53歳オーナーが「最後に買うクルマ」は国産オープンカー 渋る妻説得した1台との運命の出会い
妻から「いいよ」をもらって、念願がかなった。愛車ダイハツ・コペン ローブは、「最後に買うクルマ」の覚悟を決めた1台だ。53歳会社員の男性オーナーは、どこで“運命の出合い”を果たしたのだろうか。
「最終的に『いいよ』と言ってもらえたんです」 デモカーだったコペン ローブをゲット
妻から「いいよ」をもらって、念願がかなった。愛車ダイハツ・コペン ローブは、「最後に買うクルマ」の覚悟を決めた1台だ。53歳会社員の男性オーナーは、どこで“運命の出合い”を果たしたのだろうか。(取材・文=吉原知也)
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仕事で車を走らせる中で、いつも気になるクルマがあった。中古車販売店に展示されているデモカー。このコペン ローブだった。「通るたびにかっこいいなと思っていたんです。なんなんだろうって」。その前に乗っていたダイハツ・ミラジーノは13万キロを超え、乗り替えを検討していた時期だった。「調べていたら、このコペンが売り物だと分かり、すぐ問い合わせたんです。いつかオープンカーに乗りたかったんですよ」。
一方で、夫が高い買い物をする際には、“妻の承諾”が大きなポイントになる。
男性オーナーは必死にプレゼン、説得。「『最後に買うクルマだから、好きなものを買わせてくれ』。そうお願いしたんです。最初、一緒に見に行ったときはブーブー言われて、その後もぶつくさ言われたのですが(笑)、最終的に妻から『いいよ』と言ってもらえました」。5年前に購入した。
2014年式で、鮮やかなブルーが鮮烈だ。足回りは特徴的。17インチのホイールで、もともとの仕様でタイヤは少しばかり“ハの字”になっている。自分で取り付けたちょっとごついグリル、色合いにこだわったスポイラーも印象的。ステッカーを含めて全体的に、青・赤・黒のカラーリングで統一している。「もともとデモカーの仕様の部分もあるので、カスタムはそんなにお金はかかってないですよ」と話す。
実は30歳ぐらいのときにR32スカイライン タイプMに乗っていたことがある。純正品ではないがR32で愛用していたステアリングを、現在の愛車にも継続して使っている。自分のカーライフの“歴史”もしっかり継承している。
ちょっと走り屋なオーラを放っているが、「コペン愛好家はすれ違ったら互いに手を振るのですが、あまり手を振ってもらえないかな(笑)。同じようにカスタムしたコペンからはわりと応じてもらえるんですけど」と笑う。
軽規格のオープンスポーツカー。通勤時の相棒でもある。乗り心地は「最高に気持ちいい」。屋根を開ければ、暑い夏場でも朝や夕方は心地よく乗れる。気になる奥様の反応は?
「妻はあまり乗りたがらないですね(笑)。1回乗ったら、『怖いから、もういい』って。まあ、どうしても硬く感じるので仕方ないですね」。それでも、「このクルマに乗ることができたのは、妻が許してくれたからこそ。妻には本当に感謝しています」と実感を込める。
父親としての夢もかなった。「息子と2人でオープンカーに乗りたい」。愛車を手に入れた時期は、息子が小学校に上がるころだった。ずっと気に入ってくれているといい、親子ドライブの思い出を作ることができている。「コペンで出かけるときに、『行く?』って聞くと、『行く行く』と言ってくれるんです。去年の夏に富士スピードウェイで開催されたコペンのイベントに息子と行きました。今年の夏にもミーティングが予定されているので、一緒に行きたいですね」と声を弾ませる。
もうこれで最後――。そう思っているが、ちょっと心がうずくことがある。「会社の社用車でスズキ・エブリイが入って。マニュアルの新車なのですが、何気に速いし、乗っていて楽しいんですよ。ほら、いま軽トラのカスタムがはやっているじゃないですか。面白そうですよね。でも、さすがにこれで軽トラ買ったら妻に怒られちゃいますね」。もちろん、コペンは乗れる限り乗る腹積もりだ。新たな夢は“交渉次第”になるかもしれない。