綾瀬はるかが描く“かっこいい女性像” 主演映画で“史上最強のダークヒロイン”に挑戦

俳優の綾瀬はるか(38)がアクション映画『リボルバー・リリー』(8月11日公開、行定勲監督)に主演した。大藪春彦賞を受賞した長浦京の同名小説が原作で、大正時代の帝都・東京を舞台に、陸軍と対峙する元スパイの物語。本格的なガンアクションは初挑戦となる。

インタビューに応じた綾瀬はるか【写真:荒川祐史】
インタビューに応じた綾瀬はるか【写真:荒川祐史】

綾瀬はるかが明かすアクション俳優とは…

 俳優の綾瀬はるか(38)がアクション映画『リボルバー・リリー』(8月11日公開、行定勲監督)に主演した。大藪春彦賞を受賞した長浦京の同名小説が原作で、大正時代の帝都・東京を舞台に、陸軍と対峙する元スパイの物語。本格的なガンアクションは初挑戦となる。(取材・文=平辻哲也)

 普段は華やかさとともに、柔らかな空気を運んでくる綾瀬だが、今回の映画ではキレキレのガンアクションを披露している。演じたのは政府の特殊機関に所属していた小曾根百合。引退後は銘酒屋の女主人を務めており、S&W「M1917」リボルバーの使い手である。ある重大な秘密を抱え、陸軍から追われる少年・慎太(羽村仁成)を救うために、陰謀を企てる陸軍に立ち向かう。

「女性でガンの使い手という役は珍しく、かっこいいと感じました。百合さんは母性も強く、優しさも持ち合わせており、正義感が強い魅力的な人物です」と綾瀬。

 週に1回のジムでのトレーニングが欠かせなかったが、コロナが流行してジムにも行けなくなり、少しサボってしまったという。そんなときにこの作品のオファーを受け、走るなどして体力を戻していった。

 本格的なガン・アクションは初めて。銃さばきも練習を重ねた。プロのスナイパーのように銃を構え、弾の入れ替えを淡々と焦らずにこなせるように努力した。リボルバーは重く、何回も演じる中で手が震えたそうで、相手に当たってけがをさせないよう気を付けた。

 アクションを自ら演じることへのこだわりは強く、好きな俳優として、マット・デイモンやミッシェル・ヨーの名前を挙げる。自分でアクションをこなせるようになると、厳しい目で他の作品を見るようになったという。見せ方にも研究を重ねてきた。

「ただ蹴るとうそっぽく見えるものです。力を入れるタイミングや心構えなどが重要だと思いますが、相手をけがさせないようにする難しさもあります。アクションも演技と同じく心で演じるもので、そこを磨くと動きにキレが出る」と語る。

 劇中に散りばめられたさまざまなアクションの中で、お気に入りは清水尋也演じる謎の男・南始との池での対決だ。霧を抜けて戦い始める幻想的なシーンは何度も撮り直しを重ね、お互いの息が合って決まった。

 クライマックスでは、日比谷公園で100人以上の陸軍と銃撃戦を展開。白いドレスを着て戦うシーンは美しい。

「あんなに腕を出して敵に向かう姿はすごいですよね。けがもありましたが、大きな問題はなく、青タンもメイクで利用して傷を作り上げました」と振り返る。

 映画の宣伝文句では「史上最強のダークヒロイン」と称されているが、綾瀬にとって、かっこいい女性像は何かと問うと、「戦争や人殺しが無意味だと知っている小曾根さんのように、痛みを知り、過去を受け止め、前向きに捉える女性がかっこいい」。綾瀬が演じた小曾根百合は、強さと優しさの共存、女性としての誇りと美しさを持ったニューヒロインとなっている。

□綾瀬はるか(あやせ・はるか)1985年3月24日生まれ。広島県出身。2001年にデビュー。『世界の中心で、愛をさけぶ』『ホタルノヒカリ』『八重の桜』『義母と娘のブルース』等のテレビドラマや、『海街diary』『今夜、ロマンス劇場で』『奥様は、取り扱い注意』など話題の映画に多数出演。

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