錦戸亮、独立後初のテレビドラマ出演 兄と殴り合いのケンカをした過去も…38歳の“家族観”

俳優でアーティストとしても活躍する錦戸亮が、NHKのBSプレミアム・BS4Kにて5月14日から放送中のドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(日曜午後10時)で4年ぶりのテレビドラマに復帰した。2019年に独立してからは初となりNHKへの出演は18年放送の大河ドラマ『西郷どん』以来。亡くなっているのに劇中に登場する“幻視”という難しい役どころに臨む心境や、自身の家族への思いを聞いた。

4年ぶりにテレビドラマ復帰を果たした錦戸亮さん【写真:ENCOUNT編集部】
4年ぶりにテレビドラマ復帰を果たした錦戸亮さん【写真:ENCOUNT編集部】

アーティストとして3枚のアルバムをリリース コロナ禍で武道館公演も成功させた

 俳優でアーティストとしても活躍する錦戸亮が、NHKのBSプレミアム・BS4Kにて5月14日から放送中のドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(日曜午後10時)で4年ぶりのテレビドラマに復帰した。2019年に独立してからは初となりNHKへの出演は18年放送の大河ドラマ『西郷どん』以来。亡くなっているのに劇中に登場する“幻視”という難しい役どころに臨む心境や、自身の家族への思いを聞いた。(取材・文=西村綾乃)

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 数社の取材を受けていたこの日。錦戸はスタジオの中でインタビュアーが投げかける質問に対し、自分の言葉を真摯(しんし)に探していた。

「独立する前と今とでは、出演依頼をいただくという意味が違います。声をかけていただいたからには、全力で頑張りたい。『僕でよければぜひ』とすぐにお返事をしました」

 錦戸が演じるのは主人公の岸本七実(河合優実)の父・耕助。今の錦戸と同じ38歳だが、心筋梗塞で他界している。難しい役どころだが、映画『勝手にふるえてろ』(2017年)などでメガホンを取った大九明子が演出を務める現場では、大九とシーンを掘り下げ撮影に臨んでいる。

「僕自身はたくさんの出演シーンがあるわけではなくスパイスのような存在。七実が思い悩んだときにそっと背中を押すような場面もあるのですが、よく考えて見たら耕助の方が支えてもらっていたのかなと気付くこともありました。妻のひとみ(坂井真紀)もほかの家族もみんな強いけれど、もろい所もある。父親として、成長していく家族を温かく見守っていきたいです」

 耕助は、亡くなっているのに劇中に登場する不思議な存在だ。

「ドラマを観ている人に、どんなふうに映るのか反応が気になります。そこにいるかどうか分からないという不思議な存在。僕自身は幻視を見たという経験はないのですが、昨年の春に一緒に暮らしていた犬が亡くなってしまって、もう1頭飼っていた犬が落ち込んでいたんです。ずっと元気がなかったんですけど、ある日、仕事が終わって家に帰ったら、しょんぼりしていた1頭がリビングではしゃぎ回っていたことがあったんです。それを見たときに、帰って来て遊んでくれてたんかなって思いました」

実生活は4人兄妹「年齢を重ね、腹を割って話せるように」

 実生活では2歳と3歳上の兄、2歳年下の妹がいる4人きょうだい。やんちゃな次男とは、骨折するまでケンカをするなど歯止めが利かないこともあった。

「2つ上の兄とは仲が悪くて、口をきかない時期もありました。殴り合った事実は変わらないけれど、年齢を重ね、それぞれの暮らしを持つようになった今は穏やかになったし、腹を割って話せるようになりました。結婚した妹に、子どもが出来たときは、妹がすごい大人に見えましたね」

 大家族を支えた父親について、どのように感じているのだろう。

「僕のおやじが自分と同じ38歳のときにはもう、僕という子どもがいました。自分の家庭はないですけど、自分の年齢を振り返ると、同じ年齢のときに親はどうしてたんかなって考える機会は増えました」

 独立後はより客観的に冷静に自分自身を見つめるようになったという。SNSのほか、インターネット配信にも力を入れ、ファンとの距離を身近に。コロナ禍の20年には東京・北の丸の日本武道館で自身初の単独公演を、武道館史上初の無観客でオンライン配信し話題になった。歌手としては3枚のアルバムをリリースするなど、精力的に活動している。口元にヒゲをはやしたワイルドな姿で、ゆっくりと語る姿には、積み重ねてきた自信をにじませた。

「自分とは何かという問いかけを、何度もしました。何もかも自分のペースで動かすことができるけれど、全ての結果を自分が受け止めなくてはいけない。役者として求められる場があれば、全力で務めたい。音楽活動も地に足をつけて、無理をせずに続けていきたいです」

 ドラマは、作家の岸田奈美が自らの家族について描いたエッセーが原作。ベンチャー企業家だった父は急逝し、母は突然車いす生活に。弟はダウン症、祖母には物忘れの症状が……という“情報過多”な日々の出来事は、多くの人に支持され書籍化もされた。

□錦戸亮(にしきど・りょう) 1984年11月3日、大阪府出身。97年に芸能活動をスタート。映画や、ドラマなど多数の作品に出演。2019年に音楽レーベル「NOMAD RECORDS」を設立し、ソロアーティストとしてデビューした。6月22日にはTBSが制作するNetflixシリーズの配信ドラマ『離婚しようよ』の配信がスタート。また、日英合作映画『Cottontail(英語版)』(パトリック・ディキンソン監督)の公開(日程は未定)も控えている。

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【ヘアメイク】
松本 順 (辻事務所)
※英語表記の場合
Jun matsumoto (tsujimanagement)

【スタイリスト】
本多 徳生
※英語表記の場合
NORIO HONDA

プレミアムドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」
【放送】
5月14日(日)スタート<全10話>
毎週日曜 夜10:00~10:50(BSプレミアム・BS4K)
【原作】
岸田奈美
【脚本】
市之瀬浩子、鈴木史子
【音楽】
髙野正樹
【脚本・演出】
大九明子
【出演】
河合優実、坂井真紀、吉田葵、錦戸亮、美保純 ほか
【制作統括】
坂部康二(NHKエンタープライズ) 伊藤太一(AOI Pro.) 訓覇圭(NHK)
公式HP:https://www.nhk.jp/p/ts/RMVLGR9QNM/

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