俳優の木村拓哉が主演を務めるフジテレビ系連続ドラマ『風間公親－教場0－』（月曜午後9時）が、19日に最終回を迎えた。今回は木村演じる冷徹で“最恐”の指導官・風間公親（かざま・きみちか）が警察学校の教官になるいきさつが描かれた。

　同作は、2020、21年に新春SPドラマとして放送された『教場』『教場II』シリーズの連続ドラマ。『教場』『教場II』では神奈川県警の警察学校を舞台に風間が生徒たちをふるいにかけたが、今作では風間が警察学校に赴任する前に、“刑事指導官”として新人刑事を指導していた時代を描く。

　キャリアの浅い若手刑事が風間とバディを組み、実際の殺人現場で捜査の基本を叩き込まれていく教育システム・通称“風間道場”。風間教場に選ばれた新人刑事は自分の無力さを痛感しながら成長していく。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　風間が指導していた新人刑事・遠野章宏（北村匠海）が、強盗犯の張り込み中に風間の目の前で滅多刺しにされてしまう。遠野は意識不明で入院していたが、ついに亡くなってしまった。

　犯人は15年前に風間が逮捕した殺人犯・十崎波瑠（森山未來）で、出所後は凶器の千枚通しを使い風間の周辺に現れていた。遠野が襲われた際、応戦した風間自身も右目を千枚通しで刺され、義眼になった。警察は総力をあげて逃亡した十崎確保に動くが、風間は目の前にある別事件の捜査を黙々と行う。

　そんな中、十崎が逮捕される。取調室で風間の後輩刑事・柳沢浩二（坂口憲二）から質問を受ける十崎は、何も話さない。別室で取り調べを見ていた新人刑事の隼田聖子（新垣結衣）は違和感を抱く。通常は怪しい人物を見つけた場合、職務質問をした後に任意で交番に同行させ、応援車両の到着を待つ。隼田は十崎が即逮捕された理由に疑問を持つ。

　風間と隼田は、十崎を逮捕した若い警官2人に話を聞く。2人は得意気に、十崎を確保した際の様子を語る。しかしそれは無抵抗の十崎にわざとぶつかり、「公務執行妨害」として無理やり抑え込んで逮捕したものだった。風間は2人の胸ぐらをつかむと、「警察学校は職質のやり方を教えてないのか」と静かに怒りをぶつけた。暴言や暴力を行っていない十崎を一方的に逮捕した2人の様子は周囲の通行人に撮影され、ネットで拡散されていた。

　その後、十崎は釈放されてしまう。県警本部捜査一課調整官の眞堂丈史（小林薫）は、無念と怒りが入り混じった表情で「奴の弁護士が公安委員会に抗議した。逮捕時、暴力行為があったと」と風間に伝えた。「凶器についても15年前の事件と似ているだけで、断定できないと言っている」と、力なく報告した。十崎を目撃した人物を見つけることができたものの、ハッキリと顔を覚えていなかった。

　取り調べを受けた十崎の上着のポケットには千枚通しが入っていたが、それでも十崎を逮捕することはできなかった。風間は十崎が千枚通しを隠し持っていたことから、「十崎がその気になれば、あの2人は（職質のときに）殺されていました」と語る。未熟な警官2人の無謀な逮捕によって、十崎を逃してしまった。

　風間は捜査一課を離れることを決意。眞堂は「警察を……　恨むなよ」と告げた。その後、風間が赴任したのは警察学校。風間は指導官室に飾っていた花を、警察学校の花壇に植えていた。

　さらに、風間が教官に転向した理由を隼田は「今度のことは、現場以前の問題なんですね。だから警察官を根本から変えようと」と推測。続けて、「指導を受けた刑事を代表して、お礼申し上げます。ありがとうございました」と頭を下げた。

　エンディングテーマが終わると、場面は2年が経過した警察学校卒業式後へ。花壇にやって来た風間が花を眺める姿が映る。背後に気配を感じた風間が振り返ると、そこには十崎の姿が。千枚通しを持つ十崎は、「妹は……どこだ……」と静かにつぶやいた。

　突然十崎が現れ謎の言葉を放ったラストシーンに、SNSで「最後の言葉気になり過ぎる……」「妹って言ってたよね……意味深な終わり方だったな」「十崎に妹がいたとは。過去に事件に巻き込まれたのかな」といった声が。また「十崎周りはドラマでは完結しないよね」「十崎の『妹はどこ発言』があるということは、続編待っていいんですね？」と期待する声もあがった。26日は特別編が放送される。