『音楽の日』事務所越えたダンスコラボ企画の意義深さ ジャニーズ参加に見る“転換点”【記者コラム】
TBS系特番『音楽の日』が15日に放送され、所属事務所の垣根を越えた総勢90人のダンスコラボ企画が実現した。日本を代表する人気ダンスボーカルグループが集結。ヒットダンス曲をノンストップで踊りつなぐスペシャルステージが展開された。意義深かったのは、ジャニーズ事務所のTravis Japanも加わっていたこと。ネット上では「時代が変わった瞬間を見た」の声が上がり、ジャニーズOBで番組総合司会の中居正広は「テレビってすげえな~。これ、できんだよ」と感嘆の声を上げた。
いち早く必要性を訴えていたSKY-HI「皆最高だったー!!うおー!!!」
TBS系特番『音楽の日』が15日に放送され、所属事務所の垣根を越えた総勢90人のダンスコラボ企画が実現した。日本を代表する人気ダンスボーカルグループが集結。ヒットダンス曲をノンストップで踊りつなぐスペシャルステージが展開された。意義深かったのは、ジャニーズ事務所のTravis Japanも加わっていたこと。ネット上では「時代が変わった瞬間を見た」の声が上がり、ジャニーズOBで番組総合司会の中居正広は「テレビってすげえな~。これ、できんだよ」と感嘆の声を上げた。(文=柳田通斉)
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1曲目はDA PUMPの『U.S.A』だった。早速、Travis Japan、GENERATIONS、BE:FIRSTら6グループが加わり、おなじみの振りで踊り切った。続いて流れてきたのは、少年隊の『仮面舞踏会』。これをTravis Japanの宮近海斗、GENERATIONSの白濱亜嵐、INIの後藤威尊が担当した。ジャニーズの歴史を彩った名曲をこの3人でパフォーマンス。私も長年、芸能関係の取材をしているが、「あり得ないことが起きている」と画面を凝視した。
言わずもがなジャニーズ事務所は、日本男性アイドル界をリードする特別な立ち位置。音楽番組でも、コラボはジャニーズのグループ同士が大半だったからだ。
その後もステージは続き、Travis JapanはBE:FIRST、INIらとコラボした。他のグループもそうだったが、自分たちの楽曲でなくても、気迫、負けん気を感じさせるダンス。精度の高さ、キレから、この日のために相当な準備をしてきたことをうかがわせた。
ステージ終了直後、BE:FIRSTをマネジメントするBMSG代表取締役CEOのSKY-HIは「TBS#音楽の日 最高でしたね!皆最高だったー!!うおー!!! どんどん事務所の垣根を皆でクロスオーバーしていきましょう」とツイートした。自身はいち早く「事務所、レーベルの枠を越えた取り組み」を唱え、今年2月からプロジェクト『D.U.N.K. -DANCE UNIVERSE NEVER KILLED-』を動かしている。日本テレビ系で同名の音楽番組を開始。3月には番組連動で大型ライブイベントを開催した。5月には、日本初の民放テレビ局が制作に入ったYouTubeコンテンツの音楽番組になり、世界へ情報発信している。同番組には、『音楽の日』の企画に登場したグループの大半が出演してきたが、今回、特別な立ち位置であるジャニーズ事務所のTravis Japanが加わった。その大きさを感じていることも踏まえ、SKY-HIは「うおー!!!」と叫んだと思っている。
この企画にも携わっていたSKY-HIは、5月21日に配信したENCOUNTのインタビューでこう話している。
「競争がないと成長もないし、シーンがないとカルチャーも生まれない。カルチャーがないと浸透しないと本気で思っています。日本の何かしらのカルチャーがアジアのポップスとして世界で存在感を示す。その視座であればすごく(世界進出への)可能性を感じます」
つまり、日本のボーイズグループが1つのカルチャーになり、束になって世界を目指していく考え方だ。Travis Japanは既に世界デビューしているが、今回の企画が「束になっていく」という機運を高めたことは間違いない。そして、企画をプロデュースしたs**t kingzのshojiが発した「これを当たり前にしていきたいと思います」に出演者90人全員が拍手。この光景を見て、日本のエンターテインメントがいい方向に転じていることを確信した。