炎のコルベット、子どもたちに大人気のワケ オーナーもびっくり「調べたら、確かに似ているなと」
愛車をカスタムすると、思わぬ呼び名で親しまれることがある。この真っ赤な1981年式シボレーコルベットは、群馬県在住のオーナー、松本郷さんが23年前に購入。2020年に炎のカッティングシートを取り付けたところ、子どもたちから大人気となった。その理由とは。
公道で目立ちまくり 「乗れなくなっても置いておきたい車」
愛車をカスタムすると、思わぬ呼び名で親しまれることがある。この真っ赤な1981年式シボレーコルベットは、群馬県在住のオーナー、松本郷さんが23年前に購入。2020年に炎のカッティングシートを取り付けたところ、子どもたちから大人気となった。その理由とは。
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松本さんが愛車を手に入れたのは2000年だった。もともと父親がアメ車好きで、小さいころから影響を受けていた。父親は自らの愛車としてフォードマスタング・マッハ1とコルベットを迷ったことがあり、「知らず知らずに頭に入っていた。ずーっと憧れの車だった」と、いつか乗りたいと目標にしていた。
カラーは赤で、一度、フェラーリのイタリアンレッドに全塗装している。魅力は「このルックスですよね。むだなデカさ。今の国産車にはないスタイル」。全長は5メートルほどで、アメ車ならではのド迫力を放つ。
「踏めばそれなりに加速が味わえる。エンジンのパワーがそのまま伝わって、高速の合流とかも楽ですよね。ただ、ミラーがまるっきり見えない。車体の内側に入っている。慣れるのに時間はかかりました」。独特の個性も含めて、気に入っている。
価格は170万円ほどだった。走りは極めて快適。古いアメ車にありがちな故障のイメージも、コルベットにはないという。
「壊れるのは覚悟していたけど、意外に壊れない。大きい故障もなく乗れてきている。当たりは当たりだった。1日往復1000キロを走っても問題なく走ってこれた。手入れしていれば壊れない」。現在は同じ車種の価格が高騰。程度のいいもので、「片手は超えてくる」と、3倍近くに値上がりしている。リッターは高速で8キロほど。「仲間内ではありえないと言われるけど、走れる」。米国の技術に驚いている。
車体はほぼノーマルで、「そんなにいじっていない」。もともとのタイヤが太く、オーバーフェンダーを装着したくらいだ。
公道では目立ちまくっている。
「対向車がこっちを見てるなっていう視線は常に感じます。アメリカンなバイクが隣に来ると、アイコンタクトやグーって合図してくる。とにかく車の存在感がすごい。誰もが振り返ります」
高速道路では「軽自動車に抜かれます」というほどの安全運転。危険運転に巻き込まれたことはなく、「あおられた経験はないです。ちょっと怪しい人が乗っていると思うんじゃないですか(笑)」と、続けた。
車のおかげで交流も増えた。「しばらくずっと1人で家の周りを走っていたんだけど、当時ミクシィがはやっていて、それでコルベットのつながりでオフ会に顔出してからいろいろつながり始めた」
納車から20年たった節目には、心機一転、ボディーに炎のデザインを施した。カッティングシートで「嫌ならはがせばいいかな」と思っていたが、「これはこれで気に入っちゃった」。太陽のフレアはまるで“煉獄さん”のような印象も受けるが、これに注目したのは子どもたちだった。
「ファイアデザインになった後、みんなカーズ、カーズって言われる。『マックィーンだ!』って。それで(マックイーンの日よけを)つけた。目玉をつけると、余計そう言われる。目玉をつけてなくても言われる。映画を見たことがないから分からないけど、調べたら、確かに似ているなと」。ディズニー・ピクサーのアニメーション映画『カーズ』シリーズの主人公、ライトニング・マックィーンは、赤いスポーツカーに稲妻を走らせている。子どもたちは映画の中で見たヒーローの姿に、コルベットをダブらせている。
自動車は低燃費・コンパクト化がさけばれ、電気自動車(EV)が台頭している。コルベットのようなアメ車は貴重な存在になっていくかもしれない。
松本さんは「ガソリン車がなきゃ困る。EVもなきゃ困るんだろうけど、こういうのも残していかなきゃダメですよね。コルベットに関してはこのスタイルを作ったことに意味がある。乗れなくなっても置いておきたい車」と力説。「今は、これがあるから仕事を頑張れる。これがなかったら何しているんだろうと。23年も乗っている車。欠かせない存在です」と、熱い思いを語った。