俳優の松本まりかが14日、都内で行われた映画『アイスクリームフィーバー』の初日舞台あいさつに出席。終盤にあいさつする場面で、「みんなが認めあえるような世の中になればいい」と涙ながらに訴える場面があった。

　松本は映画の魅力を伝えようと「みなさんの個性が爆発していると言うか……」と話すも、その後言葉が詰まってしまい「どうしよう。うまく言えなくなっちゃった」と考え込んだ。吉岡里帆や司会者から「ゆっくりでいい」などと声をかけられると、一呼吸置き、再び話し始めた。

「世の中の若者のなかでいろいろあるじゃないですか。いろんな自分をどう表現していいのか分からなくて、一生懸命自分を表現するけど、それがうまくいかなくて批判される世の中になってきている」と頬を流れる涙を拭いながら語った。

　続けて「この映画では自分がどんな趣味嗜好（しこう）だろうが、どんだけ奇抜だろうがどんだけ平凡だろうが、それを認めてくれる」とし、「（監督の）千原くんも奇抜でめっちゃいいじゃないですか。そういう個性っていうものを認めあえばいいじゃないかって思うんです。いろいろあるけど、この映画を見て、持っている“個”をもっと出していいだと思って、負けないでほしい。みんなが認めあえるような世の中になればいいな」と力を込めた。

「なんかわかりますか？」と松本が観客に尋ねると、会場は大きな拍手が起こった。吉岡も「分かります。まりかさんが全部言ってくださった」と感謝し、自身の経験を振り返りつつ「長い時間をかけて夢がかなうこともある。『捨てたもんじゃないぞ』って、そういうのをこの仕事から感じた。見てくれるみなさんの感性に委ねて、映画を楽しんでほしい」と話した。

　原作は、作家・川上未映子氏の短編集「愛の夢とか」に収められた「アイスクリーム熱」。アイスクリーム店に集う女性4人の憧れ・興味・好意・執着などを描いたラブストーリーとなる。舞台あいさつには水曜日のカンパネラの詩羽、メガホンをとった千原徹也監督も参加した。