俳優の新木優子が5日、都内で行われた映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』の配信直前イベントに出席。本作で音が聞こえない女性を演じ、「すべてが初めての経験」と苦労を語った。

　次第に目が見えなくなる病を患った漫画家・真治と、真治を支える生まれつき聴覚障がいを持つ女性・響の切なくも温かいラブストーリー。『私の頭の中の消しゴム』を手がけた韓国のイ・ジェハン監督がメガホンをとった。

　響は生まれながらに音が聞こえないため「手話っていうものがしっかり身についている。なるべく自然にろう者の方が見てもあまり違和感を抱かないように、一つひとつの細かいニュアンスを研究した」といい、最終的に通訳なしで手話の先生と会話ができるまで上達し、「やりがいや達成感があった。貴重な時間を過ごせた」と充実の笑顔を浮かべた。

　また、ピアノの演奏シーンがあるため毎日2時間以上の練習を約半年間、積み重ねた。ピアノは「小学校の頃にちょっと弾いていたくらい」だったが、監督から1曲弾いてほしいとオーダーされたという。「監督にそう言われてちょっとびっくりした。ピアノを貸してもらって、教えてもらったことを家でずっと練習していました。『本当にやらなきゃ』って。なんとか披露できるまでになった」と努力の日々を振り返った。

　新木の役作りには、共演した山下智久も感嘆。「手話やピアノにまっすぐに時間を費やしてくれる努力家の部分がより強く見えてきた。リスペクトを抱いた」と伝え、「現場でピリッとしたこともあったけど新木さんが来てくれると場が和んだ。助けていただいた」と感謝を伝えていた。

　イベントにはそのほか、山本舞香、山口紗弥加、メガホンをとったイ・ジェハン監督も登壇した。本作は6月9日よりPrime Videoにて配信スタート。