ソロキャンプ中のナンパ被害は自業自得? 日本単独野営協会の声明が「正論すぎる」と話題

女性キャンパーがソロキャンプ中に男性から悪質なナンパ被害に遭う内容の動画が拡散、波紋が広がっている。ソロキャンプの健全な普及を目指し設立された任意団体「日本単独野営協会」は、騒動を受けSNS上に声明を発表。「男性は女性にとって、ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いい」とあえて強い言葉で注意喚起を行っている。声明に込めた意図について、日本単独野営協会の小山仁代表に話を聞いた。

日本単独野営協会の小山仁代表【写真:ENCOUNT編集部】
日本単独野営協会の小山仁代表【写真:ENCOUNT編集部】

女性キャンパーがソロキャンプ中に男性から悪質なナンパ被害に遭う内容の動画が拡散

 女性キャンパーがソロキャンプ中に男性から悪質なナンパ被害に遭う内容の動画が拡散、波紋が広がっている。ソロキャンプの健全な普及を目指し設立された任意団体「日本単独野営協会」は、騒動を受けSNS上に声明を発表。「男性は女性にとって、ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いい」とあえて強い言葉で注意喚起を行っている。声明に込めた意図について、日本単独野営協会の小山仁代表に話を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

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 今月7日、SNS上に拡散した動画では、女性が夜中、野営地でのソロキャンプ中に男に話しかけられる様子が2分あまりにわたって収められている。「とにかくLINE交換しようよ」という男に対し、女性は「いや、しないです。警察呼びますよ」と拒絶。口論の末に「嫌なら嫌でいいよ。感じ悪いよ? 君」「なんだてめえ。何が警察だよ!」と男が女性をどう喝する場面も見受けられる。女性はその後、警察に通報するも、男性のいる野営場で眠れぬ一夜を過ごしたという。

 今回の騒動を受け、日本単独野営協会では11日「女性ソロキャンパーへ話しかけに行く男性について日本単独野営協会が思うこと」と題した声明をSNS上に発表。今回の問題が「男性vs女性」という男女論の構図にされていることや、「女性へのあいさつもダメなのか」「女性が緊急事態でも助けちゃダメなのか」というへりくつ、「女性のソロキャンプは被害に遭っても仕方ない」という自業自得論への反論を長文で理路整然とつづっている。

 終盤には「男性は女性にとって、ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いいんです。『キモいし、得体が知れないし、変に行動力あるし、餓えてるし、力が強いし、距離取りたくても向こうから来るし。』女性がソロキャンプをしている時にそんな激ヤバな人が『挨拶に来た』『親切にしに来た』と言って近づいてきたらどうしますか? どう考えても恐怖でしかないですよね」というやや強い主張も。投稿は2万件を超えるリツイート、4万件以上のいいねを集めており、「正論過ぎる」「気持ちいいまでの論破」と大きな話題を呼んでいる。

 日本単独野営協会の小山仁代表は、「女性キャンパーへの声かけ事案は、協会の方でもかねてから問題視し、いろいろな形で発信を行ってきました。そんな中で、今回“いい加減にしろよ”という事案が起こってしまった。この問題についてあらためて広く知ってもらうために、わざと強い言葉で注意喚起させていただきました」と投稿の経緯を説明。

 寄せられた反響は「9割8分は賛同の意見、1%ほどのたとえ話が通じない人はすべて男性でした」とし、ゴキブリとハイエナのたとえ話については「『男はゴキブリやハイエナと一緒だ』と言ったわけではなく、『女性に迷惑をかけないためには、自分の中ではそのぐらいの心構えでいるくらいがちょうどいい』という意味。それを読んでいないか、読解力のない人が脊髄反射で怒っている印象です。女性にとってソロキャンプ中の男性に襲われることの恐怖は、男性がクマに遭遇したのに近い。そういう想像力を持って距離を置くのが大事ということ」とあらためて意図を説明する。

 残念ながら一部では「女性が一人でキャンプをしていたら襲われても仕方がない」という偏った見方もあり、女性のソロキャンプの是非をめぐっては度々議論が巻き起こっているが、小山氏は「真っ先に女性に自衛を求めるのはどう考えても筋違い」と主張する。

「もちろん、一般的にはある程度の自衛をせざるを得ないのが現実ではあります。ただ、襲われる危険があるから来るなというのは、痴漢に遭うから電車に乗るなと一緒でまったく成り立たない話。一般的なキャンプの危険と、男性から襲われる危険もまったくの別の話です。どちらが被害者で、どちらが加害者なのかを考えれば分かると思いますし、むしろそういった迷惑な男性こそキャンプに来なければいいだけの話でしょう」

 一部の迷惑キャンパーのせいで女性がキャンプを楽しむ権利が奪われることがあってはならない。誰もが安心してキャンプを楽しむためにも、迷惑キャンパーを排除するための仕組みが求められている。

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