俳優・佐藤蛾次郎さんのお別れ会が2日、都内で行われた。佐藤さんは昨年12月9日に虚血性心疾患のため死去。会には蛾次郎さんが出演した映画『男はつらいよ』シリーズの出演者の前田吟や山田洋次監督、関係者らが出席した。

　戒名は「慈愛院和演日忠居士（じあんいんわえんにちゅうこじ）」。祭壇には白を基調とした花が彩られた。遺影は2000年ころの宣材写真を使用。長男で俳優の佐藤亮太は「柔和な感じがいいのかなと。皆さんのイメージもこういうふわっとした蛾次郎の方が喜ばしいかなと思い、選ばせていただきました」と語った。

　記者から「お父様はどんな方でしたか」との質問に対して、亮太は「いろんな感情はあるんですが、一言で言うと尊敬できるしカッコいい人だったなと。俳優としても尊敬しているし、父親としても、優しく接してくれましたし、カッコいい背中を見せてくれました」と振り返った。

　佐藤さんは『男はつらいよ』のレギュラー出演者として知られる。同作品では柴又帝釈天で働く寺男「源公（愛称・源ちゃん）」を演じ、さまざまな作品でも独特の存在感を放った。当日は関係者のほかにも一般献花も実施。会場では、おなじみの帝釈天の半纏（はんてん）のほか、アロハシャツ、スカジャンといった愛用品などを展示した。

　展示された写真のなかには、家族で出演した『オールスター家族対抗歌合戦』（フジテレビ系）のときのものも。亮太は「やっぱり楽しかったなあと思いますね」としみじみ。また、「まだ、もうちょっとそばにいてほしかった」ということから納骨はまだ済ませていない。「最後、ここで鎮座していただいて、皆さんを見ていただこうかなと思いました」と亮太。続けて、「とりあえず、こういう会を設けさせてもらったので、上から見ててね」と故人に声を掛けていた。