市川実日子、意外な連ドラ初主演にも「ポジション気にしない。そもそも振り返らない」

女優の市川実日子が、BS東急松竹の連続ドラマ『A Table!~歴史のレシピを作ってたべる~』(毎週月曜・午後10時30分)に主演した。歴史料理研究家・遠藤雅司のレシピ本『歴メシ!決定版 歴史料理をおいしく食べる』が原案で、連続テレビ小説『花子とアン』や映画『偶然と想像』などで注目の中島歩と共演。「連ドラ主演は初めて?」と聞くと、意外な答えが返ってきた。

インタビューに応じた市川実日子【写真:荒川祐史】
インタビューに応じた市川実日子【写真:荒川祐史】

初主演も「(どのポジションでも)あまり変わらないような気がします」

 女優の市川実日子が、BS東急松竹の連続ドラマ『A Table!~歴史のレシピを作ってたべる~』(毎週月曜・午後10時30分)に主演した。歴史料理研究家・遠藤雅司のレシピ本『歴メシ!決定版 歴史料理をおいしく食べる』が原案で、連続テレビ小説『花子とアン』や映画『偶然と想像』などで注目の中島歩と共演。「連ドラ主演は初めて?」と聞くと、意外な答えが返ってきた。(取材・文=平辻哲也)

 ドラマは吉祥寺から徒歩20分のところに住む、主人公・藤田ジュン(市川)とその夫・ヨシヲ(中島)の夫婦。ジュンは大学の史学部の職員として働いている。その大学の教授から「歴史書の中にあるレシピ」を教えてもらい、夫と一緒に料理を作っていく……。

「西洋史の教授から、文献をひも解いて作った歴史上の人物のレシピを教えてもらって、料理を作ってみようとなるんですけど、ご飯を作ることで、その人物のことや時代背景を知り、だんだんと楽しい時間になっていく。それが夫婦にとっても大切な時間になっていくんですね。ジュンは『自分は平凡』と思っていて、夢を諦めたところもあるのですが、生き生きした女性に出会い、刺激を受けます。歴史に触れることで、気づくこと。ひとと触れることでの気づき。歴史・夫婦・家族・自分と、いろんな時間の流れが描かれています」

 劇中で出てくるのはマリー・アントワネット、カエサル、ソクラテスら歴史上の人物が食したとされるグルメ。「12話あって、毎回3、4食出てくるので、結構ありますね。美味しいということだけでなく、時代や土地によって食材が変わっていくのも感じられたり、面白いです。料理ですか? 撮影に入ると、お弁当が多くなってしまうので、(プライベートも)時間がある時は自分で作るようにしています。スープ一品でも、作ると違うんですよね」

 近年は「シン・ゴジラ」での環境省の職員役などが印象深い市川。フィルモグラフィーを見ると、テレビの連続ドラマの主演はない。

「配信ドラマ(『それ忘れてくださいって言いましたけど。』22年)の主演はありました。でも自分の中では、(どのポジションでも)あまり変わらないような気がします。そもそもあんまり振り返らないかもしれません。なので、インタビューで聞かれたり、賞をいただいたりすると、振り返る機会になるので、ありがたいです」と話す。

 ドラマの監督は、マーティン・スコセッシやポン・ジュノ、ジョン・ウーなどの助監督を務め、ドラマ『名建築で昼食を』や、第57回ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞、第8回ATP上方番組大賞グランプリを受賞した『ちょこっと京都に住んでみた。』(テレビ大阪)の吉見拓真氏。

「監督には、疑問に思ったことはすぐに聞きました。わかりやすい説明を極力排除される監督だったので、時々『ここだけはもう少し説明した方がいいかも』みたいなことは相談していました。(映画、ドラマ、配信などのメディアの)違いはあまり考えないかもしれません。でも、撮影の時間の流れ方は違いがあって、ドラマは少し慌ただしいように思います。今回の現場ではだんだんコツをつかんで、チームになっていくのを感じました。スタッフの方々が真剣に仕事に向き合う姿を目撃する度、私は私の仕事を頑張ろうと思っていました」。これからも、マイペースに市川らしく活躍してくれそうだ。

□市川実日子(いちかわ・みかこ)1978年6月13日生まれ、東京都出身。雑誌「OLIVE」のモデルとして活動しながら、映画『blue』(2003年)で第24回モスクワ国際映画祭の最優秀女優賞に輝き、『シン・ゴジラ』(16年)では、第71回毎日映画コンクール女優助演賞、第40回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を獲得。近年では、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ/21年4月)、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK/21年度後期)など話題作に出演。

スタイリスト:谷崎彩
ヘアメイク:秋鹿裕子

次のページへ (2/2) 【動画】『A Table!~歴史のレシピを作ってたべる~』の紹介映像
1 2
あなたの“気になる”を教えてください