舞台『エヴァンゲリオン』が人形浄瑠璃と融合 主演・窪田正孝「先入観を捨ててください」

俳優・窪田正孝主演の『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』の公開ゲネプロが5日、東京・新宿区のTHEATER MIRANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)で行われた。多くの若者を魅了してきた人気シリーズ『エヴァンゲリオン』の舞台化で、完全オリジナルストーリーとして人間と使徒の新たな戦いが描かれる。

主人公を演じた窪田正孝【写真:ENCOUNT編集部】
主人公を演じた窪田正孝【写真:ENCOUNT編集部】

世界的振付家が原案、構成、演出、振り付けを担当「アニメと同じものではない」

 俳優・窪田正孝主演の『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』の公開ゲネプロが5日、東京・新宿区のTHEATER MIRANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)で行われた。多くの若者を魅了してきた人気シリーズ『エヴァンゲリオン』の舞台化で、完全オリジナルストーリーとして人間と使徒の新たな戦いが描かれる。

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 15年前、世界各地に謎の「侵略者」が出没。公式には日本のある地方に巨大隕石が落下して巨大クレーターが生まれ、そこから「宇宙からの侵略者・使徒」が出現したと発表された。壊滅的な状況になった地球、そして生き残った人々と、エヴァンゲリオンに搭乗し使徒と呼ばれる敵を殲滅(せんめつ)する少年少女たち。その陰にある真実を知る渡守ソウシ(窪田)は贖罪(しょくざい)と再生のため、かつての恋人で特務機関の女性・霧生イオリ(石橋静河)に接触し世界の秘密を解き放とうとする……。

 原案、構成、演出、振り付けを担当したのは世界的な振付家であるベルギー出身のシディ・ラルビ・シェルカウイ氏。日本文化に造詣が深いシディ氏はうねるような動きを見せるコンテンポラリーダンスを全体的にちりばめ、エヴァンゲリオンと使徒の戦いの際は人形浄瑠璃のような動きを採用するなど異なる文化を融合した独創的なステージを実現させた。シディ氏は「エヴァンゲリオンを舞台化するということは、まさに道徳観や価値観と向き合い、何が正しくて大切なのかを問いかけることだと考えています」と語り、「アニメと同じものを映し出すわけではありません。今作は今の世界を映し出す鏡。エヴァンゲリオンとは違うことを目指しています」とオリジナリティーを強調した。

 主演の窪田は『唐版 風の又三郎』以来、4年ぶりの舞台となり、「とても現代的なテーマが込められた作品。デジタルが加速してすべてが映像やインターネットに代わっていく時代だけど、あえてそこに抗(あらが)い演劇にする意味はある。情報に埋め尽くされすぎて心に余白のある人が以前より少なくなった気がしています。先入観を捨て、目の前で起きることを自然な感覚で捉えていただけたら幸いです」とアピールしている。

『エヴァンゲリオン』をモチーフに、重力の感覚を失うような斜面のセットや巨大エヴァの出現、登場人物のワイヤーアクションなど新感覚の演出がさえわたっている。さらには行き過ぎた情報社会や少年少女の人権と政策、さらにはSDGsや共存の概念まで織り込んだ画期的な世界観を作り上げた。

 共演は田中哲司、宮下今日子、永田崇人、石橋静河、坂ノ上茜、村田寛奈、板垣瑞生ら。東京公演は同所のこけら落としとなり6~28日まで上演。次いで長野・まつもと市民芸術館で6月3、4日。大阪・森ノ宮ピロティホールで同10~19日まで。

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