“破壊王”橋本真也さんの息子・大地が目指す意外な二刀流 目指すは爬虫類ブリーダー

“破壊王二世”橋本大地が、意外なもう一つの道を着々と進めている。

橋本大地は爬虫類への想いを熱く明かした【写真:柴田惣一】
橋本大地は爬虫類への想いを熱く明かした【写真:柴田惣一】

毎週金曜日午後8時更新 柴田惣一のプロレスワンダーランド【連載vol.133】

“破壊王二世”橋本大地が、意外なもう一つの道を着々と進めている。

 父・真也さんと同じプロレスラーとして2011年にデビュー。現在は大日本プロレスで活躍しており、団体の金看板・BJW認定世界ストロングヘビー級王座にも二度、君臨している。

 キャリア10年を超え、まさに円熟期を迎えたが、リング外では趣味を極めようとしていた。サンリオのキャラクターに加えて、動物好きでも知られている大地。飼うだけでは物足りず、ブリーダーになるための修行に取り組んでいるのだ。

 しかも犬や猫かと思いきや、爬虫(はちゅう)類。自宅でカメ、トカゲ、ヘビ、ヤモリ、カエルなど、50匹近い爬虫類を中心とした動物たちと同居している。元々、昆虫を愛する少年だったが、5年前に大日本の自らを「元祖爬虫類レスラー」と称する関札皓太に連れられ、爬虫類カフェを訪れたことで、爬虫類LOVEが爆発。次々と爬虫類の”同居人”が増えていった。

「かわいくて仕方ない。なかなかわかってもらえないかも知れないけど、皆さんにも爬虫類の良さを知ってほしい。そのためにもブリーダーとなって、皆さんが爬虫類と接する機会を増やしていきたい」と目を輝かせる。

 昨年3月から都内の爬虫類カフェに勤務。実務経験を積みながら、11月の愛玩動物飼養管理士試験にも見事に合格。念願のブリーダーに着実に前進している。

 ただ勤務中の爬虫類カフェが今年3月に閉店することになり「今後のことは全くの未定」という。とはいえ、爬虫類への熱い想いはみじんも揺るがない。

 父・真也さんは2・21東京ドーム大会で引退する武藤敬司、タレントとして活躍する蝶野正洋とともに闘魂三銃士として、一世を風靡(ふうび)。1990年代の新日本プロレスを支え、ZERO1を立ち上げるなど、プロレス界に大きな功績を残したうえで、2005年7月に亡くなった。40歳での急死は大地にとってもショッキングな出来事だった。

 30歳とプロレスラーとして円熟期を迎えている一方で、ブリーダーの修行に取り組むのは「引退後のことを考えて」だという。父の急逝が影響しているのかも知れない。

「この子を飼いたい」とカメに恋して始まった大地の爬虫類LOVE。爬虫類と戯れていると、時間を忘れてしまうそうだ。まさに至福の時。「見ていて飽きない。動作の一つひとつが本当に愛くるしい」と目にハートマークが浮かんでいる。

 犬や猫よりも世話に手間もかからない。「トカゲの形が好き」というから、もはや誰にも止められない。

 プロレステーマ曲は数ある中で、名曲に挙げられる「爆勝宣言」で入場する大地。亡き父の入場テーマ曲でもある。「爆勝宣言を使えるのは大地だけですから」と、大日本の登坂栄児社長が言う通りだが、これだけで会場の雰囲気が一気に熱くなる。

「あの曲はいいよね。人の入場曲だけど、聞こえると控室にいても、闘争本能が刺激されるというか何か盛り上がるよ。本当はオレもああいう曲が良かったなぁ」というひそかな(?)ファンのレスラーも多い。

 リング上では激しいDDT、厳しいキックと父・真也さんを彷彿とさせる破壊王二世が、リングを離れれば、爬虫類ブリーダー。何とも破天荒な二刀流を目指す橋本大地から、ますます目が離せなくなった。

次のページへ (2/2) 【写真】鋭いエルボーを放つ橋本大地
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