「これからも続けるために」 活動11年のガールズグループが選んだ自主レーベルと担当制「アイドルとして珍しいかも」

名古屋発の4人組ガールズグループ・TEAM SHACHIが28日、4曲入りのCD『AWAiTiNG BEAR』をリリースした。前身グループのチームしゃちほこから始まって昨年、10周年を迎えたタイミングでプライベートレーベルを立ち上げた。活動もメンバー主体となり始めている。今回はBiSHの楽曲制作でも知られるクリエイターの松隈ケンタ氏にサウンドプロデュースを依頼。20代半ばを迎えたメンバーの等身大を作品に落とし込んでもらったという。そんなグループの思いとは。秋本帆華(25)、咲良菜緒(25)、大黒柚姫(25)、坂本遥奈(24)に話を聞いた。

2ndEP『AWAiTiNG BEAR』をリリースしたTEAM SHACHI(左から)坂本遥奈、秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫【写真:山口比佐夫】
2ndEP『AWAiTiNG BEAR』をリリースしたTEAM SHACHI(左から)坂本遥奈、秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫【写真:山口比佐夫】

4人組・TEAM SHACHI 新EPはBiSH楽曲手掛けた松隈ケンタ氏がプロデュース

 名古屋発の4人組ガールズグループ・TEAM SHACHIが28日、4曲入りのCD『AWAiTiNG BEAR』をリリースした。前身グループのチームしゃちほこから始まって昨年、10周年を迎えたタイミングでプライベートレーベルを立ち上げた。活動もメンバー主体となり始めている。今回はBiSHの楽曲制作でも知られるクリエイターの松隈ケンタ氏にサウンドプロデュースを依頼。20代半ばを迎えたメンバーの等身大を作品に落とし込んでもらったという。そんなグループの思いとは。秋本帆華(25)、咲良菜緒(25)、大黒柚姫(25)、坂本遥奈(24)に話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

――セカンドEP『AWAiTiNG BEAR』(アウェイティング・ベアー)が完成しました。直訳すると「待つ熊(=まつくま)」。プロデューサー・松隈ケンタさんを指す言葉なんですね。

坂本「正解です(笑)」

咲良「今回はタイトルも意外とシンプルなんです」

――松隈さんとタッグを組んだきっかけは。

咲良「スタッフさんから『今回は松隈さんと一緒にEPを全部作ります』という提案があって、『じゃあ、どんな曲を作ろうかな?』って段階で私たちも参加させていただき、松隈さんとお話をしながら作っていただきました」

――松隈さんはBiSHをはじめ、さまざまなアーティストの楽曲を手掛けている方ですが、初めて会った印象は。

大黒「お会いする前は、ちょっとドキッとする印象でしたけど、実際にお会いしたら、全然違ってとっても優しい方でした」

秋本「自己紹介から始まって、『こんな感じの曲が欲しいです』とリクエストをさせていただきました」

咲良「今回収録した4曲のうち、1曲目の『あなたのトリコ~究極の愛~』と3曲目の『アサガオ』は私たちのリクエストで、2曲目の『君にぴったりな歌』と4曲目の『勲章』は松隈さんが私たちとの会話を基に作ってくださった曲です」

坂本「私はもともとBiSHさんが大好きで、松隈さんの曲をずっと聴いてきたので、初対面の時にテンションが上がってしまい、あいさつでいきなり『松隈さんの曲が大好きです!』と言っちゃって(笑)。レコーディングの時もBiSHさんがレコーディングしたスタジオだったので、『今まで映像で見てきた場所で、BiSHさんと同じようにレコーディングできるなんてちょっと信じられない』って夢みたいな光景でした」

――1曲目の『あなたのトリコ~究極の愛~』は、“TEAM SHACHI史上最もかわいらしい曲”でしょうか。

秋本「ありがとうございます。松隈さんならではのハードで元気な曲が来るのかなと思ったら、とってもかわいらしい曲が届いたのでビックリしました」

咲良「コロナ禍もあって、最近は『伝えなきゃ!』という思いでメッセージ性の強い曲が続いたのですが、やっと遊び心のある楽しい曲が歌えるようになったんだなと感じました。松隈さんもそんな私たちの気持ちに寄り添ってくださり、『好きなように歌ってみて』って言ってくれたんです」

大黒「レコーディングはホントに楽しかったです。松隈さんが毎回『いいね! いいね!』って(笑)。私たちの気持ちをすごい肯定してくださって。1曲目は、恋する気持ちを想像しながら歌いました。ほのかがめっちゃかわいくて」

秋本「松隈さんに引き出していただいたので、声のトーンが今まで以上に上がっちゃいました(笑)」

全員 笑

――4人で料理を作るコミカルタッチなMV(ミュージックビデオ)も完成しました。

咲良「みんなで唐揚げを作ってただ食べる。それだけというMVなんですが、どのシーンでも『なんで?』ってツッコミどころの多いオーバーな演技も見どころです(笑)」

大黒「プライベートモードの“シャチ感”があったよね?」

坂本「あった。衣装も普段着なのでステージとは違う、ゆるゆるでおっとりとした雰囲気ですよね」

秋本「ぜひ、みなさんにご覧いただきたいです。私も完成したMVを見てなんだか幸せになりました(笑)」

――さて、昨年、路上デビュー10周年のタイミングでTEAM SHACHIはプライベートレーベルに移り、新たなスタートを切りました。

坂本「自主レーベルになって、私たちの行動や発言がよりダイレクトに活動につながっていくようになりました。やりたいことが広がってきた。その分、今まで以上に責任を感じます。早速、4人で得意分野を割り振って担当制にしたので、それぞれ意識も少しずつ変化していると思います」

