「つらい」にしか見えないけど…元の文字は漢字一字 書道の達人が発見 「声出してワロタ」と話題に

漢字を速く書くために生まれた、簡略化された行書体である「草書体」。日本でも古くから使用されていた文字であるが、草書体で表したある漢字がひらがなにしか見えないとツイッター上で話題になっている。それもまるで人の嘆きのよう――。動画を公開した、海外でも活躍する書道家の蒼喬(@sokyo1226)さんに発見した経緯と反響について聞いた。

半紙の上には漢字ではなく「つらい」の字が…?【写真:ツイッター(@sokyo1226)より】
半紙の上には漢字ではなく「つらい」の字が…?【写真:ツイッター(@sokyo1226)より】

実際の書き方を示した動画は4万いいね!の大反響

 漢字を速く書くために生まれた、簡略化された行書体である「草書体」。日本でも古くから使用されていた文字であるが、草書体で表したある漢字がひらがなにしか見えないとツイッター上で話題になっている。それもまるで人の嘆きのよう――。動画を公開した、海外でも活躍する書道家の蒼喬(@sokyo1226)さんに発見した経緯と反響について聞いた。

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「『冥』という漢字の草書体の一つに、とてもつらそうな崩し方を見つけたので見て欲しい」と記載された動画。なめらかな筆の動きからつづられた半紙の上には「つらい」の3文字が? 思わず笑ってしまう14秒の動画について蒼喬さんは「率直にうれしく思います。より多くの方に文字の面白さやカッコよさを広めようと、書道をコツコツと続けてますが、こんなに拡散されて、想像より多くの方の目に届いたことは、SNSで共有できて良かったと思います」と反響に驚きを示した。

 20歳から書家として活動している蒼喬さん。2017年に人気ソーシャルゲーム「Fate/Grand Order」を初めて担当したのをきっかけに、アニメや書籍のタイトルロゴ、地域イベントのロゴ、CDジャケット、ゲーム大会の題字、ネット配信者のロゴなど、幅広い分野に携わっているという。そのほか、書道パフォーマンスやイベント出展、日本・海外での作品展示も開催。21年には米・ニューヨークにあるカーネギー・ホールでの作品展示も行っている。

 いったいどのようにして、「冥」の字の草書体を発見したのだろうか? 「毎週更新している美文字講座の記事を作るために、『鳴』という漢字を資料で調べていました。その時、同じページに記載されていた『冥』の草書体を目にして、『つらい』の3文字に見えてしまったことが始まりです」と舞台裏を明かした。

 わかんむりは「つ」に、中心に据えられた「日」の部分は簡略化され「ら」の形に、最下部の「六」部分は見事に「い」になっている。本当に悲しんでいるような一文字にツイッターでは「めっちゃつらいじゃん…」「新たなネットミームになってしまうかもなw」「思ったより辛そうだった」「声出してワロタ」「僕も色々とつらい」と反響を集め、16日17時現在で約1.6万件のリツイートと4万いいね!を記録している。

 今後の目標は「大河ドラマの題字を書きたい」と明かした蒼喬さん。「日々書道の活動から多くの作品を生み出し、幅広い分野のお仕事に携わっていきたいです。日本での活動はもちろん、海外での活動も増やして、世界的に活躍の場を増やしていきたいと思ってます」とこれからに向けて意気込みを示した。

 ちなみに最近“つらい”と感じたことは「数日間(現在進行形で)ゲームができない事」だそう。「自分の趣味がゲームなのですが、Nintendo Switchの本体が壊れてしまい、修理に出しています。新しく発売された、『ゼルダの伝説-ティアーズオブザキングダム』を、早くプレイしたいです」。

 つらくなったときにはこの字を思い出すと少しは救われるのかもしれない。

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