【麒麟がくる】「現在とまた別の過酷さ」を生きた道三 ついに別れの時が

現在放送中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の第17回が、10日に放送される。第17回では道三(本木雅弘)と高政(伊藤英明)が、長良川を挟み戦いを始める。明智荘を守るため、光秀(長谷川博己)は叔父の光安(西村まさ彦)と共に道三に加勢するが、高政の率いる大軍の前に、道三は次第に追い込まれていく。道三役の本木は「第17話『長良川の対決』……。そして道三の最後を静かに見届けてください」とコメントを寄せた。

最期の戦いに挑む道三、彼が残すものは…【写真:(C)NHK】
最期の戦いに挑む道三、彼が残すものは…【写真:(C)NHK】

制作統括の落合氏「全編見どころの17回。楽しんでいただけたら」

 現在放送中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の第17回が、10日に放送される。第17回では道三(本木雅弘)と高政(伊藤英明)が、長良川を挟み戦いを始める。明智荘を守るため、光秀(長谷川博己)は叔父の光安(西村まさ彦)と共に道三に加勢するが、高政の率いる大軍の前に、道三は次第に追い込まれていく。道三役の本木は「第17話『長良川の対決』……。そして道三の最後を静かに見届けてください」とコメントを寄せた。

 長良川の戦いは1556年(弘治2年)4月に勃発した斎藤親子の内紛。道三役の本木雅弘は「現代も正に先行きの読めない世の中になっておりますが」と前置きしたうえで、「親子で命を奪い合うのも日常だった戦国の世の精神生活は、この現在とまた別の過酷さを感じます」と戦国時代ならではの価値観について言及した。

 本木演じる道三は、美濃の守護代。油売り商人だった父と二人三脚で国盗りを成し遂げた人物で、天才的な軍事力と時に狡猾ともいえる政治手腕を発揮する。道三は息子・高政に家督を譲って出家したものの、出自を偽り、弟の孫四郎らを暗殺した高政の暴挙を看過することができない。「家督を譲る相手を間違えた。間違いは正さねばならない」と出陣を決意した道三は、いよいよ高政との最終決戦に臨む。

 武力衝突にまで発展してしまった親子のねじれ。本木は「道三と高政親子の間にあるものは、単なる愛憎とは違う次元のものなのかも知れません」と語る。「あの時代は、その家がどのように存続していくかが最重要。城主ともなれば、そのプレッシャーと向き合うことが人生そのもの。それ故、道三と高政がそうであるように、家督を譲ると共に、志を受け渡す過程で父子は必要以上の試練を共有する」と背景には戦国時代の複雑な親子関係があるとした。

 長良川の戦いでは、兵の数で劣勢な道三が高政に追い込まれる。本木は「武士としての覇気も、誇りも、傲りも、愚かさも、虚しさも 自我の中に呑み込んで、また吐き出してぶつかり合う。実の所、演じている最中は、道三の熱情をどこに向けていくのか自分でも収拾がつかずにいました」と熱演の裏側を明かした。

 制作統括の落合将氏は「『いつ死ぬかもしれないから、現在の日常や世界にあふれる美を日々愛する』。思えば本木さんは、その緊張感を第1回から意識的に放っておられたようでした」と回顧する。さらに「道三の死後、駆け付けた光秀は、高政に向かって、道三にはあっておぬしにはないものが何かと彼に問いかけます。その言葉がこのドラマのテーマにもなっています。全編見どころの17回を楽しんでいただけたらと思います」とファンにメッセージを送った。この戦いの後、光秀は主君を失い美濃を離れることになる。長良川の戦いが物語にとって大きな山場となることは間違いない。

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