話題の衝撃作「火口のふたり」の影に名物プロデューサー“シゲジイ”あり

『火口のふたり』(c)2019「火口のふたり」製作委員会
『火口のふたり』(c)2019「火口のふたり」製作委員会

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 こんな武勇伝は数知れない。こういう濃厚な関係が今の人脈に繋がっている。プロデュース作品は50本近く。三上博史主演「ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け」(1986/山川直人監督)、レオン・カーフェイ&富田靖子主演の「南京の基督」(1995/トニー・オウ監督)、三宅祐司主演の「新サラリーマン専科」(1997/朝原雄三監督)、「光の雨」(2001/高橋伴明監督)、高倉健主演の「単騎、千里を走る」(2006/チャン・イーモウ監督)、松田龍平主演の「46億年の恋」(2007/三池崇史監督)、二階堂ふみ&長谷川博己主演の「この国の空」(2015/荒井晴彦監督)などバラエティーにあふれるラインナップだ。

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 湯布院映画祭での上映後のシンポジウムでは、観客から「3本全部観たが、『不夜城』『香港大夜総会 タッチ&マギー』『蜜のあわれ』の順でよくなっていると思う。それにしても、よくこんなにジャンルの違う作品を作れますね」という質問が出た。森重氏は「映画監督とは違って、プロデューサーには作家性は関係ない。なんでもできる」と笑ってみせる。

湯布院映画祭で会見する柄本佑(中央)と森重晃氏(右)ら
湯布院映画祭で会見する柄本佑(中央)と森重晃氏(右)ら

 監督をしたいと思ったことは? と聞くと、「1度あるが、流れてしまった」と煙に巻かれたが、森重氏にはプロデューサーが性に合っているのだと思う。自身でも、「一つ自信があるのは、本を読む力だね。原作や脚本を読めば、この映画がどのくらいの作品になるのかは分かる」と話す。

 直木賞作家、白石一文氏の同名エロス小説を原作にした、柄本佑&瀧内公美主演の最新作「火口のふたり」も、手厳しい湯布院の観客にも好評。わずか10日間で撮影したローバジェット映画だが、主演の2人の代表作というべき作品に仕上がっており、来年の映画賞レースにも名前が上がることだろう。

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