日本のドームコンサートで勢力を拡大するK-POP勢 23年上半期公演数はついにジャニーズ超え

昨年大みそか放送の『NHK紅白歌合戦』にはTWICE(トゥワイス)、IVE(アイヴ)、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)、さらに韓国の芸能事務所と日本側の合同プロジェクトから誕生したNiziU(ニジュー)とJO1(ジェイオーワン)を加えると計5組のK-POP勢が出演し注目を集めた。その後、K-POP勢はNHKや民放の歌謡番組にも次々と出演し、今月1日放送の日本テレビ系『THE MUSIC DAY 2023』にはBTSを擁するHYBE傘下アーティストのLE SSERAFIM(ルセラフィム)、&TEAM(エンティーム)、TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)、NewJeans(ニュージーンズ)の4組が出演するなど存在感を高めた。K-POP勢が日本のテレビ番組に出演すると少なからぬ懐疑の声も上がるが、では実際にファンが現場に足を運ぶコンサートはどういう状況になっているのだろうか。今年上半期が過ぎたタイミングで年間スケジュールを公開している京セラドーム大阪の状況を調べてみると、やはりK-POPの勢いはかつてないほど高まっていることが判明した。

K-POP勢が続々とコンサートを開催している京セラドーム大阪(写真はイメージ)【写真:写真AC】
K-POP勢が続々とコンサートを開催している京セラドーム大阪(写真はイメージ)【写真:写真AC】

SEVENTEENは「17」に合わせた日程 平日開催でもファン結集 動員力を証明

 昨年大みそか放送の『NHK紅白歌合戦』にはTWICE(トゥワイス)、IVE(アイヴ)、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)、さらに韓国の芸能事務所と日本側の合同プロジェクトから誕生したNiziU(ニジュー)とJO1(ジェイオーワン)を加えると計5組のK-POP勢が出演し注目を集めた。その後、K-POP勢はNHKや民放の歌謡番組にも次々と出演し、今月1日放送の日本テレビ系『THE MUSIC DAY 2023』にはBTSを擁するHYBE傘下アーティストのLE SSERAFIM(ルセラフィム)、&TEAM(エンティーム)、TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)、NewJeans(ニュージーンズ)の4組が出演するなど存在感を高めた。K-POP勢が日本のテレビ番組に出演すると少なからぬ懐疑の声も上がるが、では実際にファンが現場に足を運ぶコンサートはどういう状況になっているのだろうか。今年上半期が過ぎたタイミングで年間スケジュールを公開している京セラドーム大阪の状況を調べてみると、やはりK-POPの勢いはかつてないほど高まっていることが判明した。

 京セラドーム大阪は97年に東京、福岡に次ぐ日本で3番目のドーム球場としてナゴヤドームと同時に開場した。宇宙船をイメージした近未来的な外観と音響効果を高めるため7層で構築した天井の「スーパーリング」が特徴だ。プロ野球オリックス・バファローズの本拠地だが、コンサートやイベントなど多彩な行事も開催されている。同ドームの公式ホームページ(HP)の「ジャンル」には「コンサート」の項目があり、23年の「イベントスケジュール」一覧を見ることができるため比較がしやすい。年明け早々の1月は、国内の歌謡界で圧倒的な存在感を持つジャニーズ事務所所属アーティストのコンサートが軒並み続いた。『KinKi Kids Concert 2022-2023 24451 ~The Story of Us~』が1日と2日、『Hey! Say! JUMP 15th Anniversary LIVE TOUR 2022-2023』が7日と8日と9日、『関ジャニ∞ ドームLIVE「18祭」』が13日と14日と15日。大阪の音楽祭典は新年早々、ジャーニーズ一色で染まった。

 一方、下旬になると『ENHYPEN WORLD TOUR ‘MANIFESTO’ in JAPAN追加公演』が21日と22日、『TREASURE JAPAN TOUR 2022-23 HELLO SPECIAL in KYOCERA DOME OSAKA』が28日と29日に開催されており、31日の『SUPERSONIC OSAKA 2023』には韓国のグローバルオーディション番組『Girls Planet 999』からデビューしたKep1er(ケプラー)とLE SSERAFIMのほか、BTSの大ヒット曲『Mic Drop』をリミックスした米音楽アーティストでDJのスティーヴ・アオキも出演しておりK-POPがらみで盛り上がったかっこうだ。

 2月以降の年内スケジュールを見ると、ジャニーズ系はSixTONES、Snow Man、 ALL Johnnys’ Jr.が予定を組む一方、K-POP系はNCT(エヌシーティー)、StrayKids(ストレイキッズ)、SEVENTEEN(セブンティーン)、ENHYPEN(エンハイプン)、BLACKPINK(ブラックピンク)、東方神起、TOMORROW X TOGETHERが次々と来日公演を開催。概算すると、ジャニーズ系15公演に対し、K-POP系は25公演と大きく上回っている【※別表参照(7日正午時点)】。この他のアーティストとしては、2月にNissy(西島隆弘)が2公演、ONE OK ROCKが2公演、3月にback numberが2公演、7月にDREAMS COME TRUEが2公演、Jr.EXILE世代のグループが集結する『BATTLE OF TOKYO ~CODE OF Jr.EXILE~』が2公演となっている。

