貫地谷しほり、認知症が「怖くなくなった」 映画出演でイメージ変化「新しい切り口」
俳優の貫地谷しほりが1日、都内で行われた映画『オレンジ・ランプ』の公開記念舞台あいさつに、和田正人、赤井英和、中尾ミエ、三原光尋監督とともに登壇した。
中尾ミエ「大丈夫なんだって気が楽になった」
俳優の貫地谷しほりが1日、都内で行われた映画『オレンジ・ランプ』の公開記念舞台あいさつに、和田正人、赤井英和、中尾ミエ、三原光尋監督とともに登壇した。
39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されたカーディーラーのトップ営業マンが、苦しみながらも、「人生を諦めなくていい」と気付くまでの姿を描く。実話をもとにした作品で、カーディーラーの晃一を和田、晃一の妻・真央を貫地谷が演じ、ダブル主演を務めた。
本作の出演を決めたきっかけについて、貫地谷は「いままで認知症を扱った映画は悲しい結末。最後に施設に入る。でも今回は前向きで新しい切り口だったので、ぜひ参加したと思った」と明かした。
本作の撮影やモデルとなった丹野智文さんとの出会いと通じて、認知症への印象が変化した貫地谷。「怖くなくなった。いま、私の祖母が足を悪くしたのと同時に認知症の症状が出て、母がつきっきりで介護している状況なんです。家族は大変だなと思うし、おばあちゃんも『忘れちゃったの?』とショックを受けている姿を見て、大変だと思っていた。でも、この映画を見て前向きになれた。こうやって生きられるんだと新たなロールモデルを見ることができた」と感謝した。
中尾も認知症は「誰にでもなりうること」とし、「映画を試写で見て泣きました。認知症になってもいいやって思えた。大丈夫なんだって気が楽になった。周りの方が理解してくれれば、普通に生活できるんだって。周りの人が(認知症の人に)どう接すればいいのか参考になる。今年、喜寿を迎えて仲間もいい年になったけど、これからの心配事がなくなるわよ」と呼びかけていた。
この日、講演会で舞台あいさつに参加できなかった丹野さんから手紙が届き、「今回、映画に関わっているみなさん、そして今まで出会ってきたみなさん、今日映画を見に来てくれたみなさんに感謝しかありません。本当にありがとうございます。これからも認知症とともに諦めずに生きていきます」などとメッセージを寄せた。