竹中直人監督・斎藤工主演で2023年3月17日に公開された映画『零落』の公開記念舞台あいさつが18日に東京都内で行われ、監督の竹中と本作に出演の斎藤・MEGUMI・主題歌を担当した志磨遼平（ドレスコーズ）が登壇した。

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『零落』は浅野いにおの同名漫画を原作に、竹中がメガホンを取った。

「零落という本を立ち寄った本屋さんで手にして、めちゃくちゃいいなと思いました。これは絶対映画化しないといけない、夜の歩道橋をバックに『零落』という文字が浮かんだらどんなに綺麗だろうと思ったそのイメージで撮った映画です」と映画化のきっかけを話した竹中は、「直感的に浮かんだ俳優たちに集まってもらって、皆の声色・音色がいい具合に積み重なって一つのハーモニーになって、浅野いにおさんという1人の観客に向けて、いにおさんとセッションするような感覚で作ってこれた映画だと思います」と映画に込めた思いを語った。

　撮影現場ではスケジュールが伸びるどころか、「まいてばっかり」だったことを聞かれた竹中は、「スタッフに無駄な労力はかけさせたくないっていうか、普通の人間らしく無理はさせたくなくて」と自身の考えを話す。

「監督のこだわりで『はいもう1回、もう1回』ってカメラ何台も回って、『もうどれも一緒だよ』なんて思いながら……朝までかかってっていう信じられない現場も（映画界には）多いんで、スタッフもヘロヘロになっちゃうそういう現場は絶対避けたかったんです」とロケの“ホワイト”ぶりを明かした。

　イベントでは、20日に67歳の誕生日を迎える竹中に斎藤から花束が贈られるサプライズ演出も。「めっちゃ恥ずかしいじゃん！　やだやだ恥ずかしい！」とはしゃぎながらも斎藤から花束をもらい、「まさか自分が67になるなんて思ってもいなかったです。本当にすてきなメンバーとスタッフに恵まれて、零落という作品に向き合えて一生忘れないでしょうね。おじいちゃんになっても絶対忘れないことだと思います（笑）」とユーモアを交えながら素直に感想を語っていた。