米倉涼子が国際霊柩送還士役でアマプラドラマ主演 働く理由で見せた複雑な思い

俳優の米倉涼子(47)がAmazon Originalドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(3月17日配信開始)に主演する。異国で亡くなられた遺体を母国の遺族の元に届ける会社を経営する国際霊柩送還士を演じる。米倉と同社の新人社員役の松本穂香(26)が本作について語った。

「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」に出演する松本穂香(左)と米倉涼子【写真:荒川祐史】
「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」に出演する松本穂香(左)と米倉涼子【写真:荒川祐史】

約10年前に原作を読んでいた 「まさか自分が読んだあの本が」

 俳優の米倉涼子(47)がAmazon Originalドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(3月17日配信開始)に主演する。異国で亡くなられた遺体を母国の遺族の元に届ける会社を経営する国際霊柩送還士を演じる。米倉と同社の新人社員役の松本穂香(26)が本作について語った。(取材・文=平辻哲也)

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『ドクターX ~外科医・大門未知子~』シリーズをはじめ、ドラマや映画に主演し、ブロードウェイの舞台でも成功を収める米倉。バッサリと髪を切り、俳優人生史上最短のへアスタイルで挑むのは、海外で亡くなった日本人や、日本で亡くなられた外国人の遺体を母国へ搬送する国際霊柩送還士・伊沢那美だ。

 佐々涼子氏が第10回開高健ノンフィクション賞を受賞した原作『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』を、『コンフィデンスマンJP』シリーズや、大河ドラマ『どうする家康』の古沢良太氏と、『ドクターX―』シリーズや『緊急取調室』シリーズの香坂隆史氏が脚本化した。第1話はフィリピンを舞台にしたスケール感たっぷりの感動ドラマに仕上がっている。

 米倉は10年ほど前に原作を読んでいたそうで、「まさか自分が読んだあの本がドラマ化? と思いましたが、記憶がつながって、うれしくなってしまいました。脚本も素晴らしく、(制作サイドからは)アメリカ式のライターズルームというチームを組んで脚本を作っていると伺って、熱意を感じました」と話す。

 国際霊柩送還を行う会社「エンジェルハース」の新人社員を演じる松本は「こういうお仕事があるんだという驚きがありました。今までにないテーマだったので、どんなものになるのかという期待がありました」と話す。

『ドクターX』の大門未知子役を始め、数多くの当たり役を持つ米倉だが、本作は実在の国際霊柩専門会社の社長がモデル。羽田空港でのクランクイン初日は、その社長が立ち会う中での撮影となったという。

「羽田空港の中に会社があるんですけれど、その方が派手な服でいらっしゃって、もうエネルギーバチバチ(笑)。『私の役をちゃんとやってよ』みたいなイメージだったので、それで背中を押していただいた。お母さんみたいな方なのですが、ご本人がいてくださったので、少しほっとしましたね。こんなことは初めてかも」。一方の松本は「初日はすごく緊張していて、探りながら……という感じだったのですが、米倉さんは那美社長そのものでいらっしゃって、すごいなと思いました」と振り返る。

 米倉は撮影初日はもちろん緊張したと語るが、実はこの取材前日の方が緊張で眠れなかったという。「この作品についてしっかり伝えないといけないと思うと、なかなか眠れなかったですね。これはフィクションではありますが、実在する人物や会社を元にした話だから、作品を見てもらう前に間違って伝えてしまってはいけないと思ってしまったので。ただ、みなさんがいてくださるので、困ったら、助けを求めればいいと思っていましたが……」と話す。

 物語はドラマオリジナルのフィクションだが、国内外で亡くなった人たちを弔うために奔走する女性社長という、自分が演じる役のモデルとなった人物がいたことでいつも以上に気を遣いながら演じたようだ。

「その方の個性がものすごく強くて、何回もお会いして、お話しながら、その振る舞いを見ているとなんとなく(役が)降りてくる感じがしました。いつも包み隠さず話してくださるし、お母さんみたいな安心感あるし、女子でパワフル。誰にも負けたくない感じで、最初は現場にも顔を出してくださったので、すごく参考になりました」と明かす。松本は「濃いキャラの社員たちに揉まれて、成長していく役だったので、あまり色をつけず、そこにいる、ということに努めました」。

 松本とは初共演だが、女優としての姿勢、立ち居振る舞いは刺激にもなった。

「私は、思ったことはすぐに相手に届いてほしい、と思ってしまうタイプ。『動』なんですね。一方、彼女は静。一つの小さな動きの中に感情を入れ込んで、震え、動き、表情の違いで見せる人だな、と。テクニックではなく、心から表現されている。もう少し呼吸をゆっくりすれば、ああいう芝居ができるのかなと考えちゃうぐらい、自分を見つめ直さなきゃいけないなと思いました」(米倉)

 2人にとって働くとは何か?

「自分を保つため。自分探しかな。何にもなくなっちゃったら、自分は何なんだろうと思う時、働くためにいるのかなと思ったこともある。じゃあ、何も働くところがなくなったら、自分はなんのために生きているのか。役の印象が強すぎると、(実際の)私の性格はそうじゃないから、複雑なこともあるんですけど……。それに向かうということが生きることになっているのかな」(米倉)

「働くというのは、人と関わること。おそらく私は働いてなかったらずっと家にいて、人と関わることがない気がするんです。うまく言えないですけど、お仕事をしていくことは、つながりであり、何かのご縁だなと思うので、大事にしていきたい。『また一緒に働きたい』といってもらえるのが喜びです」(松本)

「エンジェルフライト」はさまざまな環境で命を落とした遺族を弔う国際霊柩送還士の姿を通じて、仕事、生きることを見つめ直すドラマになっている。

□米倉涼子(よねくら・りょうこ)1975年8月1日生まれ、神奈川県出身。主なドラマに『武蔵 MUSASHI』『松本清張 黒革の手帖』『ドクターX~外科医・大門未知子~』『35歳の高校生』『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』『新聞記者』など。2012年にはブロードウェイ・ミュージカル『CHICAGO』でアジア俳優として初の主演を務めた。

□松本穂香(まつもと・ほのか)1997年2月5日生まれ、大阪府堺市出身。主な映画に『おいしい家族』『わたしは光をにぎっている』『みをつくし料理帖』。ドラマに『ひよっこ』『この世界の片隅に』など。

▼作品情報
タイトル:『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』
配信日:Prime Videoにて3月17日(金)より独占配信
キャスト:米倉涼子 松本穂香 
     城田優 矢本悠馬 野呂佳代 織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.) 鎌田英怜奈
     徳井優  草刈民代 向井理 遠藤憲一 ほか
原作:佐々涼子「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(集英社文庫刊)
脚本:古沢良太 香坂隆史
音楽:遠藤浩二
監督:堀切園健太郎
制作:NHKエンタープライズ

誰もがアッと驚く夢のタッグ…キャプテン翼とアノ人気ゲームのコラボが実現

作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B66GL9PH
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