玉木宏、映画『シナぷしゅ』で声優挑戦 せりふは「にゅう~」のみ「赤ちゃんが安心するような音質に」

俳優の玉木宏が映画『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』(公開中)に特別出演しており、公開前にメディア各社のインタビューに応じた。同作はテレビ東京が民放初の試みとして乳幼児向けに制作した『シナぷしゅ』(月~金曜午前7時30分)の初の映画化で、玉木は映画で初登場するキャラクターであるタオルから生まれた緑の妖精『にゅう』を演じる。

収録に臨んだ玉木宏【写真:(C)SPMOVIE2023】
収録に臨んだ玉木宏【写真:(C)SPMOVIE2023】

プロデューサーに『声だけでも参加させてもらえるとうれしい』と自らオファー

 俳優の玉木宏が映画『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』(公開中)に特別出演しており、公開前にメディア各社のインタビューに応じた。同作はテレビ東京が民放初の試みとして乳幼児向けに制作した『シナぷしゅ』(月~金曜午前7時30分)の初の映画化で、玉木は映画で初登場するキャラクターであるタオルから生まれた緑の妖精『にゅう』を演じる。

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 俳優のほかカメラマンや映画監督など活躍の場を広げ多才な顔を見せる玉木。これまでに映画『マダガスカル』シリーズや『ジュラシック・ワールド』シリーズの吹替版に声優として出演するなど声の演技者としても定評がある。今回演じる『にゅう』はあるアクシデントで宇宙に飛び出し大冒険をすることになった主人公・ぷしゅぷしゅとともに旅をする相棒役だ。

 玉木は『シナぷしゅ』の大ファンで、出演オファーが来た際には「やります!」と即答したという。まさかの役柄に「タオルの妖精を演じるのは多分人生一度きりだと思う」と意欲満々。「子どもに自分の仕事を見てもらえるのがうれしい」と語る姿には子煩悩な一面とともに未来を担う子どもたちに「良質な作品を提供したい」という思いもあるようだ。

 テレビ東京の飯田佳奈子プロデューサーは玉木の起用について「玉木さんがお子さまと『シナぷしゅ』をご覧になっていると聞いて以来、いつか声の出演をお願いしたいと夢見ていました」と明かす。玉木がどのようにして「にゅう」に命を吹き込むのか、大きな見どころとなりそうだ。

「にゅー」の声がかわいい劇中キャラクター【写真:(C)SPMOVIE2023】
「にゅー」の声がかわいい劇中キャラクター【写真:(C)SPMOVIE2023】

『シナぷしゅ』の魅力は「いろんな楽しみ方がある番組」

――今回、映画『シナぷしゅ』に出演したことをお子さんにもご報告したとのコメントを頂きましたが、お子さんはどんな反応でしたか?

「言ったことは理解していないのですが、一足先にでき上がったものを一緒に観ました。それでも理解はしていなかったです(笑)。普段CMやテレビに僕が出ているときはリアクションしますが、声だけは気づきませんでしたね。ぷしゅぷしゅのほっぺがないということがずっと気になって、最後まで夢中で観ていました。内容をちゃんと理解できているんだなという感動のほうが大きいです」

――今回、映画『シナぷしゅ』に出演したことについて、周りの反応はどうでしたか?

「いいなと言われました。同世代の父親と話す機会が多くみんなが観ている番組だったので、うらやましいと言われました」

――劇中でにゅうが「にゅう~にゅう」と言っていますが、にゅう役を演じる際に特に意識したことや苦労したことを教えてください。

「大きな苦労はないです。“にゅう”という言葉だけでいろいろなニュアンスを表現しました。優しい気持ちの“にゅう”、何か発見したときの“にゅう”など、たくさんのパターンがあるなと思いました。一番大事にしていたのは、主人公・ぷしゅぷしゅに寄り添うような気持ちです。にゅうとはどっちが上でもないし、ずっと友達のような感覚で演じました」

――優しさと絆を感じましたが、役とご自身の共通点や共感したポイントがあったら教えてください。

「やりながら優しい気持ちになれる感じがしたので、すごく気持ちよかったです」

――『シナぷしゅ』が好きということですが、どういったところに魅力を感じましたか?

「いろんなコーナーがあって、この番組はこうだよ、という固執があまりなく、子どもの年齢が変わっても楽しめますし、あんまり反応していなかったコーナーにも成長と共に反応するようになるので、いろんな楽しみ方がある番組だと思います。あと、ニュアンスカラーの色味であまりバキバキしていない色合いなので目にも優しいし、音も耳に残るいい音楽が使われていたりするので、スタッフの愛情たっぷりに作られた番組だと思いました。子どもが夢中になってみている姿はやっぱりかわいいです。大人もその番組を一緒に観られるのでいい時間を過ごせるんだと思います」

――劇場版で好きなシーンはありますか?