 では、ドーム最高峰といえる東京ドームの公演スケジュールはどうか。公式HPで確認すると、公演を行うアーティストは国内外多岐にわたっている。そのうち、ジャニーズ系は1月1日にHey! Say! JUMP、同7日から9日まで関ジャニ∞、4月21日から23日までSixTONES、6月10日から12日までSnow Man、8月19日と20日に『ALL Johnnys’ Jr. 2023 わっしょいCAMP! in Dome』と続く。一方、K-POP系は4月8日と9日にBLACKPINK、5月27日と28日にSEVENTEEN、6月24日と25日に東方神起、8月5日と6日にaespa(エスパ)、9月6日と7日にSEVENTEEN、 同13日と14日にENHYPEN、 10月28日と29日にStray Kidsの公演がそれぞれ予定されており、こちらもK-POPの勢いを感じさせる。

 国内外のアーティストにとって最大の目標がドームツアー公演だ。札幌ドームは5万人、東京ドームは5万5000人、バンテリンドームナゴヤ(ナゴヤドーム)は4万人、京セラドーム大阪は4万5000人、福岡PayPayドームは4万5000人が収容可能で、アリーナツアーの平均1~2万人と比べるとその規模の大きさが分かる。コンサート事情に詳しい音楽ライターがこう話す。「実は東京ドームは音響が悪いという印象があって人気アーティストの中にはわざとドームを避けて、機材の搬出入がしやすく音響も良い1万人規模の会場を選んで複数回公演を行う場合があります。ただ、多くのアーティストとファンにとってドームは到達すべき“夢”であり、ステータスにもなります。今年のドーム公演のスケジュールを見て興味深く思うのはSEVENTEENですね。人が集まりにくい平日に公演を組んでいますし、チケットの値段も高め。5月27日の東京ドーム公演は土曜日でしたが、京セラドーム公演は5月17日が水曜日で12月7日は木曜日。これはグループ名の“SEVENTEEN=17”に合わせた日程でファンには特別な日なんです。CARAT(カラット=ファンダムの総称)の結束力と動員力が強いことを物語っています」。

 ドーム公演のスケジュールだけを見て各アーティストの集客力を測ることはもちろん早計だが、少なくともK-POPのファン動員力がコロナ禍明けから強まっていることは否定できないだろう。K-POPの勢いを背景に両者のコラボも増えている。BTSのバラード曲『Film out』はback numberが楽曲提供したほか、TOMORROW X TOGETHERのアルバム収録曲をシンガー・ソングライターの優里が作詞作曲するなどK-POPアーティストとJ-POPアーティストの共同作業も増えている。所属事務所の枠を超えたコラボ公演も今後、期待したいところだ。

※別表(23年京セラドーム公演スケジュール)
【1月】
※ジャニーズ
『KinKi Kids Concert 2022-2023 24451 ~The Story of Us~』(1日、2日)
『Hey! Say! JUMP 15th Anniversary LIVE TOUR 2022-2023』(7日、8日、9日)
『関ジャニ∞ ドームLIVE「18祭」』(13日、14日、15日)

※K-POP
『ENHYPEN WORLD TOUR ‘MANIFESTO’ in JAPAN追加公演』(21日、22日)
『TREASURE JAPAN TOUR 2022-23 HELLO SPECIAL in KYOCERA DOME OSAKA』(28日、29日)
『SUPERSONIC OSAKA 2023』(31日)

【2月】
※K-POP
『NCT DREAM TOUR ‘THE DREAM SHOW2 : In A DREAM’ in JAPAN』(17日、18日、19日)
『Stray Kids 2nd World Tour “MANIAC” ENCORE in JAPAN』(25日、26日)

【4月】
※ジャニーズ
『SixTONES 慣声の法則 in DOME』(15日、16日)

【5月】
※K-POP
『SEVENTEEN 2023 JAPAN FANMEETING ‘LOVE’』(17日、18日)

※ジャニーズ
『Snow Man 1st DOME tour 2023 i DOME』(26日、27日、28日)

【6月】
※K-POP
『BLACKPINK WORLD TOUR [BORN PINK] JAPAN』(3日、4日)
『東方神起 LIVE TOUR 2023 ~CLASSYC~追加公演』(17日、18日)

【7月】
※K-POP
『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR<ACT : SWEET MIRAGE> IN JAPAN』(1日、2日)

※ジャニーズ
『ALL Johnnys’ Jr. 2023 わっしょいCAMP! in Dome』(16日、17日)

【9月】
※K-POP
『ENHYPEN WORLD TOUR “FATE”』(2日、3日)
『Stray Kids 5-STAR Dome Tour 2023』(9日、10日)

【12月】
※K-POP
『SEVENTEEN TOUR ‘FOLLOW’ TO JAPAN』(7日、9日、10日)

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