今年の住宅トレンドは「平屋回帰」 1500万円で建てられる高コスパ住宅が人気、その背景とは

株式会社リクルートの住まい領域の調査研究機関である「SUUMOリサーチセンター」は20日、都内のリクルート本社で「SUUMOトレンド発表会2023」を開催。2023年の不動産業界のトレンドキーワードを「平屋回帰」と発表した。

「SUUMOトレンド発表会2023」でキーワード「平屋回帰」が発表された(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「SUUMOトレンド発表会2023」でキーワード「平屋回帰」が発表された(写真はイメージ)【写真:写真AC】

背景には社会情勢の変化と世帯人数の減少と分析

 株式会社リクルートの住まい領域の調査研究機関である「SUUMOリサーチセンター」は20日、都内のリクルート本社で「SUUMOトレンド発表会2023」を開催。2023年の不動産業界のトレンドキーワードを「平屋回帰」と発表した。

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 理由について、『SUUMO』副編集長で、スーモ リサーチセンター研究員の笠松美香さんは「住宅関連価格の高騰や、世帯構成の多様化による社会の変化、そして近年のキャンプブームやデュアルライフ(都心と郊外に住まいを構える二拠点生活)に代表される、より自然に近い身軽な暮らし体験等による、人々の内面変化も平屋の新築住宅を探すユーザーを後押しする要因となっている」と解説。また、エネルギー効率が良い点や、高齢でも住みやすい点も高い合理性に挙げ、日本の伝統的な家の形に改めて注目が集まっていると言及した。

 人気なのは「コンパクトで高コスパな平屋」。種類は3つに分類され、新築で1500万円前後と手の届きやすい価格で建てることができる「新築 高コスパ平屋」、リノベーション・買取再販・減築などがされた「リユース平屋」、約100万円~300万円で建設可能で主拠点に加える小屋やタイニーハウスタイプとなっている。。人気エリアとしてはまとまった土地が必要になることから必然的に郊外になると指摘し、関東に限ると群馬県や栃木県、埼玉県の鴻巣、上尾などに平屋が多いと分析した。

 国土交通省『建築着工統計調査 / 建築物着工統計』によると、全国での平屋棟数が14年では7.6%、22年には13.7%と倍近くまで上昇。いまや約7軒に1軒は平屋であることが分かっている。要因として平屋は2階以上がないことで揺れに強い建物と言われており、16年に熊本地震が発生したことでより耐久性を考慮する人が増加したことが理由に挙げられるという。

 今後の兆しとして、笠松さんは「新築 高コスパ平屋」の選択肢が増えていくのでは、と分析。「いろんなメーカーさんがチャレンジされていて地方のフランチャイズを展開しているケースも増えている。規格型の住宅なのでメーカーごとに必然的に選択肢が生まれるのでは」と解説した。

 リクルート社はこれまで住まい領域のトレンドを毎年発表。19年のキーワードは「デュアラー」、20年は「職住融合」、21年は「クラシゴト改革」と世の中の変化を見据えて、不動産業界の兆しを発表している。

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