美しさやしなやかさ、おもてなし精神を兼ね備えたレースクイーンの存在が注目度を高めている。日本最大級のカーレース「SUPER GT」（4月15～16日、岡山国際サーキットで開幕）で今季、GT500クラスに参戦する名門レースチーム「ARTA」を力強く支えるのが、「ARTA GALS」だ。レースクイーンとしての今季の意気込み、“ならでは”の強みとは。加入5年目でメンバー内では所属歴最長となる22歳、真木しおりが目指す理想像を聞いた。（取材・文＝吉原知也）

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　意外な資格を持っている真木。大型トラックの免許を保有しており、「けん引免許」の取得を視野に入れている。「“レースクイーン兼、レース車を搬入するドライバー”みたいな感じのキャラ（笑）」も狙っているという。

　個性派キャラを全開。自身の“武器”は「痛みに強いところですね。我慢を続けられます！　学生時代に体育の授業のバスケで足をひねって結局病院に行った時も、自転車で坂道で思いっきりこけて膝を痛めた時も、痛そうにして弱いところを見られるのが嫌なので、『全然』って感じで、すまし顔で過ごしました。あっ、お仕事に関係なかったですね（笑）。レースクイーン活動では、ヒール靴が痛くなった時でも、ポーカーフェースでいられます」と笑顔を見せる。

　近年、コロナ禍による活動制限の影響を受けてきたことで、今季はファンへの恩返しをポイントの1つとして据えている。

「私が加入して1年目（2019年）の時は、ファンの方との交流の機会はたくさんありました。ブースでの撮影タイムや、商品を買ってくださった方に対してのサイン会などです。当たり前だと思っていたファンサービスが、コロナの影響で2年目からなくなって、すごく寂しく思っていました。今年はそれがまた復活するのかなという楽しみがありますし、新しいファンの方とも交流していきたいです」と真摯（しんし）な思いを語る。

　そのために苦手克服を、今季取り組みたいことに掲げている。SNS発信だ。

「今年は頑張りたいです。もともとあまりツイッターやインスタグラムの更新頻度が多くなかったのですが、例えば、朝のおはようツイートなど、最低限、1日1回は何か写真を上げていきたいです。SNSに力を入れて、少しでもチームや私のことを見てくれる人を増やしていきたいです」と前を見据える。

　中学生の頃から地元でラウンドガールをしていて、高校の頃に原宿でスカウトされ、芸能界へ。「人に見られるのが好き」だ。6年前に夢のレースクイーンデビューを飾った。

　レースクイーン1人1人の魅力や個性を最大限に発揮できるように、こだわり抜いて作られたコスチューム。ただ、中には露出度が高いタイプのものもある。抵抗感といったものはなかったのか。

「私はもともと、表に出たり、自分のことを人に見てもらうことだったりに抵抗がなくて、レースクイーンというものがどういう仕事か分かった上でやりたいと思って、オーディションを受けました。なので、抵抗は全くありません。逆に言えば、露出する部分をどう鍛えるか。美意識をより向上させたい。そんな風に思っています」

　例えば、二の腕。「夏のコスチュームだと“出がち”なので。セパレートの衣装もあるので、お腹も鍛えています。1個鍛えると、ここも！　ここも！　となって。筋肉はそんなにすぐにはつかないのですが、日々工夫をして鍛錬しています！」。

　それに、ARTA GALSのコスチュームも大好きで、個人個人に合わせて作られた特別な衣装に対する思いも強い。「自分のスタイルや体のラインをよく見せてくれる、際立たせてくれる。かわいいとかっこいいの両方を兼ね備えたデザインは、めっちゃお気に入りなんです！」と、熱い思いを明かす。

　あこがれをかなえた夢舞台。「もう本当にこのチームが大好きで仕方がないです」。自分磨きを重ねながら、元気と笑顔をもたらしていく。

　2023年シーズンのARTA GALSは、真木、沢すみれ、はらことはの3人が引き続き参加。新たに今井みどり、木村理恵、藤井マリーの3人が加わり、6人体制で精力的に活動する。