絶滅危惧種の赤ちゃんの姿、「愛くるしい毛並み」とネット歓喜 「年に1度あるかないかの報告」と専門家

「めっちゃ珍しいのだ」とSNSに投稿されたのは、国の特別天然記念物で絶滅危惧種のイリオモテヤマネコの赤ちゃんの写真。昨年から期間限定の予定で沖縄・西表島に移住している生物好きの男性が発見した愛らしい姿には、9.7万件ものいいねが集まった。当時の状況などについて男性に聞いた。

草むらで見つけたイリオモテヤマネコの赤ちゃん【写真:ツイッター(@marosennpai)より】
草むらで見つけたイリオモテヤマネコの赤ちゃん【写真:ツイッター(@marosennpai)より】

投稿者は生物が大好きで西表島に移住中

「めっちゃ珍しいのだ」とSNSに投稿されたのは、国の特別天然記念物で絶滅危惧種のイリオモテヤマネコの赤ちゃんの写真。昨年から期間限定の予定で沖縄・西表島に移住している生物好きの男性が発見した愛らしい姿には、9.7万件ものいいねが集まった。当時の状況などについて男性に聞いた。

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 2年ほど前に、YouTubeチャンネル「【ゆっくり解説】まろ先輩【いきもの】」を開設した、まろ先輩(@marosennpai)は生物が大好き。ページでは、初めて空を飛んだと言われている古代生物「コエルロサウラヴス」など、珍しい生物の生態を紹介している。

 昨年からは半年間の期間限定で、西表島に移住。沖縄で縄文時代から愛されている日本古来の血統を持つ狩猟犬の琉球犬や、沖縄だけに生息する幻のイノシシ・リュウキュウイノシシを取り上げるなど、西表島ライフを満喫している。

 投稿した写真は3月下旬に、サトウキビを刈っているときに見つけた2匹のイリオモテヤマネコの赤ちゃんの様子を撮影したもの。「キビ畑にいたイリオモテヤマネコの赤ちゃんなのだ。めっちゃ珍しいのだ」というコメントと共に配信すると、めったに見ることができない赤ちゃんの姿に「めちゃかわ」「めっちゃ貴重」「愛くるしい毛並み」とネット民が歓喜。9.7万件ものいいねが寄せられた。

 赤ちゃんだけで草むらにいる写真を見た人からは「親は近くにいたのかな?」と危惧する声も。まろ先輩は「2匹だけでしたが、発見直前に何かが逃げていく気配があったので、たぶん親猫もいたようです。人のにおいがついたらいけないと分かっていたので、1枚写真撮った後すぐその場を離れました」と状況を説明。「時間を置いてから、再び様子を見に行ったところ、赤ちゃんの姿はなかったので、大丈夫だったと思います」と話してくれた。

 イリオモテヤマネコはイエネコと違い1度の出産で2匹前後しか子どもを産まないそう。赤ちゃんを発見したことについて、野生動物保護センターの職員に伝えたところ、「イリオモテヤマネコの成体の報告はまあまああるそうですが、赤ちゃんの報告は年に1回あるかないかくらい」と聞いたと言い、貴重な瞬間に立ち会えたことを喜んでいる。

 大きな反響があったことについてまろ先輩は「かわいいと言うコメントだけでなく、『親は近くにいるのか』などイリオモテヤマネコの赤ちゃんを心配する意見が多く見られました。世間的にイリオモテヤマネコを守っていこうという意識が広くあるんだと感じました」とコメントした。

「もし、イリオモテヤマネコを発見するようなことがあったときは、人間のにおいが付くとよくないので、『生体に触れないこと』、さらに『野生動物保護センターに発見の報告をしてほしい』」と呼びかけている。

 イリオモテヤマネコの生態についての解説は、自身のYouTubeチャンネルで9日に配信する予定という。

次のページへ (2/2) 【動画】沖縄だけに生息する幻の『リュウキュウイノシシ』 内地のイノシシとの比較も
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