出産・子育てからシングルマザーの恋愛まで 西山茉希がさらけ出した赤裸々な私生活

モデルの西山茉希(37)が初のエッセー『だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ』(大和書房)を発売中だ。元所属事務所問題、出産・子育て、離婚、シングルマザーの恋愛など体験や心情を赤裸々につづったもの。西山が今の思いを語った。

事務所トラブル、離婚について語った西山茉希【写真:舛元清香】
事務所トラブル、離婚について語った西山茉希【写真:舛元清香】

『だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ』出版「発売前はためらいもありました」

 モデルの西山茉希(37)が初のエッセー『だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ』(大和書房)を発売中だ。元所属事務所問題、出産・子育て、離婚、シングルマザーの恋愛など体験や心情を赤裸々につづったもの。西山が今の思いを語った。(取材・文=平辻哲也)

 モデルとして活躍し、私生活では9歳と7歳の女児のママでもある西山。エッセーでは、どん底からの立ち上がり方、悩みとの向き合い方、ルッキズム問題までを語っている。

「出したものは修正もきかないし、読み手の次第でまた違うんだろうなと思っていたんですが、実際に読んでくださる方から声が届くと、やっぱりすごくうれしい。ありがたいなと思っています」

 新潟県長岡市出身。高校を卒業し、上京。東京暮らしも人生の半分になった。

「節目としてこの1冊を残せてよかった。書くまでや発売前はためらいもありましたが、誰かのために残したいっていう気持ちがありました。私自身、皆さんと同じようにいろんなことを乗り越えながら、今の自分を作ってきましたが、“誰かの心に寄り添えたら”と思った時、まずは自分自身がさらけ出すべきだと思ったんです」

 2017年には元所属事務所との契約トラブルが報じられ、19年には離婚も経験した。これらにも言及しているのは、覚悟の現れだろう。

「今の時代、情報だけで美しいものだけが届いたり、すてきだと言われることには正直違和感もありました。常に恐怖心は背中合わせです。元事務所との問題や離婚も自分の人生の中で起きたこと。消えることはないので、受け入れつつ進むしかない。それらを隠して、表に立ち続けても、なにかきれいごとを言っているような、嘘をついているような気持ちがありました」

 この5、6年は自身の人生でも波乱の時期だったが、どう乗り越えてきたのか。

「この数年は人生の中でも、切り替えのタイミングで、しんどい時間もありました。傷つくことも、支えられることも、両者が人であることを強く感じたんです。自分の力だけでは立ち上がれないこともあったりするけど、人と会話して、気持ちを吐き出したりすると、自分の中で、またエネルギーが湧いてきて、笑うことができたんです」と振り返る。

 離婚後は2児のシングルマザー。仕事とプライベートのバランスはどんなふうに取っているのか。

「“両立”とはあまり考えないようにしています。どっちもあるのが自分の人生だから。母になってからはより仕事が頑張れるようになった。仕事の時間は西山茉希として一人で動くことが多いので、息抜きにもなります。仕事が終わって帰れば、待っていてくれる子どもたちがいる。大変なことも、もちろんありますが、今の状況だからこそどちらにも感謝ができますよね」

“大切な人”について語った西山茉希【写真:舛元清香】
“大切な人”について語った西山茉希【写真:舛元清香】

 2人の娘は西山の生きる原動力だ。

「上の子はこの1年間でぐんと大人っぽく、女性っぽくなりました。すっかりお姉さんという感じで、女同士で過ごしているなという感覚が強くなりました。下の子はまだ、お姉ちゃんのマネをしているのですが、自分自身は兄と弟というきょうだい構成だったので、姉妹だとこういう感じなんだなと、新しい発見がまだまだたくさんあります」

 エッセーでは大切な人生のパートナーがいることも明かしている。

「ありがたい存在です。母という道を向き合いながら切磋琢磨(せっさたくま)するのは変わらないのですが、私自身の心の休ませ方を、知らないうちに見失いそうになっていたんです」。

 大切な人はどんな存在なのか。

「一緒にいろいろな物事や感情をシェアしたり、一緒に歩いていきたいと思える人。また、そういう素直な感情に気づかせてくれた人でもあります。『大丈夫』と言い続けてくれたからこそ、心に安心感を持つことができました」

 そんな真っすぐな気持ちをつづったエッセーは大切な人達に向けたラブレターのようにも見える。「真っすぐ、感謝の思いが届くといいなと思います」。再婚について問うと「言葉にするのは難しいですね……。自分の欲が簡単にはかなわないと、今までの生活の中で学んできたから。目標を持つと、目指したくなるし、できないとしんどくもなる。先を目指すよりも、今ある環境に感謝して日々明日に向かって生きようと思っています」と語る。題名「だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ」は読者へのメッセージでもあり、西山が自分を言い聞かせるためのマジックワードでもあるのだろう。

□西山茉希(にしやま・まき)1985年11月16日生まれ。新潟県長岡市出身。2004年デビュー。モデル、タレントとして活動。現在2児の母。

次のページへ (2/2) 【写真】西山茉希の全身ショット
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