学研の図鑑「キン肉マン『超人』」制作秘話…ゆでたまご先生からの激熱メールとは

玩具・遊具のなかま(学研の図鑑「キン肉マン『超人』」)
玩具・遊具のなかま(学研の図鑑「キン肉マン『超人』」)

今年キン肉マン連載40周年、来年学研の図鑑創刊50周年でノスタルジックな“コラボ”

 それらの超人をどう表現したのか。芳賀氏とともに編集を担当した学研の図鑑・辞典編集室図鑑チームの杉田祐樹氏(29)はこう話す。

「最近の図鑑は、写真やDVDなどの映像がメーンです。でも、1970~80年代の図鑑は写真ではなくイラストが中心。キン肉マンは今年で連載40周年、学研の図鑑も来年で創刊50周年となるので、ノスタルジックな“コラボ”をしたかった。リアルなイラストで超人たちを再現することで、キン肉マンと学研の図鑑の“親和性”がより高まると思いました」

ウォーズマンの「ベア・クロー」を実物大で表現(学研の図鑑「キン肉マン『超人』」)
ウォーズマンの「ベア・クロー」を実物大で表現(学研の図鑑「キン肉マン『超人』」)

 キャラクターのイメージを変えないために、イラストはできるだけ忠実に再現することを目指した。原作をスキャンして、線画はコミックスのまま。“図鑑風”の彩色にするため、質感や色の雰囲気をイラストレターに細かく指示した。パルテノン神殿の柱では、実際のパルテノン神殿の写真を添付したり、貝の超人の場合には、まずは貝の種類を決め、実際の貝の写真を添付した。それらすべてを、ゆでたまご氏が再度チェック。「この赤紫は単なる赤紫ではなく、アリザリンレッドです」「防具をきている超人のコルセットの結び目はクロスではなくて、横糸で結ばれています」などと、細かく赤字が入った。

岩石・鉱物のなかま(学研の図鑑「キン肉マン『超人』」)
岩石・鉱物のなかま(学研の図鑑「キン肉マン『超人』」)

 さらに、これまで名前だけだった超人に“魂”が吹き込まれる。

「“超人募集”のコーナーに登場しただけで、どういう背景を持ち、どういう超人なのか、知らないものもたくさんありました。そうした超人も、ゆでたまご先生とライターさんが打ち合わせをしながら、身長、体重、超人強度、出身国などのプロフィールを新たに付与していったんです。ファンの人からも『あっ、実はそういう超人だったんだ』『俺が昔考えた超人はスペイン出身なんだ』という反応を頂きました」(芳賀氏)

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