カンヌ脚本賞の坂元裕二、是枝監督へ「とても尊敬」 再タッグ可能性も示唆「幸せなこと」

映画『怪物』(6月2日公開)で第76回カンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞した脚本家の坂元裕二氏が29日、羽田空港・TIAT SKY HALLで緊急開催された凱旋(がいせん)記者会見に出席した。

凱旋記者会見に登場した坂元裕二氏【写真:ENCOUNT編集部】
凱旋記者会見に登場した坂元裕二氏【写真:ENCOUNT編集部】

第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞

 映画『怪物』(6月2日公開)で第76回カンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞した脚本家の坂元裕二氏が29日、羽田空港・TIAT SKY HALLで緊急開催された凱旋(がいせん)記者会見に出席した。

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 是枝裕和監督から脚本賞の盾を受け取り、会見に臨んだ坂元氏は、カンヌでの思い出を聞かれ、「楽しかった思い出はない」ときっぱり。「カンヌには3日いたが、お腹を壊して2日間寝込んでいた。スタッフが優しくて、クッキーとウエハースを持って来てくれて、ウエハースを食べたらとてもおいしかった。料理は機内食はおいしかったんですが、どんな料理よりもスタッフが持ってきてくれたウエハースが最高でした」と笑顔で振り返り、会場の笑いを誘った。

 今後、より一層注目度が高まるが「自分が変わっていくとは思えない。脚本家というのは地味に毎日朝仕事机に座って、夜寝るまでずっとパソコンの前に座っている。私の万歩計、日々12歩なんで、トイレに2~3回行くくらいなんです。元旦以外はずっとそんなことをしている」と語り、「愚痴で申し訳ないんですけど、楽しい仕事ではないし、ただ真面目に文字を書くことでしか何も得られないものですから、こうやってとても華やかな場に立たせていただきましたが、公開が終わったら締め切りに追われてコツコツとパソコンの前に向かうしかない。とても楽しい雰囲気にはなれません」と気持ちを引き締めた。

 受賞しても自分へのご褒美や、リラックスする瞬間はないのか問われると「ジョン・キャメロン・ミッチェルからメールが届く直前に、渋谷のヒカリエでモロゾフのプリンを買ってこれがご褒美だと自分に言い聞かせた。メールを読み返しながらプリンを食べました」と明かした。

 今後、2人がタッグを組むことがあるかと問われた是枝監督は「チャンスがあればお願いしたい。声をかけ続けようと思っています」と信頼感を寄せた。

 一方、坂元氏も「仕事っていうのは偶然でもあるじゃないですか。でも2回仕事するのは偶然じゃない。是枝監督はとても尊敬していて見上げている存在。その方が自分で書かずに、僕に依頼するというのはとても簡単にあることとは思っていないけど、『またもう一度お願いします』と言われることが仕事をしていくうえでうれしいことですから、2回目があったら、そんなに幸せなことはない」と話した。

次のページへ (2/2) 【写真】是枝監督と脚本賞の盾を持つ坂元裕二氏
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