花粉症シーズン悩みのタネ、部屋干し“臭い退治” 柔軟剤活用…スペシャリストが伝授

花粉症シーズン到来で、悩ましいのが衣類の洗濯だ。花粉を室内に持ち込ませないように、衣類に付着させないように、部屋干しを考える人もいるだろう。一方で、部屋干しはどうしても臭いが出てしまう難題が付いて回る。洗剤や柔軟剤選び、干し方のちょっと役立つコツについて、国家資格「臭気判定士」の資格を持つ“においのスペシャリスト”で、消臭剤メーカーで商品開発を担当する望月幸之介さんに聞いた。

花粉症シーズン到来で部屋干しは悩みのタネだ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
花粉症シーズン到来で部屋干しは悩みのタネだ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

国家資格「臭気判定士」を持つ“においのスペシャリスト” 除湿器・暖房モードも「有効」

 花粉症シーズン到来で、悩ましいのが衣類の洗濯だ。花粉を室内に持ち込ませないように、衣類に付着させないように、部屋干しを考える人もいるだろう。一方で、部屋干しはどうしても臭いが出てしまう難題が付いて回る。洗剤や柔軟剤選び、干し方のちょっと役立つコツについて、国家資格「臭気判定士」の資格を持つ“においのスペシャリスト”で、消臭剤メーカーで商品開発を担当する望月幸之介さんに聞いた。

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 望月さんは創業40年を迎えた「株式会社ハル・インダストリ」(静岡市)に勤務。社内でトップシークレットである秘伝の“原料レシピ”を知る1人で、主に研究・開発を受け持っている。

 花粉症対策の原則として、「私は花粉症の専門家ではないですが、花粉を家に持ち込ませないことが大事になると思います。窓を開けず、空気清浄機を使用して室内で過ごす人も多いでしょう。洗濯の面では、部屋干しが効果的だと考えられます」と言及する。

 ただ、臭くなりがちなのが、そもそもの部屋干しの悩みでもある。望月さんは「部屋干しの臭いの原因は、菌です。この菌が増えないようにするのが大切です」とし、根本解決として3つの観点からアドバイスを送る。

消臭剤メーカー「株式会社ハル・インダストリ」で研究開発を担う「臭気判定士」の望月幸之介さん【写真:株式会社ハル・インダストリ提供】
消臭剤メーカー「株式会社ハル・インダストリ」で研究開発を担う「臭気判定士」の望月幸之介さん【写真:株式会社ハル・インダストリ提供】

 まずは洗剤選びだ。「部屋干し用、生乾き対策と書かれている洗剤は防臭効果が見込めるでしょう。この中身を見ていくと、特別な酵素が入っている商品が最近増えています。この酵素が、菌のエサとなる皮脂などの汚れ、そして菌自体を分解する機能を持っています。酵素入りかどうかが、1つの目安になると思います。企業によっては酵素の成分を公開しているので、調べてもらうとよいでしょう。また、中性の洗剤は汚れを浮かせて落とすのに対して、弱アルカリ性の洗剤は汚れを分解して落とす作用が強いので、後者の方が洗浄力は高いと考えています」

 次に、柔軟剤の活用だ。望月さんは「そもそも柔軟剤は何をしているのかと言うと、衣類の表面をコーティングしています。界面活性剤の成分で、コーティングに加えて、静電気を逃がす作用もあります。花粉やほこりが衣類に付きにくくなるというメリットがあります。花粉のシーズンは、柔軟剤を使っていただくと、外に出ても花粉を家の中に持ち込むことを防ぐ一定の効果があると考えています」と説明する。

 そのうえで、「ただ、柔軟剤は業界として香りを強調する動きがあります。『香りを付けたくない』という方もいらっしゃると思います。香水を付け過ぎてしまうように、柔軟剤も用量を多くしてしまうと、自分では気付かないうちに他人からは気になるぐらいの香りが付いてしまうこともあります。この点は少し注意したいところですね」と教えてくれた。

 そして、干し方だ。「ちゃんと空気を通してあげることが大事になります。そもそも干すという行為は、空気中に水分を逃がすということです。一方で、部屋の中で干していると、空気の中に溶ける水の量がいっぱいになり、飽和してしまいます。そこで、吊るし方の工夫も重要ですが、エアコンの暖房モードや除湿モード、それに除湿器を駆使することが有効かなと考えています」と話す。望月さん自身、除湿器を今年から導入。職業柄、同僚の着ている服について部屋干ししたのか、外で干したのか分かるぐらいの嗅覚を持ち合わせる望月さんは「部屋干し臭の発生率が下がったので、個人的にオススメしています」と、イチオシの活用法を教えてくれた。

 あらためて、望月さんは「花粉症対策として少しでも快適に過ごせるようなグッズは多くあるので、自分に合ったものを探して選ぶことも1つの方法です。それに、私自身、研究者として、花粉症シーズンでも快適な生活を送れるような商品の研究・開発を進めていきたいです」と話している。

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