咲良「衣装や楽曲のリクエストを私たちも主体的にやっていること自体、アイドルとしては珍しいことかもしれませんね」

大黒「それが、私たちの中では当たり前になってきました」

咲良「自分たちで選択できる分、自己満足にならないように客観的な視点が必要になります。今までディレクターさんやスタッフさんにやってもらっていたことを今度は自分たちでも、やらなくちゃいけない。なので、『もっと視野を広げて世の中にアンテナを張っていかなくちゃ』って思います」

――ずっと4人で続けたい。だからこそ、新たな出発ということでしょうか。

大黒「大正解です(笑)」

秋本「4曲目の『勲章』という曲は、そんな思いが歌詞になっていて、11年やっていると楽しいだけじゃなくて、『苦しい』っていう時期もいっぱいあったので、松隈さんには今だからこそ私たちが歌える曲を用意していただきました。私たちだけじゃなくて、『タフ民』と呼んでいる私たちのファンや今回、TEAM SHACHIを初めて知った方にも環境や気持ちと照らし合わせて、分かってもらえるような曲になっています」

コロナ禍を乗り越えてさらにパワーアップしたライブを披露する【写真:山口比佐夫】
コロナ禍を乗り越えてさらにパワーアップしたライブを披露する【写真:山口比佐夫】

コロナ禍期間で感じた成長「その気持ちをライブにぶつけたい」

――コロナ禍でいろいろと苦しかったと思います。ファン(タフ民)の方々も。

大黒「でも、掛け声なしのライブでもタフ民のみなさんは大きな手拍子や鮮やかなペンライトを振って、今まで以上に応援してくださいました。想像以上のすてきな景色を見ることができたんです。『声がなくても盛り上がるライブができる』と分かったので、声出し可能になったこれからのライブは、今まで見たことがないくらい絆が深まった最高の景色が見れる。そう、信じています」

秋本「コロナ禍のライブがきっかけで、『魅せるライブ』にもこだわってきたので、ライブでは新たな武器になると思います」

――コロナ禍が自分たちを成長させてくれたと。

大黒「そう思います。これからもその気持ちをライブにぶつけたいです」

秋本「2曲目の『君にぴったりな歌』は疾走感のある曲なのです。ライブで盛り上がること間違いないと思います」

咲良「TEAM SHACHIに改名して、今まで以上にチームワークを大切にしています。そんな仲間意識の強い感じも出ています」

坂本「松隈さんならではの4人のカラーを大切にする思いが4曲に詰め込まれています。ぜひ。チェックしてください」

――最後に『あなたのトリコ』にちなみ、「今トリコになっていること」を教えてください。

秋本「じゃあ、私から。テレビゲームの『大乱闘スマッシュブラザーズ』が大好きで、時間があるとよく遊んでいます。最近、ヒール系のキャラクターに引かれてクッパを使ってみたらハマっちゃって。人間っぽい1つ1つの動きが『かわいい』と思ってしまいました。ということで、『秋本帆華はクッパのトリコ』です(笑)」

坂本「私はおいっ子です。姉の息子で1歳9か月ですが、言葉も少しずつ覚えて『ハルちゃん』って呼んでくれるんですよ。お姉ちゃんが『じゃあ、ハルちゃんにチューしておいで』って言うと、私のおでこにチューしてくれるんです(笑)。『もう、かわいい~!』って」

全員 笑

大黒「最近、車で移動するとき、サービスエリアのお土産コーナーでハルがミニカーを探しているんですよ。その光景が面白すぎて(笑)」

坂本「緊急車両とかちょっと形の変わったミニカーを探しています(笑)。ということで、『坂本遥奈はおいっ子のトリコ』です」

大黒「私はオタク気質なので、女の子アイドルの推しメンが、どんどん増えています。去年までは1人に決めてその子にいちずだったんですが、最近はいろんな子を推す『推し増し』の楽しさを知ってしまい、人生が潤っています(笑)。特に今は=LOVEの野口衣織ちゃんにぞっこんです。ということで、『大黒柚姫は野口衣織ちゃんのトリコ』です」

咲良「私は、ここでメンバーに初めて報告。新しい犬を飼い始めたんです」

秋本「えー! 聞いてない!」

咲良「もともとプードルが3匹いて、去年、年長が旅立ったのですが、新たなプードルが我が家にやってきました。この取材の前日にやってきたので、まだ会えていなくて。家族から動画がいっぱい送られてくるんですよ。名前は『イブちゃん』です。ということで、『咲良菜緒はイブちゃんのトリコ』です(笑)」

□TEAM SHACHI(チームシャチ) 愛称はシャチ。メンバー全員が愛知県出身、名古屋発の女性グループ。ももいろクローバーZ・私立恵比寿中学に続く姉妹グループのチームしゃちほことして、2012年4月7日に名古屋城西之丸広場で路上デビュー。18年10月22日夜、現在のグループ名に改名。

TEAM SHACHI 公式HP:https://teamshachi.nagoya/
公式ツイッター:https://twitter.com/shachi_staff

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