IWGP世界王者オカダ・カズチカに挑戦 “闘う区議会議員”西村修が明かすNJC覇者SANADAの素顔

「旅と酒を愛する好漢に追い風が吹いている」――新日本プロレス「SAKURA GENESIS 2023」(4月8日、東京・両国国技館)大会で、IWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカに挑戦する「NEW JAPAN CUP(NJC)」覇者・SANADAに兄貴分の「闘う区議会議員」西村修がエールを送った。

NJC優勝トロフィーを手にするSANADA【写真:柴田惣一】
NJC優勝トロフィーを手にするSANADA【写真:柴田惣一】

毎週金曜日午後8時更新 柴田惣一のプロレスワンダーランド【連載vol.139】

「旅と酒を愛する好漢に追い風が吹いている」――新日本プロレス「SAKURA GENESIS 2023」(4月8日、東京・両国国技館)大会で、IWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカに挑戦する「NEW JAPAN CUP(NJC)」覇者・SANADAに兄貴分の「闘う区議会議員」西村修がエールを送った。

 2人は2007年に全日本プロレスで知り合った仲。新日本プロレス、無我を経て全日本に戦場を求めた西村と同年3月にデビューしたSANADAは、年は違えども感性が似ていた。

「プロレスへの想いに加えて、人生観、趣味、ライフスタイル……2人の好みはぴったり」と西村は振り返る。「映画は007、音楽は80年代、車はキャデラック」とニヤリ。

 かつてキャデラックを愛車としていた西村に、実家の車がキャデラックだったSANADA。海外志向もあって、2人が行動をともにする時間が増えていった。同じラーメンの味にはまり、千葉県袖ケ浦市まで何度も通っている。

 一時期は都内で「糸電話を引こうか、と思ったほど」近所に住んでいた。2人の絆を物語る携帯電話事件も語り草だ。

 都内を移動中に西村はタクシーにスマホを忘れてしまった。慌ててタクシー会社に連絡したが、見つからないという。藁をもつかむ思いで、自分のスマホにコールすると「ハイ」と聞こえてきたのは、耳慣れたSANADAの声だった。

「なんで?」と困惑する西村。実はSANADAはたまたま乗ったタクシーの座席に、見覚えのあるスマホを発見し確保していた。ただ、ロックがかかっており発信はできない。そこに西村から電話があったのだ。

 何と、西村が降車したタクシーに次に乗車したのがSANADAだった。多くのタクシーが行き交う都心で、偶然が重なる幸運な出来事だった。

 SANADAは全日本からWRESTLE-1、米TNAなどを経て、16年から新日本を主戦場とした。支持を集めていたものの、センターでスポットライトを浴びることはなかった。西村は「ロスインゴに所属していても、内藤哲也選手や鷹木信悟選手にライトが当たって、SANADAは便利屋みたいだった」と歯がゆかった。それが、NJCを制し、オカダへの挑戦権も手にした。

 SANADAは髭を剃って金髪から黒髪にイメチェンを果たしてNJCに参戦しているが、実は西村が関わっている。

「スマホに残っていた昔の写真を見ていたら、SANADAの黒髪、ヒゲ無し時代のショットがあった。『このころ勢いに乗っていたね。光っていたね』とLINEで送った。すると、ほどなくしてイメチェンしたという。「もちろん、彼自身の考えがあってのこと。でも、少しだけ、彼の背中を押せたかな」と西村はほほ笑む。

 寡黙な男というSANADAのイメージだが、西村は「どちらかというと、おしゃべりの方。酒も強い。ビールは飲まずウィスキーが大好き。酒が潤滑油になって、ますます饒舌になる」とうれしそうだ。酒席をともにする機会も多く「楽しいお酒」と太鼓判を押した。

 旅好きも共通する。海外、国内を限らず、旅をとことん味わう。「時間の使い方も上手い。時には新幹線を利用せず、あえて在来線でゆったり旅時間を過ごす。酒を片手にトークに興じる」と小旅行もお手のものだ。

「今のSANADAには追い風が吹いている。自分の歩んで来た道を信じて臨めば勝てる。結果はついてくる」と激を飛ばす西村。4月23日には、4期目の当選を目指す東京・文京区議会議員選挙の投票日が控えている。「これまでの活動の通信簿となる」と神妙だが、可愛い弟分SANADAの晴れ姿がそれこそ西村の追い風となるはずだ。

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