劇的V字回復に成功…サンシャイン水族館の快進撃が止まらない理由を館長に直撃
今後の目標は来館者数200万人突破と「動物福祉」
――今後の展望を教えてください。
「水族館の意義というのは、生き物に対して『種の保存』、『調査・研究』、『教育、環境教育』、そして『レクリエーション』があります。レクリエーションという部分は引き続き、持ち続けていなきゃいけなく、今後もお客様が行きたくなる施設であり続けるために、楽しんでいただける企画やその発信は変わらないと考えます。とはいえ、見世物小屋では決してないわけですから、生き物にとって単純に負荷をかける施設ではいけない。今は『動物福祉』というところもとても重視されており、これからはよりそちらのほうにも力を入れていけるなと思っています。水族館を継続するためにも、経済価値という部分だけじゃなくて、非経済的ではありますけど、社会的意義により注力していきます。今まで積み上げてきたレクリエーション的要素は向上させながらも、その他の3つの意義についてもより取り組んでいく必要があります。自然から預かった命をどういう風に扱っていくか、今まで以上に注目されていきます。生き物にとってもより良い施設にしないといけないと思っています」
――集客の話に戻りますけど、いつか来館者数で200万人を超えたいですか?
「200万人、もちろん、超えたいです。ただ、大型水族館ではなくて、ビルの屋上にある限られた床面積の中での200万人って、197万人を経験したからこそ分かるんですけど、キャパシティとしてはいっぱいと言えば、いっぱいであります。新しい何かの形で床面積を増やすような必要があるのか、それとも比較的お客様の少ない朝や夜にお越しいただける工夫をしていくのか、様々な角度からお客様に満足いただける水族館を考えながら200万人を目指したいですね」
□丸山克志 1964年生まれ。東京水産大学(現東京海洋大学)卒業後、株式会社サンシャインエンタプライズに入社。飼育・展示スタッフとして長年魚類を中心に担当。91年のしながわ水族館オープンや、2011年のサンシャイン水族館リニューアルに携わり、15年にサンシャイン水族館館長に就任。