「私は負けず嫌い」 注目の若手女優・中村ゆりか、フィギュアスケートの挫折をバネに役者と歌手の道へ

昨年11月に歌手デビューした俳優の中村ゆりかが、今月1日にファーストEP『Moonlight』をリリースした。2011年、俳優デビュー作の短編映画『5windows』で主演。その後、シリアスからコメディーまで幅広く役を演じてきた彼女が、歌手として描く夢とは。

音楽活動をはじめたきっかけを語った中村ゆりか【写真:冨田味我】
音楽活動をはじめたきっかけを語った中村ゆりか【写真:冨田味我】

歌手デビュー決心の理由「新しい一歩を踏み出すなら今がチャンス」

 昨年11月に歌手デビューした俳優の中村ゆりかが、今月1日にファーストEP『Moonlight』をリリースした。2011年、俳優デビュー作の短編映画『5windows』で主演。その後、シリアスからコメディーまで幅広く役を演じてきた彼女が、歌手として描く夢とは。(取材・文=福嶋剛)

誰もがアッと驚く夢のタッグ…キャプテン翼とアノ人気ゲームのコラボが実現

――中村さんは、幼少期から歌うことが好きだそうですね。

「はい。母がレストランでピアノを弾いていたので、家でも母の伴奏で歌ったり、カラオケもよく行っていました。倉木麻衣さん、大塚愛さん、YUIさんなど、CDを買って歌詞カードを見ながら『どういう意味なんだろう?』と、想像を膨らませながら曲を聴くのが楽しみでしたね」

――では、音楽の道に進まず、役者の道を選んだ理由とは。

「中学1年生のとき、学校行事で初めて行った渋谷でスカウトされ、今の事務所に入りました。そして、最初にいただいたお仕事がお芝居だったので、役者の道を極めようと思いました」

――「役者一本でやっていく」は、とても強い決意に感じます。

「実は子どもの頃からフィギュアスケートをやっていて、いつか大会に出たいと思って頑張っていました。ですが、足首が弱くてケガばかりしていたので、治療しながら続けていましたが、結局、辞めてしまいました。私は負けず嫌いなので、そのときの悔しさがずっと残っていて……。やはりお芝居の世界も生半可な気持ちで通用しないので、周りに認めていただけるまでやり続けると心に決めていました。ですので、今回のお話があるまで歌うことはまったく考えていませんでした」

――今回、歌おうと決心した理由とは。

「2019年にシンガーソングライターのCHIHIROさんのMV(『失恋のあと』)に出演したことがきっかけで、“ちいちゃん”と呼ぶくらいの仲になりました。いろいろなお話をしているうちに『音楽をやってみない?』と声をかけていただきました。戸惑いもありましたが、ありがたいことにレコード会社さんからもお話をいただき、『新しい一歩を踏み出すなら今がチャンスだ』と思い、決心することができました」

――ミニアルバムに収録された4曲はどれも「愛」「恋愛」がテーマです。

「私は恋愛話が大好きなんです(笑)。友達と会うと恋バナばかりしていて、友達の恋愛相談に乗ってあげることも多いので、『女の子の味方になって、歌で恋のエールを送ることができたらいいな』って思ったんです。それでちいちゃんに恋にまつわる4曲を用意してもらいました。1曲目の『浮ついたHeart』は、失恋しても強く生きようとする女の子、2曲目の『Lovely Baby』は、好きな相手へのいとおしさが爆発するような歌、3曲目の『分かっていても』は失恋して未練が残る女の子の心の内を歌っていて、4曲目の『Positive』は自分らしく前を向いて進めばどうにかなるさという歌です」

――アルバムタイトル『Moonlight』に込めた思いとは。

「私にとってお月様は暗闇の中を照らして心を温めてくれる存在で、恋に悩む女の子たちに歌で光を照らしてあげられたらいいなって、そんな思いを込めて『Moonlight』にしました。ジャケット写真のイメージも男の子がちょっと入れなさそうな(笑)、女の子が好きなイメージを考えて、私のお気に入りのパープルの色合いで撮影してもらいました」

――歌は、中村さんにどんな変化をもたらしましたか。

「もともと自信がなく、人見知りだった私を救ってくれたのはお芝居でした。初めの頃は撮影現場で相手にどう見られているのかを気にしてばかりでしたが、お芝居を通じて自然体の自分でいられるようになりました。そして、コロナ禍になって辛いことが重なってしまい、落ち込む場面が多くなったときに今度は歌が救ってくれました。音楽という新しい表現が生まれて、新しい出会いも増えたことでお芝居にも新鮮さが戻ってきて、今はとても良いバランスです。音楽は私にとっての駆け込み寺ですね(笑)。そして、いつかライブをやりたいです。みなさんに直接歌をお届けるワクワク感を早く味わってみたいです」

□中村ゆりか 1997年3月4日、神奈川県生まれ。2011年、俳優デビュー作の映画『5windows』で主演。15年にはNHK連続テレビ小説『まれ』に出演。近年では、20年「ギルティ」23年「天使の耳」NHKBSにて3月20日放送予定。19年、シンガーソングライター・CHIHIRO『失恋のあと』のミュージックビデオに出演したことがきっかけでアーティスト活動を志し、22年11月、デジタルシングル『浮ついたHeart』で歌手デビュー。今年3月1日、初のEP『Moonlight』をリリース。趣味は映画鑑賞。156センチ。血液型O。

次のページへ (2/3) 【写真】中村ゆりかのインタビューショット
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください