり、個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰することになり、学生の成長を第一に願う教育機関として最善の措置ではないと判断したためです」としている。

 事件を受け、日大は8日、東京・九段南の日大本部で林真理子理事長、酒井建夫学長、澤田康広副学長が会見。この際、アメフト部を無期限活動停止処分にした理由については、競技スポ―ツ部を主管する責任者の澤田副学長が「落ち着いて部活動ができる状態にはないため」などと説明していた。

 その一方で、関東学生アメリカンフットボール連盟は10日、オンラインで臨時理事会を開き、日大アメフト部に対して、「当面の間の出場資格の停止」とすることを決定。公式サイトで発表した。

「同部からは昨日、来月2日に開幕する1部リーグTOP8のリーグ戦に参加したいという意思を伝えられ、本日同部の中村敏英監督から説明を受けましたが、現状では試合に出場させることはできないと判断しました」

 今後については、「規律委員会が調査を進め、最終的に理事会で処分が追加される可能性があります」とした上で、今回の処分を科す理由として「日大アメフト部側から、逮捕された部員以外の部関係者全員が違法薬物に潔白であると保証できない旨が示されたこと」「逮捕された部員以外の部の関係者に違法薬物を使用した者が存在している疑いが払拭できないこと」「再発防止策の提示ならびにその実施がなされていないこと」「部関係者(指導者、学生を含む)の責任の所在が明らかでないこと」の4点が示された。

 処分に伴い、来月2日に予定されていた法政大戦は中止。以降の試合については、各試合日の1か月前を期限とし、課題の4点を日大アメフト部がクリアしたと連盟が認めた場合、「リーグ戦出場を許可する」「ただし、試合は『参考試合』とし、対戦相手含めて勝敗はカウントしない」としている。結果、日大が大学日本一決定戦『甲子園ボウル』に出場する可能性は消滅した。

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