「うわあ読めない!」 解読が難しすぎてネット悲鳴…桜島の情報アプリが予想外の大バズリ
「ゆくさおじゃったもんせ!かごんまん皆さぁ、桜島ん噴火や爆発でへが降っせ、わっぜのさんなぁ」――。一見しただけでは全く分からない。鹿児島・桜島が噴火や爆発した際に、火山灰が降る方角を通知するアプリの説明文がツイッター上で話題になっている。そのアプリ『へがふっど!』の開発者であるYoshitaka Watanabeさん(@_BoringDays)さんが開発の経緯と狙いについて語った。
予想外の大バスりに「わっぜ、たまげちょっど!」
「ゆくさおじゃったもんせ!かごんまん皆さぁ、桜島ん噴火や爆発でへが降っせ、わっぜのさんなぁ」――。一見しただけでは全く分からない。鹿児島・桜島が噴火や爆発した際に、火山灰が降る方角を通知するアプリの説明文がツイッター上で話題になっている。そのアプリ『へがふっど!』の開発者であるYoshitaka Watanabeさん(@_BoringDays)さんが開発の経緯と狙いについて語った。
説明文はこう続く。「こんアプリは、桜島ん噴火や爆発によってどん方向にへが降っかを通知すっアプリじゃっど。桜島上空ん風や天気などん情報も表示さるっで、あれもんやそこあたいいたっくっに便利やっど。桜島ん噴火情報や噴火レベル、回数など詳し情報も提供しちょっせ、『へー。こげな噴火しちょるんな』とおもっくいやい」。
Watanabeさんは普段、ウェブやアプリのデザインと開発、サーバーの構築などIT関連全般の仕事を行っているのだそう。「こういうのあったら便利だよねってアプリも作っていますが、それよりもなにかくだらなくても『面白い!』と言ってもらえるようなアプリとか作るのは大好きですね」。
生まれは異なるものの鹿児島で育ったそうで、開発の経緯について「県民にはなじみ深いのですが、鹿児島ではその日の天気と同じ感覚で桜島上空の風向きというのをニュース内で放送します。それだけ桜島が噴火しているということになりますが、そうなると噴火=へがふる(灰が降る)ということにつながるので、県民にとっては死活問題に近い状況になります。アプリだと噴火したよっていう通知も送信できますし、天気予報や風向きなども閲覧できるので、そうした情報をアプリで配信できたらすごく便利だろうなと思って作成しました」と話す。
それにしても強烈な文言だ。App Store内でのアプリの説明文には冒頭のような文言が並んでいるが、鹿児島弁について触れたことがない人にとって内容を理解するのは至難の業。アプリのすべてを鹿児島弁で作成した理由とは?
「当初は、名前以外は普通のアプリとして作っていましたが、いざリリースというときに、せっかくだったら説明も鹿児島弁で書いてしまおう、何ならアプリの中も鹿児島弁で表記してしまおうと思いつきました。普通の説明よりも分かりにくいけど、分かる人には分かるからいいかって感じです。アプリ名は最初に作ろうと思ったときから『へがふっど!』にしようと思っていました。」と鹿児島弁で作成した意図を明かした。
実際にアプリをダウンロードしてみると、画面上部には桜島を中心とした鹿児島県南部の地図が。少し下には桜島上空1500メートル、3000メートルの風量と方角も併せて表記されている。画面中央には桜島噴火の速報が記載されており、右にスワイプしていくと過去の噴火や爆発に関する情報をさかのぼってみることができる。その他に火山の状況に関する解説情報や防災情報、桜島の活動状況も記載されており、デザインもスタイリッシュで非常に見やすく使いやすいアプリになっている。
10日に鹿児島を訪れたとあるユーザーがこのアプリの存在をツイートしたところ、「うわあ読めない!」「他県民は読めないのか…」「尖ってて最高」「かごんま弁全開www」と一気に話題に。2019年3月の配信開始から4年後に迎えた、予想外の大盛り上がりに「わっぜ、たまげちょっど!(とても驚いております)っていうのが正直な感想です。インストールする、しないに関わらず、『面白い!』と言う声が多くてびっくりしております。自分の作ったアプリで誰かが楽しいと思ってもらえるのはすごくうれしいです」と正直な感想を口にした。
ちなみにこのアプリ、鹿児島弁の表現が全面に押し出されているが、それ以外の言語にも対応しているのだろうか。「最初は英語や標準語でも作っていたのですが、『噴火の情報って他の人必要なのか?』と思い、現在は鹿児島弁限定での公開となっています」との回答が。鹿児島に行く際には、目的の一つとして鹿児島弁のマスターも必要かもしれない。