話題の衝撃作「火口のふたり」の影に名物プロデューサー“シゲジイ”あり

桑田佳祐監督の「稲村ジェーン」(1990)、金城武主演のクライムアクション「不夜城」(1998/リー・チーガイ監督)といった大作から現在、公開中の柄本佑主演の「火口のふたり」(荒井晴彦監督)まで幅広い作品を手掛けるのが、森重晃プロデューサーだ。「第44回湯布院映画祭」では特集が組まれ、「不夜城」、岸谷五朗&香取慎吾主演のコメディー「香港大夜総会 タッチ&マギー」(1997/渡邊孝好監督)、二階堂ふみ&大杉漣主演の文芸作「蜜のあわれ」(2016/石井岳龍監督)が上映された。プロデューサーの醍醐味とは何か?

『火口のふたり』(c)2019「火口のふたり」製作委員会
『火口のふたり』(c)2019「火口のふたり」製作委員会

「稲村ジェーン」「不夜城」など数多くの作品を手掛ける森重晃氏

 桑田佳祐監督の「稲村ジェーン」(1990)、金城武主演のクライムアクション「不夜城」(1998/リー・チーガイ監督)といった大作から現在、公開中の柄本佑主演の「火口のふたり」(荒井晴彦監督)まで幅広い作品を手掛けるのが、森重晃プロデューサーだ。「第44回湯布院映画祭」では特集が組まれ、「不夜城」、岸谷五朗&香取慎吾主演のコメディー「香港大夜総会 タッチ&マギー」(1997/渡邊孝好監督)、二階堂ふみ&大杉漣主演の文芸作「蜜のあわれ」(2016/石井岳龍監督)が上映された。プロデューサーの醍醐味とは何か?

「そりゃあ、関係した人たちが評価されることだよ」と森重氏は言う。「もちろん、ヒットしてくれれば、言うことないけど、出演者や監督が賞をもらった時は何よりうれしいね」。寺島しのぶ主演の「ヴァイブレータ」(2003/廣木隆一監督)はヴェネチア国際映画祭に出品され、東京国際映画祭では寺島が主演女優賞を受賞。近作でも浅野忠信主演の「幼な子われらに生まれ」(2017/三島有紀子監督)は第41回モントリオール世界映画祭審査員特別大賞、第91回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画ベストテン第4位にランクインし、田中麗奈に助演女優賞などをもたらした。

「シゲジイ」の愛称で親しまれている森重晃氏
「シゲジイ」の愛称で親しまれている森重晃氏

 業界では「シゲジイ」の愛称で親しまれている森重氏。出演者交代、予算オーバーなどさまざまなトラブルにもひょうひょうと対処する。それは、型にはまった社員プロデューサーではなく、たくましく生きる独立系映画プロデューサーの強みなのだろう。

 1955年、山口県出身。大阪時代にはNHKでフィルム編集に携わり、劇団日本維新派(現・劇団維新派)の1979年冬公演を記録したドキュメンタリー「足の裏から冥王まで」(1979/井筒和幸監督)のプロデューサーを担当したのをきっかけに映画界へ。25歳の時に上京し、「ヒポクラテスたち」(1980/大森一樹監督)の製作助手、フリープロデューサーを経て、アミューズに所属。1998年からは制作会社「ステューディオスリー」に参加している。

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