銭湯の浴槽に異物混入…入浴施設で相次ぐマナー違反 弁護士「業務妨害罪の可能性も」

飲食店での迷惑行為が話題になっている中、関西地方にある銭湯の浴槽内に、家庭用の入浴剤を入れた客がいたことが分かった。市販の入浴剤については、アレルギー体質の人から「自分アトピーで市販の入浴剤はほぼ使えなくて、肌荒れするので怖いです。弱い人にはガチのテロですよ」などの切実な声も寄せられている。ENCOUNTが愛知県内の銭湯の店主に取材すると、同様の被害があるほか、ほかにも“勝手にゆず湯”など客のマナー欠如に頭を抱える現状が浮き彫りになった。

銭湯で客が勝手に入浴剤を入れる迷惑行為が発覚(写真はイメージ)【写真:写真AC】
銭湯で客が勝手に入浴剤を入れる迷惑行為が発覚(写真はイメージ)【写真:写真AC】

入浴剤にゆずの実… 全国の銭湯でも同様の行為が発覚

 飲食店での迷惑行為が話題になっている中、関西地方にある銭湯の浴槽内に、家庭用の入浴剤を入れた客がいたことが分かった。市販の入浴剤については、アレルギー体質の人から「自分アトピーで市販の入浴剤はほぼ使えなくて、肌荒れするので怖いです。弱い人にはガチのテロですよ」などの切実な声も寄せられている。ENCOUNTが愛知県内の銭湯の店主に取材すると、同様の被害があるほか、ほかにも“勝手にゆず湯”など客のマナー欠如に頭を抱える現状が浮き彫りになった。

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 身体が縮こまりがちな寒い日。湯船に浸かってゆっくりすると、心身ともに軽やかになる。癒やしの時間をもたらす公共の入浴施設「銭湯」で、客の身勝手な行為が発覚した。浴槽に家庭用の入浴剤を入れる、というあってはならない迷惑行為。投稿はネットで拡散し、全国の複数の銭湯も反応した。

 その中の一つ、平田温泉(名古屋市東区)に話を聞いた。ロビーをギャラリーとして開放するなど、街のオアシスとして親しまれ、ランナーの利用も多い銭湯だ。幅広い世代が気持ちよく利用できるよう、店主は店舗内の清掃など衛生管理に努めている。

 捨てられたごみもたまらないようにと配慮を欠かさないが、ここ最近、家庭で使う固形の炭酸入浴剤の袋が捨てられていることを見て、驚いたという。

「家庭でご使用になる入浴剤が入れられた可能性が何度かありました。冬至の時期には、ゆずの実を勝手に浮かべて帰る人もいる。施設側がゆずを入れる場合は、果実がつぶれた場合を考え、種などが広がらないように、袋の中に入れるなどの対策をしますが、実のまま浮かんでいました。つぶされた実が排水管などに詰まる恐れがあるので、見かけたらすぐ番台に教えてほしい」と切実だ。

 サウナの流行などで、若年層も利用することが増えた銭湯。脱衣所から入場したら身体を洗ってから浴槽に入る、洗い場では洗髪時などに周囲にしぶきがかからないようにする。浴槽内では髪が湯船に浸からないよう、ゴムひもなどで結ぶなどのマナーを呼びかけてきたが、逸脱した客の行為に驚きを隠せない。

 客の迷惑行為についてレイ法律事務所(東京都文京区)の河西邦剛弁護士は「まず公衆浴場法があり、『公衆浴場の管理者は、不衛生な行為をする者に対して、その行為を制止しなければならない』と定めています。しかし、マナー違反かそれとも法律違反になるかの線引きは明確ではありません。設備破壊につながるような行為については、違法行為と言える可能性が出てきます。例えば、『ゆずの実を勝手に浮かべると排水管が詰まるので止めてほしい』と掲示があるのに、それを無視して破壊させた場合は、民事の損害賠償の問題になる可能性は十分にあります。店舗側には施設管理権がありますので、禁止行為を定めたり、違反する利用者に退場を求めたりすることもできます。悪質な場合には業務妨害罪で刑事告訴という可能性もあるでしょう」と話している。

レイ法律事務所の河西邦剛弁護士
レイ法律事務所の河西邦剛弁護士

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