「プロレスは闘い。魂のこもった闘いを見せたい」。世界最大のプロレス団体・米WWEを“卒業”したSareeeが凱旋興行「Sareee-ISM～Chapter one～」（16日、新宿FACE）に向け、熱い決意を披露した。

　14歳から道場での練習を開始したSareeeは、2011年に4月にワールド女子プロレス・ディアナでデビュー。JWP、ディアナ、センダイガールズなどで数々のタイトルを獲得するなど、日本女子マット界で大活躍後、単身でWWEに進出。NXTを中心に大暴れし、23年3月に契約満了をもってWWEを退団。この度、日本に凱旋したもの。

　2年間のWWEでの活動を「学ぶべきことを学べた。素晴らしい経験だった」と総括。「自分の信じるプロレスを20代のうちにやりたい」と新たな目標を掲げる。

　留守にした2年間だが、日本女子プロレス界の動向はチェックしていた。「この2年で女子プロレスの人気は上昇した。新しいファンも増えて、私のことを知らない人もいると思う」と冷静に分析する。

　その上で「私に、Sareeeに、日本の女子プロレスを任せてほしい。5・16決戦で私に任せてもらって、大丈夫なことを示したい」と、自信をほのめかす。

　全4試合を自らプロデュースし、Sareee-ISMを体現できる選手をエントリーした。

　第1試合の岡優里佳VS海樹リコは、次代の女子プロレス界を背負って立つ若手選手の激突。Sareee自身が経験した厳しい練習に打ち込む2人の激突は、Sareee-ISMすなわち「魂のこもった闘い」を披露するオープニングマッチに相応しいバトルとなりそうだ。

　AKARI、中島安里紗組VS星いぶき、高瀬みゆき組の第2試合も入魂ファイトの戦士が揃っている。

　AKARIはチリから日本の女子プロレスに憧れ、単身で来日した文字通りの魂の戦士。「一人でアメリカに行った私と重なる」とSareee。渡米前に対戦しており、再戦を楽しみにしている。

　中島は言うまでもなく現在の日本女子マット界をけん引する一人で、Sareeeも「ザ・女子プロレスというファイトを展開してくれる」と太鼓判を押す。

　星のチョップ、エルボーの破壊力は凄まじい。高瀬とはAKARI同様、渡米前に対決しており再会を楽しみにするSareeeだ。

　続く高橋奈七永、ジャガー横田組VS伊藤薫、X組のタッグマッチも見逃せない。ジャガーは言わずと知れた女子プロレス界のドン。Sareeeも「WWE行きも応援してもらったし、いろんなアドバイスをいただいている。女子プロレス界全体を見渡している。大ベテランでありながら、新しいことにもチャレンジする柔軟で素敵な方」と、リスペクトしてやまない。

　高橋も「全日本女子も知る大きな存在。パッションに憧れる」とSareeeのお手本の1人だ。

　伊藤は14歳の頃からの師匠であり「この方がいなかったら、今の私はない」と感謝している。Xは当日、入場テーマ曲が流れるまで秘密。「意外な人かも」とウインクだ。

　メインイベントでSareeeは橋本千紘と一騎打ちに臨む。「現在の日本女子プロレス界で一番、強い」と認めている。渡米前にも何度もぶつかり、ベルトを争ったライバルであり「日本一の座を取り返すためにも、倒したい」とキッパリ。凱旋マッチにこれ以上相応しい相手はいない。

「必ず勝つ。そしてマイクでSareee-ISMをアピールする」と強調。大会名でもある「ISM」といえば“燃える闘魂”アントニオ猪木さんを思い出す人も多いはず。Sareeeも「父の影響でプロレスと出会い、猪木さんを知った。私も猪木さんの様に魂を込めたプロレスをやりたい。渡米前に猪木さんにお会いしたときに『頑張って』とおっしゃっていただいた」と、猪木さんを目標にしている。

　猪木さんの赤いタオルならぬ赤いニューコスチュームで臨む5・16決戦。アメリカ帰りのSareeeの「赤い闘魂」が燃え上がる。