「どのシーンも手の込んだ作りになっていると思いますが、ほっぺがなくなっていることから話がつながっていくという面白さがあります。それでいろんなコーナーをまたいで最後へつながっていくのは計算されたものだと思いました。個人的に『ヨロレイヒ星』とか『ヒカリの森の黒うさぎ星』が好きだなと思いながら観ていました。映画にはまた違う良さがいっぱい出ていると思います」

――監督から特別なリクエストはありましたか。

「まず台本を頂いたときに『にゅう』のニュアンスを自分で予習しようと思っていたのですが、正解が全く分からなくて、実際に現場で声を出してみて探りながら監督とやり取りをしました。もうちょっと『にゅう』のニュアンスをぷしゅぷしゅに寄り添うような気持ちでとか、ニュアンスを求められたりしました。作り手の愛情が伝わるように優しい気持ちで演じました」

――ご出演のきっかけとオファーを受けた決め手を教えてください。

「他の取材のときに『シナぷしゅが好きなんです!』と話したことを知った飯田プロデューサーからグッズを頂いて、そのお礼状に『できれば声だけでも参加させてもらえるとうれしいです』という言葉を入れたら形にしていただけました(笑)。親になって子どもが好きな番組に自分が参加したいという気持ちがだんだん出てきたので、その思いを言葉にして伝えたんです」

声優の経験が演技にもつながる「言葉に重きを置けるように」

――今回、映画館で観ることの醍醐味は何だとお考えですか。

「僕の子どももこの映画で映画館デビューさせようと思います。この作品でないと、どのタイミングで映画館デビューさせようか、すごく考えると思います。声を出しても大丈夫だったり、照明を真っ暗にしすぎず、楽しんで観ていただける空間を作ることによって非常に観やすくなるし一緒に行きやすくなるので、それが一番の醍醐味だと思います」

――レコーディングや製作を通して新たに発見したことや気付いたことはありますか?

「話し言葉ではなく、『にゅう』というせりふだけで演じるのは新鮮でした。『ぷしゅぷしゅ』の声を演じている岩本彩楓ちゃんはすごく上手だなと思いました。擬音だけで表現するのは新しい経験ですが、0が1になったので、次に同じような仕事があればもっとうまく表現できるようになるかなと思います」

――「にゅう」と言っている中でも、いろんなニュアンスがあって、いろんな感情をこめて演じられたと思いますが、好きなニュアンスはありますか?

「ぷしゅぷしゅを慰めている『にゅう~にゅう~』が好きです。ぷしゅぷしゅが落ち込んでいるときに声を荒げることなく優しい気持ちで言った『にゅう~』はかわいいらしいなと思いました。僕の声で赤ちゃんが安心するかどうか分らないですが、赤ちゃんが安心するような音質になればいいなと思います」

――声優の仕事で玉木さんの声が活きる仕事だと感じました。洋画の声優もやられていますが、声優業のやりがいやその思いを教えてください。

「体で演じるよりも非常に難しいと毎回思います。声一つでシチュエーションに合わせなければいけない。体が無のまま、声だけで世界を作るのは難しいと思うので、声優さんたちは技術が優れていてすごいなと思います。普段、実写でやるときは生っぽく演技するのですが、生っぽくするとすごく埋もれてしまうと思います。言葉を粒立てないといけない、粒立ててリアルに見せるのがすごく難しいです。そのさじ加減はいつも探りながら、勉強しながらやっています」

――声優業で培った経験は俳優業にもプラスになっていますか?

「はい。言葉を粒立てる、ということについて言えば、せりふはリアリティーをもって普段の話し言葉のように話さないといけないけど、内容が伝わらないと意味がないと思います。この作品の中で、この文章の中で何を伝えたいかと考えたときに単語を大事にしようという思いが増えてきて言葉に重きを置けるようになりました」

――「にゅう」役を演じるにあたって一番苦労したことを教えてください。

「苦労はなかったです。作品の世界観に自分が一緒に参加できていることがうれしかったですし、自分の子どもが観たらどうなんだろうかということを想像しながら演じる時間はすごく幸せでした」

――台本を読んだときの印象はどうでしたか?

「『シナぷしゅ』が映画化になることにびっくりして、『どうやって映画化するんだろう?』『どう話がつながっていくんだろう?』と思っていましたが、台本を読んで、そのあと映像も観て『なるほど!』と、納得感がありました」

――「にゅう」はかわいらしいタオルの妖精というキャラクターですが、率直な感想を教えてください。

「監督のお子さんがタオルをすごく大事にしていて、そこからヒントを得られたようです。きっとどこのお子さんも大事に持っているものがあると思いますので、そういう思いを込めて大事にそばに置いてほしいキャラクターだとおっしゃっていました」

――本作は「映画館デビュー」というコンセプトを掲げていますが、玉木さんが初めて映画館デビューした作品は覚えていますか?

「保育園の年長の頃だと思いますが、祖父と一緒に観た『ゴジラ』だと思います。当時すごく人気があった作品なので一番前の真ん中しか空いていなくて、見上げて首が痛かったという覚えがあります。おじいちゃん子だったので、おじいちゃんと一緒にやったことはいろいろ記憶に残っています。この作品も子どもと一緒に観に行って、子どもが少しでも『親と一緒に行った』という記憶が残っていればベストだと思います」

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