昭和はゲーム機戦国時代だった 『ファミコン』と同時期に発売された名・珍ゲーム機たち

家庭用ゲーム機の歴史を振り返ると、1983年の『ファミリーコンピューター(通称:ファミコン)』発売を期に、ゲーム開発が劇的にスピードアップした。ゲーム業界は『ファミコン』の家庭用ゲーム機シェア独占を阻止するため、多くのゲームメーカーがゲーム機を発売し、覇権を争う戦国時代に突入したのだ。そんなゲーム戦国時代を彩った代表的なゲーム機を紹介していこう。

『メガドライブ』【写真:(C)SEGA】
『メガドライブ』【写真:(C)SEGA】

『ファミコン』発売から40周年に振り返る

 家庭用ゲーム機の歴史を振り返ると、1983年の『ファミリーコンピューター(通称:ファミコン)』発売を期に、ゲーム開発が劇的にスピードアップした。ゲーム業界は『ファミコン』の家庭用ゲーム機シェア独占を阻止するため、多くのゲームメーカーがゲーム機を発売し、覇権を争う戦国時代に突入したのだ。そんなゲーム戦国時代を彩った代表的なゲーム機を紹介していこう。

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○『カセットビジョン』

『ファミコン』発売以前に家庭用ゲーム機の覇権を握っていたのが、81年にエポック社から発売された『カセットビジョン』だ。82年までに30万台以上の販売を記録した。当時ほかのゲーム機が5万円以上と高額だった中『カセットビジョン』は、1万3500円と低価格だったことや、当時珍しかったカセット式でいろいろなゲームを遊べたことが、ヒットのきっかけとなる。

『カセットビジョン』の独壇場は83年の『ファミコン』発売まで続き、テレビゲーム文化を家庭に浸透させた立役者として、今でもゲームの歴史を語る上で欠かせない存在だ。

○『PV-1000』

『PV-1000』は、83年10月にカシオ計算機から発売されたゲーム機。当時アーケードゲームとして人気だった『プーヤン』『ディグダグ』などが移植された。家庭用ゲーム機の覇権争いをしていた『ファミコン』と同価格帯である1万4800円で発売されるも、性能面で『ファミコン』に目劣りすることから人気を得ることはできず、ひっそりと姿を消していった。

○『セガ・マークIII』

 85年にセガから発売された『セガ・マークIII』は、83年に発売された『SG-1000』の上位互換機だ。アーケードゲームでの人気作『ファンタジーゾーン』『スペースハリアー』を高い完成度で移植し、アーケードゲーマーから人気を得た。シェア拡大が予想されていたが、同85年に『スーパーマリオブラザーズ』が発売されたことが大きく影響し、『ファミコン』に家庭用ゲームシェアを独占されてしまった。

○『PCエンジン』

『ファミコン』人気が続く87年、新たな刺客として現れたのが『PCエンジン』だ。ハドソンと日本電気ホームエレクトロニクス(後のNECホームエレクトロニクス)の共同開発で生み出されたゲーム機で、『ビックリマンワールド』『カトちゃんケンちゃん』などのキャラクターゲームや、『R-TYPE』などのアーケードゲーム移植版を豊富に展開した。

 初期出荷台数60万台は完売し、ファミコン派とPCエンジン派で二分されるほどの人気となり、後に『スーパーファミコン』とも競合し続けることでゲーム史に名を刻んだ。

○『メガドライブ』

 88年に『セガ・マークIII』に続く、セガの刺客として『メガドライブ』が発売される。『メガドライブ』発売以前までは存在しなかった16ビットCPU搭載ゲーム機であることをアピールしたテレビCMが有名だ。さらに『セガ・マークIII』時代よりもオリジナルタイトルに力を入れる戦略から『ファンタシースターII 還らざる時の終わりに』や『ソーサリアン』などの名作ゲームを世に送り出す。『メガドライブ』発売を機に『ファミコン』『PCエンジン』と三つ巴となって覇権を争う時代に移り変わっていった。

 90年に『スーパーファミコン』が発売された後は、世代交代をするように『ファミコン』の勢いは徐々に衰えていった。『メガドライブ』『PCエンジン』など数々のライバルゲーム機の前に立ちふさがった『ファミコン』の輝かしい功績は、今後も語り継がれていくだろう。

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