由美かおるが明かす『水戸黄門』秘話 入浴シーンは計204回「ギネス級かもしれません」

TBS系時代劇『水戸黄門』で25年間女性忍者を演じ、子どもから高齢者まで世代を超えて人気を得た俳優の由美かおる。1966年にデビューし、芸能生活は57年になるが、昨年11月には都内でジャズコンサートを行い、今後の活動が多岐にわたることを感じさせた。由美に『水戸黄門』時代の思い出とともに今後の活動を聞いた。すると「世界レベル」というワードも。まずは『水戸黄門』における由美の代表的な入浴シーンから。当時の心境や舞台裏の様子を明かしてくれた。

『水戸黄門』の舞台裏や今後の活動方針を語る由美かおる
『水戸黄門』の舞台裏や今後の活動方針を語る由美かおる

『水戸黄門』で入浴シーン計204回はギネスに申請予定

 TBS系時代劇『水戸黄門』で25年間女性忍者を演じ、子どもから高齢者まで世代を超えて人気を得た俳優の由美かおる。1966年にデビューし、芸能生活は57年になるが、昨年11月には都内でジャズコンサートを行い、今後の活動が多岐にわたることを感じさせた。由美に『水戸黄門』時代の思い出とともに今後の活動を聞いた。すると「世界レベル」というワードも。まずは『水戸黄門』における由美の代表的な入浴シーンから。当時の心境や舞台裏の様子を明かしてくれた。(取材・文=中野由喜)

「最初のお風呂のシーンは、お風呂で黄門さまの命を狙い、風車の弥七さんに止められる展開でした。思い出深いのは当時の東映撮影所のセットのお風呂。地面の土を掘ってブルーシートを敷いてからスタッフの皆さんが岩風呂をつくってくださいました。ただ、撮影中にどんどんお湯が減っていったんです。私は姿勢が徐々に低く、横になっていく状況でした(笑)」

 入浴シーンはどんな心境だったのか。

「もちろん恥じらいはありました。水着はつけているもののスタッフは全員男性でしたから。入る際に足をお湯につけるたび、何となく視線を感じました(笑)」

 撮影では長時間、お湯につかることもあったはず。

「はい。湯あたりしました(笑)。日ごろ自分の家でも長湯はしないんです。すぐに体がポカポカと温かくなるタイプですので時々のぼせました」

 お銀役15年、お娟役10年とレギュラー出演だけで25年。それ以外にゲスト的な出演もあった。入浴シーンはトータルで何回あったのだろう。

「実は正確に調べていただいたらトータル204回あったそうです。1つのシリーズ作品でこんなにお風呂に入った人はいないと思います。ギネス級かもしれません(笑)。ただ、長くやったとか多くやったという意識はないんです。毎回、新しいお風呂を用意していただき、いつも新しい気持ち、チャレンジする気持ちで撮影に臨んでいたからだと思います。今になって『そんなに入っていたんだ』という感じです」

 関係者によると204回についてはギネスブックに申請する予定で準備中という。ここで、あらためて『水戸黄門』は由美にとってはどんな作品だったのか聞いた。

「弱者を助け、悪を成敗する中に家族愛などいろんな愛と優しさが含まれ、小さな子も高齢の方も安心して見ていただける温かい作品。私はデビュー当時から人との出会いの大切さを感じていましたが、出会った皆さんに守られて仕事をたくさんさせていただき、そして『水戸黄門』という温かな作品と出会えました。撮影現場も心温まる時間でした。暑いときも寒いときも朝早くから夜遅くまで、大変なことも楽しいと感じる職人のようなすてきなスタッフさんたちにも出会えましたし、人間的な生き方を教えていただいたと思います」

10代のデビュー当時と変わらぬスタイルの秘けつ「健康は自分でつくるもの」

 ここで話題を変え今後の活動について尋ねた。

「今までは守られてきましたが、これからの人生は自分から発信していきたいと思います。これからやっていくのは健康と美、人としての思いやりを発信すること。日本だけでなく世界に向けて、楽しい生き方、いくつになっても生き生きと何かにチャレンジできる生き方の道先案内人になりたいと考えています」

 具体的にはどういう形なのだろう。

「まずは私なりの健康で美しく生きる方法。ご要望があれば、これまで私がやってきた呼吸法を教えたいと思います。体の内面から細胞が喜ぶようになります。健康は自分でつくるもの。生涯青春です」

 由美の健康法のおかげでスタイルは72歳の今も10代のデビュー当時と変わっていないという。今後の芸能活動の方はどうか。

「みんなが元気になれるような映画やドラマに出演して、見て良かったと思ってもらえる仕事をしたいですね。こんなふうに元気に過ごせるんだ、というお手本となれるような作品に出演できたらと思います。元気に美しく、健康的、そして人の思いやりを伝えられる仕事。お銀やお娟のようなくノ一がこれまでにないステージで活躍するような映画やドラマができると楽しいと思います。外国の方たちとも共演できるとイメージが膨らみますね。みんなにやる気とパワー与えるような作品作りに関わっていきたいです」

 昨年はジャズコンサートを行った。音楽活動についても尋ねた。

「世界レベルでやっていきたいです。たとえば世界中の人が知っている有名な曲を私が歌う中で、ファミコンなど昔のゲーム音などをはめ込むという、これまで日本にも海外にもなかったアレンジ方法を駆使した曲を世に出す計画があります。世界初の新ジャンルの音楽です」

 どんな音楽になるのかワクワクする。順調なら夏には披露できるという。驚かされたことはほかにもある。現在、ARで由美かおるのブリージング(呼吸法)をバーチャル体験できる仕組みも準備中という。4月1日には東京・港区の観光大使に就任。由美の母の出身地である長崎・天草など地域の活性化にも尽力する意向も示した。

「お年寄りが元気になるコミュニティーを作り、健康と美に役立つことや日本の魅力を世界に発信し、みんなが喜んでくれるようにしたいです。愛の輪です。私自身も自然体でいて、健康でいつまでも何かにチャレンジできる体を作り、楽しく生きられたらと思います」

 世界レベルは入浴シーンだけではない。音楽活動や健康と美の分野で貢献することも世界を視野に入れている。10代から変わらないスタイルの由美のパワーは衰えをしらない。

□由美(ゆみ)かおる 1950年11月12日、京都生まれ。6歳から兵庫県で暮らし、62年に西野バレエ団に入団。66年に『11PM』の歌って踊るコーナーに出演して芸能界デビュー。67年には音楽番組『レ・ガールズ』で金井克子、奈美悦子らとミニスカート姿で歌って踊る姿が人気となり、同年『レモンとメロン』で歌手デビュー。66年には映画『夜のバラを消せ』で俳優デビューした。その後、86年から『水戸黄門』第16部にがけろうお銀役で出演し、2010年放送の第41部まで15年間レギュラー出演。01年の第29部からは疾風のお娟の役名となり10年まで10年間出演し計25年間女性忍者としてレギュラー出演。

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