ネクストブレーク俳優・井上祐貴を本気にさせたダンス講師の一言「気持ちでぶつかっていない」

『ウルトラマンタイガ』(2019年)で主演を務め、フジテレビ系連続ドラマ『silent』などの話題作に出演する井上祐貴(26)がファースト写真集『井上祐貴1st写真集 いま』(KADOKAWA)を発売した。芸歴4年、ネクストブレークの注目株が“いま”と“過去”を語った。

インタビューに応じた井上祐貴【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた井上祐貴【写真:ENCOUNT編集部】

デビューのきっかけは「ちょっと行ってみるか感覚」

『ウルトラマンタイガ』(2019年)で主演を務め、フジテレビ系連続ドラマ『silent』などの話題作に出演する井上祐貴(26)がファースト写真集『井上祐貴1st写真集 いま』(KADOKAWA)を発売した。芸歴4年、ネクストブレークの注目株が“いま”と“過去”を語った。(取材・文=平辻哲也)

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 話題作『silent』に出演し、テレ朝特別ドラマ『やっぱそれ、よくないと思う。』では岡山天音、吉川愛、久保田紗友とともに出演し、ネクストブレーク候補との呼び声も高い井上。写真集は昨年8月に高校まで過ごした故郷・広島でオールロケを敢行。素顔からモードな衣装で決めたショットまで、さまざまな表情を見せている。

「写真集を出すのは一つの目標だったんです。せっかくなら、地元で撮るのはありだなと思って、全部広島で撮らせていただきました。初めて行く場所もありましたが、昔家族で行った場所もあって、そこでしか収められない写真がいくつもあって行ってよかったなと思います。特に江田島では夕暮れを逆算して撮れたので、思い入れ深いです」

 写真集では得意のサッカー、趣味のサイクリング、キャンプなどアクティブな面を見せている。

「サッカーは小さい頃から、中2からはフットサルをやっています。サイクリング撮影は自分のクロスバイクを持っていきたかったんですが、それはできなかったので、お借りして撮影しました。サイクリングのときは撮影しているのもほぼ忘れて、サイクリングを楽しんでいる自然な表情を撮っていただきました。キャンプは最近ちょっと行けてないんですけど、昔は夏の家族の恒例行事で、テントを立てるのが好きでした。なので今回の撮影では自分からもアイデアを出させていただきました」と振り返る。

 17年、関西の大学3年に在籍していたとき、第42回ホリプロタレントスカウトキャラバンに友人が応募した。

「俳優になることは考えたことなかったです。美容師になりたいとなんとなく思ってましたが、大学に行っていたので、現実的じゃないなと思ってて。なので卒業してから専門学校に行くかなと考えていたときに、友人に『応募したよ』と言われ、最初は『ちょっと行ってみるか』という感覚でした」。

 そんな軽い気持ちが変化したのは10人がファイナリストになった決戦大会での1か月間だった。

「ダンスを1か月間練習して、決選大会で披露することになっていたんですが、ダンスはやったことがなかったし、審査項目でも一番できなかったんです。当時は関西にいたから、週末2泊3日で東京に通って、ダンスの先生に習ったんです。めちゃくちゃ優しい先生でしたが、あるとき、喝を入れてくださったんです。『あなたは気持ちでぶつかってきていない』と。図星だったんですね。先生は『分かる人には分かる。下手でも伝わるものは伝わるから』と言ってくれ、そこから気持ちが入りました。うまくやろうではなく気持ちをぶつけようと思いながら、決戦大会に臨みました」。

 スカウトキャラバンでは見事、審査員特別賞を受賞し、翌年ホリプロ入り。18年、ミュージカル『ピーターパン』で海賊マリンズ役として俳優デビュー。19年『ウルトラマンタイガ』ではドラマ初主演を果たした。

「『ピーターパン』での経験は大きかったですね。偉大な先輩方と一緒に1か月半稽古して、2か月以上一緒にずっと共にするわけです。先輩たちの背中を見させていただいたり、いろんなアドバイスやヒントをいただきました。それがあったから、『ウルトラマン』も乗り越えることができたんだと思います」。

 以降は舞台、映像作品など幅広く活躍し、芸能活動は今年5年を迎える。

「やってきてよかったです。日々、試されているみたいな感覚で気が抜けないのですが、それが合っているのかもしれない。今でも、ダンスの先生が言ってくれた言葉が一つの軸になっています。例えば、ピアノもやったことないですが、役でピアノを弾いてくれと言われたら、時間さえあればやりきる自信はあります。チャレンジして、苦手を克服していくのが好きかもしれない。実は、大学まではそういうことを避けて生きてきたんですよね」と告白する。

 好きな俳優には小栗旬を挙げる。もともと母親が大ファンで一緒にドラマなどを見てきた。

「この業界に入ったら、作品の見方がちょっと変わったんですが、そしたらよりカッコいいと思うようになったんです。いつか僕もあの人が出ているから、この作品を見ようとか、あの人みたいになりたいと思ってもらえるような人間になりたいなと思います。出演作は全部見ていますが、刑事を演じている時の小栗さんが好き。自分もこんな風に刑事役を演じてみたい」と話す。写真集発売をかなえた“いま”、次の目標の一つは小栗との共演だ。

□井上祐貴(いのうえ・ゆうき)1996年6月6日、広島県出身。2017年、第42回ホリプロタレントスカウトキャラバンにて審査員特別賞を受賞。18年、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で俳優デビュー。19年、ドラマ『ウルトラマンタイガ』(TX)で工藤ヒロユキ役としてテレビドラマ初主演を果たす。それ以降、主な出演作に『ホリミヤ』(21年/MBS・TBS)、『痴情の接吻』(21年/ABC・EX)、『群青領域』(21年/NHK)、『卒業タイムリミット』(22年/NHK)、『イケメン共よメシを喰え』(22年/TVO・BS テレ東)、『silent』(22年/CX)、『大奥』(23年/NHK)、『花嫁未満エスケープ完結編』(23年/TX)、主演映画『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』(20年/市野龍一監督)、W主演映画『NO CALL NO LIFE』(21年/井樫彩監督)、主演映画『Bittersand』(21年/杉岡知哉監督)、映画『明け方の若者たち』(21年/松本花奈監督)など。

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