平均世帯視聴率トップ7回 『どうする家康』の魅力考察、頼りない家康の覚醒と笑いと涙

松本潤が主人公・徳川家康を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)がスタートして3か月ほど経過し、これまで13話放送された。ビデオリサーチによると、関東地区の日曜午後8時の放送枠では平均世帯視聴率トップ7回、2位5回、3位1回だった。放送約3か月を振り返り、同作の魅力を考察した。

NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】
NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】

松本潤主演のNHKの大河ドラマの序盤3か月を振り返る 第14回は16日に放送

 松本潤が主人公・徳川家康を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)がスタートして3か月ほど経過し、これまで13話放送された。ビデオリサーチによると、関東地区の日曜午後8時の放送枠では平均世帯視聴率トップ7回、2位5回、3位1回だった。放送約3か月を振り返り、同作の魅力を考察した。

 まずは世代を超えて人気を集める松本が主演を務め、主人公の家康を演じることで、時代劇になじみのなかった若い世代らを含めて幅広い世代の視聴者が目を向けているはず。

 また、タイトルに「どうする」とあるように、物語に登場する家康は、信長(岡田准一)の前では萎縮するなど、優柔不断でちょっと頼りない印象。だが、第2回では、家臣に向かって自らを「武神の生まれ変わりじゃ。そなたたちのことは、このわしが守る」とさけんで敵をも圧倒した。ネット上でも「覚醒した」「カッコよすぎ」という声があふれるなど、家康が大事な時には頼りになる存在に変身する楽しさも。大河ドラマに固いイメージを抱いてした人も楽しめたはず。

 脚本は古沢良太氏が担当し、作品に笑いも絶妙なバランスで織り込まれている。代表的なのは山田孝之が演じる服部半蔵。伊賀忍者の服部一党の頭領でありながら、忍者の修業はしておらず、忍者としての身体能力は低い設定。手裏剣さえうまく投げられず、文字通り的外れな方向に行ってしまい視聴者の笑いを誘った。第13回でも古田新太が演じる白塗りの顔の将軍・足利義昭が、家康と話している最中に居眠りするなど、くすっとさせてくれた。

 一方、第11回では、瀬名(有村架純)の親友で引間城の城主・田鶴(関水渚)の最期が描かれ、視聴者の涙を誘った。「あの幸せな日々を取り戻さねばならぬ」という思いを示し、鎧に身を包んだ田鶴は、「やめよ」とさけぶ家康を前に「かかれー」とさけび、間もなく家康軍に討たれて落命した。ネットでは「つらい」「美しくて、悲しい」「ガチで泣いた」「ああ切ない」「悲しい回でした」「立派で美しい散り際」といった声であふれた。

 豪華なキャスト陣に加え、頼もしい家康に覚醒する楽しさ、視聴者の笑いを誘うコミカルな要素、涙を誘う感動シーン。これまでの13話の流れの中でバランスよく織り込まれてきた。もっと言えば見やすい作品という印象だ。これからは史実で有名な事象がいくつも登場するはず。16日に放送される第14回以降、視聴者の心をどう揺さぶるか見守っていきたい。

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