仲野太賀、憧れのイ・チャンドン監督と対面し歓喜「とてもすてきな言葉をいただけた」
俳優の仲野太賀が9日、都内で開催された『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』(25日より公開)の公開記念先行上映会舞台あいさつに、イ・チャンドン監督と共に出席。イ監督からの言葉に、感銘を受けていた。
イ・チャンドン監督に花束を手渡し「大緊張しています……!」
俳優の仲野太賀が9日、都内で開催された『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』(25日より公開)の公開記念先行上映会舞台あいさつに、イ・チャンドン監督と共に出席。イ監督からの言葉に、感銘を受けていた。
約5年ぶりの来日となったイ・チャンドン監督は「映画館で観客の皆さんと会うのは本当に久しぶりなので、胸がいっぱいです。きょうは日本の映画界で素晴らしい活躍をされている、主役とも言える仲野さんとご一緒できるということで、なおさらありがたく、うれしく思っています」と喜んだ。
イ監督の大ファンである仲野は、監督に花束を手渡し「きょうは、イ・チャンドン監督に花束を渡すという大役を任されて非常に誇らしく、大緊張しています……!」と吐露し、「はるばる日本に来てくださって本当にありがとうございます。日本の映画ファンは、震えるほど喜んでいると思います」と感謝した。
イベント終盤には、仲野からイ監督に質問する場面も。「監督が映画を撮る上で、人間を描く上で、大切にしていることはなんですか?」という質問に、イ監督は「あえて言うとしたら、人工的なものではなく、ありのままの人間の姿、本当の人生を見せることだと言えます。観客の皆さんが映画を見たときに、登場人物の状況、感情が本物かどうか感じられると思っています。もし、物語や人物が本物だと思えなければ、見終わった後に何の痕跡もなく、すぐにその作品のことを忘れて家に帰れると思うんです。でも、劇中の人物の感情が本物だと思ったら、それを自分の人生と重ねて、結びつけて何かを残してくれると思います。もちろん、すべての映画がそうである必要はないですが、私はそういう映画を作りたいと思っていますし、作ることによって観客の皆さんと出会って、コミュニケーションを取りたいという気持ちを持っています」と答えた。
この回答に仲野は「とてもすてきな言葉をいただけました。大事にしたいと思います」としみじみ。司会から、よりイ監督の作品に出たくなったのではと振られると「それはそうです(笑)」と笑顔を見せていた。
同作品は、イ監督の『シークレット・サンシャイン』『バーニング 劇場版』『ポエトリー アグネスの詩』『オアシス』『ペパーミント・キャンディー』『グリーンフィッシュ』の6作品に、フランスのドキュメンタリー映画監督・アラン・マザールと共に制作したイ・チャンドン監督自らが過去作を振り返り、創作活動の原点とその歩みを見つめる日本初公開の新作ドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術』の計7作品で編成された特集上映となっている。