能登地震で水族館のダイバー救った客の機転が大反響 水槽ガラス越しに緊急地震速報を伝達

石川・能登地方を震源とする震度6強の大きな地震が5日発生、その後も断続的な揺れが続いている。そんななか、地震発生直後の機転を利かせた来場客の行動に感謝を示した水族館の投稿がネット上で話題を呼んでいる。震源地に近い七尾市能登島の「のとじま水族館」に、当時の状況を聞いた。

のとじま水族館が行った感謝の投稿【写真:ツイッター(@notoaqua_jp)より】
のとじま水族館が行った感謝の投稿【写真:ツイッター(@notoaqua_jp)より】

生き物、スタッフ、設備等に被害はなく、安全確認ができ次第営業を再開

 石川・能登地方を震源とする震度6強の大きな地震が5日発生、その後も断続的な揺れが続いている。そんななか、地震発生直後の機転を利かせた来場客の行動に感謝を示した水族館の投稿がネット上で話題を呼んでいる。震源地に近い七尾市能登島の「のとじま水族館」に、当時の状況を聞いた。

「昨日の地震発生の際、当館ダイバーが『のと海遊回廊』で潜水掃除を行っていましたが、すぐにお客様がガラス越しにスマホの緊急地震速報の画面を見せてくれたとのことでした。そのおかげで、当館ダイバーも無事避難することができました。ダイバーはこのとっさの行動にとても感謝していました」

 地震発生翌日の6日、のとじま水族館の公式アカウントが「#感謝」のハッシュタグを添えて行った投稿は、4.6万件のリツイート、21.8万件のいいねを集めるなど話題に。「そうか! 水の中じゃ地震気付けないですもんね!」「素晴らしい機転ですね」「まさに、命の恩人ですね」と感動の声が多数寄せられている。

 のとじま水族館の担当者は「緊急地震速報が鳴り、まもなく大きな揺れを感じました。弊館スタッフは揺れが収まってから来館者の誘導に当たりましたが、ダイバーはちょうどそのとき、潜水掃除中でした」と地震発生当時の状況を説明。「ダイバーは揺れを感じることはできなかったようで、その様子をご覧になっていたお客様がとっさにスマホの画面(緊急地震速報の画面)をガラス越しに見せてくれたとのことでした。それによって危険な状況であることを理解でき、また監視スタッフが浮上の指示を出しているのに気付いたとのことでした」とダイバー本人の言葉を代弁する。

 来場客のとっさの行動のおかげでダイバーは無事水槽から上がり、ウエットスーツ姿のまま来館者を避難誘導。その後館内の安全確認ができたことで営業を再開し、翌日以降も通常通り営業を行っているという。また、生き物、スタッフ、設備等にも被害は出ていないとのことだ。

「その後にスマホを見せてくれたお客様とは会うことができず、誰もが自身の避難を最優先する状況で、知らせてくれた方に感謝の意を伝えたいと思い今回の投稿をしました。想像を超える反響をいただき、驚いているのと同時に当日伝えられなかった感謝の気持ちが当人に届いていればうれしいという思いです」と担当者。のとじま水族館では9日午前5時頃にもやや強い揺れがあったものの、異常はなく通常通り営業しているという。

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