俳優の福原遥がヒロイン・梅津舞を演じるNHKの連続テレビ小説『舞いあがれ！』（月～土曜午前8時）。物語は東大阪や五島列島を舞台に、舞が空への夢に向かって奮闘する姿を描く。16日に第115回が放送され、ついにさくら（長濱ねる）の夫・むっちゃんが姿を見せた。これまで劇中、何度も、むっちゃんという愛称は登場していたが、実際に姿を見せたことはなかった。正式な人物名は椿山修。長崎県出身の俳優・前原瑞樹が演じた。NHKの制作統括・熊野律時氏に前原の起用理由やこれまで登場しなかった理由などを聞いた。

「短い出番の中でも印象的に面白くお芝居を見せてくれる方というのが必須でした。前原さんは役と同様に舞台となる長崎ご出身ということもあり、また、ユニークなキャラクターで舞台でも活躍されている方。わずか数シーンですが島にいそうな感じとちょっとクセのあるユニークな感じを絶妙なあんばいで演じてくださいました。ああ、むっちゃんはこの人、と仕上がりを見てしっくりきました。ちょっと個性的で、普通の枠にはまらない行動をしそうだなと感じさせる役を魅力的に演じていただけたと思います。さくらともすんなりなじむ感じでした」

　1月26日放送の第80回では、オープニングの役名紹介で、さくらの姓が山中から椿山に変わったことで、遠距離恋愛の恋が実り、夫婦になったことをうかがわせていた。だが、むっちゃんが姿を見せることはなかった。これまでSNSでは、むっちゃん実在しない説や想像上の人物か、などと話題となっていた。姿を見せなかった狙いはどこにあったのか。

「さくらとは遠距離恋愛ということで、いつ出てくるのかと、脚本家の桑原亮子さんと折に触れて話はしていましたが、なかなか姿が見えてこないというのも、それはそれで面白いのではないかという話もしていました。いつ出てくると決めていたわけでもないですし、綿密に計画的にというよりも、しかるべき時に登場したらいいかなという感じで制作していました。ご説明できるほどの深い意図はないんです（笑）」

　妻役の長濱との現場でのコンビネーションはどうだったのか。

「同じ長崎出身。同郷の人ということで、すぐになじんで楽しくお芝居をされていました」